freeeとChatwork、2019年のエンジニア採用チャネルをすべて公開

リファラル、ダイレクトリクルーティング、エージェント、企業によって採用のチャネルは様々です。今回の記事ではfreeeとChatworkの2019年のエンジニア採用チャネルについてインタビューを行いました。

昨年新規上場した2社に、昨年エンジニア採用に成功したすべての手法、そして現在抱えている課題や2020年の注力施策について訊いてみました。

 

《プロフィール》
freee株式会社 石井 里佳さん:
2013年にエムスリーキャリア株式会社に入社し、医師向け人材紹介の営業を行う。2017年にMRT株式会社に入社し、HR部門責任者としてHR部立ち上げを行い、採用・評価・教育研修・労務を経験する。2019年、freee株式会社に入社。

Chatwork株式会社 内田 良子さん:
新卒で銀行へ入行し、リテール営業や資産運用を行う。ジョブチェンジして入社した小売業界では、営業を経て労務・採用・組織戦略を経験する。その後、9,500名規模の流通系企業では、人事企画部でダイバーシティ推進チームリーダーとして、働き方改革や女性活躍・外国籍人材の採用など推進。2019年1月からChatwork人事専任第1号として入社し、現在はコーポレート本部人事部マネージャーとして、採用から制度設計など行っている。

freeeのエンジニア採用はダイレクトリクルーティングが8割

ー 2019年のエンジニア採用数を教えていただけますか?

現在内定承諾待ちの方を含めて約50名です。(12月半ばの取材時現在)

ー 最も採用数が多かったチャネルはなんだったんですか?

圧倒的にダイレクトリクルーティングでの採用数が多いです。
ざっくりとお話すると8割をダイレクトリクルーティングとリファラル経由で採用しています。残りの2割はインバウンドでの応募、エージェントです。

さらに詳しいサービス名まで言及するとWantedlyでの採用が最も多いです。
先日WANTEDLY VISIT AWARDS 2019で受賞をしたくらい、Wantedlyのスカウトはうまく使えていると思います。


Wantedlyのスカウトで採用数が伸びている一番のポイントは返信率が高いことです。
登録している人も他のサービスとは異なり、フランクにアプローチしてもフランクに返信してくれるので採用担当者としてもハードルが低いと感じています。

エンジニアに関していえば、Wantedlyでアプローチできるエンジニアの中ではシニアの方からスクールに通っている方まで様々です。freeeが採用したいターゲットはシニアといわれるような経験を積んだ方がほとんどですので、候補者属性が100%合っているというわけではありません。
その中でfreeeとマッチする・活躍していただける方がいるのではないかとお探しし、スカウトするようにしています。

ー ダイレクトリクルーティングに注力している理由はありますか?

先ほどお話ししたようにfreeeでは優秀なシニア層、そしてフロントからバックエンドまでの知識を持っているフルスタックの方を求めるケースが多いです。そのため、CTOがよく発信しているのが「自分たちと一緒に働きたい人は自分たちで探そう」ということです。また、リファラルで採用できるケースもあるのですが採用人数が多いこともあり、それだけでは目標は達成できません。

そういった背景があり、自分たちから能動的にアプローチしていくダイレクトリクルーティングに注力しています。

ー ダイレクトリクルーティングの課題はありますか?

一番の課題は「スカウトを送らないと採用できない」ということですね。
採用数が増えるに従って、単純な活動量を増やさないといけないという状況が続いてしまうのはよくないですね。

ー そこもふまえて、2020年に注力することがあれば教えて下さい。

まず、採用数8割を占めるダイレクトリクルーティングを、個人の活動量に依存しないように仕組み化していくというのが大事です。
それに加えて、新たにリファラルやタレントプールづくりに注力していきたいと考えています。freeeに興味を持っている人、好きになってくれる人を増やしていくという関係性づくりにも着手していきたいです。

やってよかった「選考通過率の見える化」と「内定受諾ストーリーの作成」

ー 2019年にやってよかったことも教えていただけますか?

2つあります。

1つ目は、各フローの選考通過率を見える化したことです。
母集団がどれくらいいるのか、通過率は何%か、そこから逆算して今月の採用見込みがどれくらいになるかが分かるツールを作って採用チームで管理していました。
それによって採用のボトルネックがどこにあるのかがひと目で分かるようになりましたね。

2つ目は、内定受諾のストーリーを候補者ひとりひとりに対して作っていったことです。これによって内定承諾率が“ほぼ100%”になりました。辞退されたのは1名だけでしたね。

候補者それぞれに合わせて「家庭を大事にしたいのか」「給与などの待遇を重視するのか」「スキルアップを求めているのか」という志向性、そしてそれを具体的にどのレベルで求めているのかをヒアリングしました。
そういったヒアリングを経て、freeeがどのようにその人の理想に寄り添えるかを考えて、ストーリーを提案しました。これをすべての候補者に対して実施するということをやりきりました。

Chatworkのエンジニア採用の注力ポイントはオフラインイベント

ー 2019にエンジニア採用数が多かったチャネルはなんだったんですか?

1番多かったのはエージェントですが、リファラル、オフラインイベント、インバウンドでもそれぞれ採用しています。

リファラル採用に関しては、紹介制度を整えていることもありこれまでもずっと効果が出ているところです。
そこに加えてオフラインイベントについては、新たに行って結果を出せた施策です。

ー 具体的にどのようなことを行ったんですか?

私が入社したのが2019年の1月で、入社直後からオフラインイベントへの参加を試していきました。自社でイベントを開催するというよりも、外部のイベントに参加するというものですね。

イベントには採用を目的としないテックイベントと、採用を目的としたイベントがあります。
テックイベントでは、PHP Conference、ScalaMatsuriに参加し、認知度獲得と登壇による技術ブランディングを目的としていました。
採用が目的のイベントでは直接コミュニケーションをとることで、オンラインでやりとりするよりもChatworkのカルチャーをより鮮明に伝えることができています。

ー なぜオフラインイベントに注力したんですか?

直接会ってお話した方がChatworkのカルチャーを伝えることができるからです。

背景にはカルチャーについて、記事やスカウトの文面などですべて伝えきるのが難しかったということがあります。直接接点を持つ機会があるなら、そこで、コーポレートミッションやビジョン、バリュー(5つの価値観)を社員の口から直接お話する方がありのままのChatworkを感じていただけると思ってオフラインイベントに参加するようにしました。

まさにOne to Oneのダイレクトリクルーティングというやり方ですので、そういった意味では母集団形成がうまくできているという状態ではありません。でも、Chatworkのカルチャーにマッチした人が選考を受けてくれていているという効果もあります。

ー 2020年に注力することがあれば教えて下さい。

オフラインイベントにより注力していきたいと考えています。自社開催のイベントなども計画しているところです。
また、他社と複数社で合同実施するなどして参加者数を増やすなど、これまでにない取り組みができないかということも考えていますね。

2020年の課題になるのは選考の特徴でもある「体験入社」

ー 他に課題と捉えていることはありますか?

Chatworkの選考では全職種の全候補者に対して1日体験入社という選考フローがあります。これによって離職率の低下に繋がっているという成果実感があります。


一方で、体験入社などの日程調整によって選考が長引いてしまい、選考全体が1ヶ月半ほどかかることもあります。候補者にとっても負担ですし、その間に他社の内定を受諾してしまうということもありますので、選考フローは改善していきたいと考えています。

ー 全職種の全員が体験入社するのはすごい徹底ぶりですね。選考フローを短縮するための具体的な施策はありますか?

具体的には、現在最終面接と同日に行っている体験入社を選考のより早い段階で行うということです。

最終の役員面接は日程調整が難航することが多く、同日に体験入社を行うと日程調整が困難です。
2次面接では人事と本部長が行いますので、そこで体験入社を実施するオペレーションに変更しました。あとは半日にするなど体験入社の短縮も試しています。

先ほどもお話したとおり、体験入社は定着(離職率の低下)に繋がっていますので、そのメリットを担保したまま如何に選考期間を短くするかということを試行錯誤していかなければいけません。

おわりに

freeeはダイレクトリクルーティング、Chatworkはオフラインイベントと、2社の注力ポイントは異なっていましたが、どちらにも共通しているのはオペレーションの改善を課題に感じていることです。
新規上場を果たし成長を続ける企業であっても足元の業務の改善に愚直に向き合い、結果を出しています。

採用業界では新たなトレンドも生まれていますが、今一度現在向き合っている業務の中で改善できるところがないか見つめ直してみるのもよいかもしれません。

1月の内に、2社のように2020年の採用業務の改善について考え直す時間をとってみてはいかがでしょうか。

 


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