本記事は、2025年11月26日に開催されたイベントのレポートです。
<イベント概要>
『採用広報』だけでは届かない!エンジニアとつながる3つのポイントと実践者によるオフレコトーク!
✔️「採用広報を頑張っているから、もっとエンジニアに届けたい…」
✔️「社内のエンジニアともっと採用のポイントについて話したい…」
✔️「社外のエンジニアと接点を持ちたいから、会話のフックになるような情報がほしい…」
エンジニア採用を成功させるには、従来の採用広報だけでは不十分と感じること、ありませんか?
エンジニアが何をきっかけに転職を考えるのか、どんな発信なら心に響くのか、どうやって関係を築けばいいのか、これらを理解し、実践することが求められています。
本イベントでは、
・2年間で従業員数が1.85倍に増えた企業の実践者
・日本を代表する大企業で社内外のエンジニアが交わる施設を活用し、採用に繋げている方
この2名をゲストにお迎えし、エンジニアとつながるための3つのポイントを徹底議論しました。
オフラインだからこそ話せる「うまくいかなかった施策」「採用広報の限界」「成功を生んだ裏側」を赤裸々に公開。明日からすぐ試せる具体的なアクションと、エンジニア目線での採用を学べる貴重な時間となりました。
AI時代に高まる開発以外のスキルの重要性
「コードを書く」ことから「事業貢献」へ。マネジメント・リードなど、「作る以外の役割」を果たせるエンジニアのニーズが、ますます高まりを見せています。
事業成長を牽引するこれらのスキル、LAPRASなら見極められます!
「AI時代に求められるエンジニア」を見つける方法目次
(ミニディスカッション)エンジニア転職市場の今

イベントではまず、LAPRAS・CTOの興梠とROSCA株式会社取締役の鈴木さんが、エンジニア採用市場で起きている「早期化」をテーマにディスカッションを行いました。
ミニディスカッション:登壇者紹介
ROSCA株式会社 / ROSCA consulting事業部 / 取締役 / 鈴木 昂志

代表田原と同様に前職では、「エンジニア専門」の派遣及び人材紹介業務に従事。 エンジニアの方のキャリア面談を始め、自社の採用、フリーランスの独立支援等、 年間約600名の方と面談を行い、実際に150名の方の就業先の支援を行っておりました。 その後、マネージャー職を経て後進の育成に従事した後、 田原とともに、ROSCA株式会社を創業。 働き方のみにとらわれず、プライベートの時間も含め、どうしたら最良の状態になるのか。 徹底的に寄り添った提案を得意とするアドバイザーです。
LAPRAS株式会社 / CTO / 興梠 敬典

豊田高専を卒業後、ソフトウェアエンジニアとして多様な開発案件に従事。複数の新規事業立ち上げに関わり、ビジネス/ソフトウェア双方の設計と構築を経験。2015年より株式会社Nextremer高知AIラボの代表として、事業や組織の立ち上げを主導。地域コミュニティや行政とも協力関係を構築し、地方でも先端技術に触れられる場作りに貢献。2019年8月にLAPRASに入社。2020年10月CTOに就任。
採用市場の「静かな早期化」とは?
鈴木さん:ROSCA株式会社の鈴木と申します。前職では、エンジニア×人材のサービスで上場した株式会社TWOSTONE&Sonsの立ち上げフェーズに関わっていました。そこから代表と2人で立ち上げたのがROSCAです。
ROSCAは「目の前の一人を大切にして最大限の価値を提供する」というコンセプトで立ち上げました。目の前のユーザーさんに徹底的に寄り添い、その寄り添い力で突き抜ける。クライアントである人事の方にも同じように寄り添う──そんな会社を目指しています。
今日は、他社の引き出しの情報や、生の声を集めたからこそ見える俯瞰的な今の市況感などの話を、皆さんに共有したいと考えています。
興梠:ありがとうございます。では、ここからミニディスカッションです。「エンジニア転職は「静かに早期化」している?市場とエンジニアの「動き出す前」の変化を読み解く」というテーマでお話できればと思います。
鈴木さん:興梠さんと事前にお話して、このテーマが一番良さそうだということで設定させてもらいました。他のビジネス系職種やマーケ系職種に比べ、エンジニアの採用市場では「早期化」が顕著に起きていると言えます。
dodaの「転職求人倍率レポート(https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/)」によると、実際の数字で見ると、dodaのデータではセールス職の求人倍率が2.5倍くらいなのに対して、エンジニアは12倍。ざっくり5倍近く競争が激しい状況です(2025年11月時点)。だからこそ、「今まさに転職したい」という顕在層には各社からアプローチが殺到していて、1人あたりの競争率が非常に高くなってしまいます。
そんな中、多くの企業は「より早期にアプローチしていく、より潜在層にアプローチしていく」という動きをしています。採用媒体上の「転職検討中」の層を狙うよりも前に、まだ転職活動をしようとも思っていない人たち──たとえばテック系コミュニティに参加しているエンジニアとまず接点を持つイメージです。そこで「この会社おもしろそうだな」と思ってもらい、「転職も検討してみようかな」という気持ちを引き出していくような動きを活発化しています。
顕在層だけでなく、潜在層、さらには「非転職層」と呼べるレベルの人たちまで含めて、アプローチ対象の検討段階がどんどん前倒し・長期化しているのが全体のトレンドだと思います。そこを踏まえて、自社はどの層にどんな戦略を取るのかを設計していくことが、今後はより重要になってくると感じています。
転職スタート時は「接点がある企業」が有利
興梠:同感です。採用プラットフォームを運用していても、今の話は強く実感するところがあります。LAPRASでは、エンジニア個人向けのサービスや、転職につながるサービスを展開しています。その中で、登録ユーザーへのインタビューなどを通じて「エンジニアの転職にはどういったパターンがあるのか」といった傾向を聞く機会が多くあります。
転職しようと考えたとき、多くの方が最初にやることは「過去に接点のあった会社に当たる」というものです。その後は、転職サービス上で自身が「転職活動中である」ことを明確にし自分宛てに届くスカウトを順次チェックしていくことになります。
とはいえ、そのすべてをチェックし返信するのは物理的に不可能です。そのため「知っている会社かどうか」「働いている知り合いがいてなんとなく信頼できそうか」といった条件で、候補を絞り込むことになります。有名企業はもちろん、「あの人の会社なら話を聞いてみてもいいかも」というところから数社を選び、いわば「第一候補群」としてカジュアル面談や選考に進めていくイメージです。
この「第一候補群」が尽きるまでは、それ以外の企業からのスカウトやオファーにはほとんど反応しない、という傾向もデータから見えてきています。だからこそ、「転職するかもしれないタイミングのだいぶ前から接点を持つこと」が、採用側にとってはすごく重要になってきていると感じます。
「知り合い」になっておき、タイミングを見てアプローチする
鈴木さん:そうですね。優秀な人ほどリファラルで転職に成功する傾向が強いです。スカウトに反応するよりも先に「あの会社に行きたい」とあらかじめ当たりをつけて自己応募し、転職に成功するケースが非常に増えています。
ハイレイヤーを多く採用している企業さんとお話ししていると、よく出てくるのが「自社でタレントプールを構築している」という話です。採用市場をリードする企業は、どこも顕在層だけを取りにいくだけにとどまってはいません。潜在層に対しても「まずはカジュアルに話しませんか?」という声かけを広く行い、候補者との関係づくりから始めています。
カジュアル面談からはすぐ選考に進むわけではありません。その後も、イベントに招待したり、定期的にオフィスにお誘いしたりと、継続的なナーチャリングを続けていきます。そうして半年〜1年スパンでようやく選考に転換していく。このような動きを、すでに当たり前のように実践している会社が多い印象です。
興梠:ありがとうございます。そうですよね。我々も採用サービスを提供している立場として企業側の使い方をモニタリングしていますが、うまく活用されている会社さんは、そのような運用をされています。とりあえず「よさそうだ」と思った方には定期的に「いいね」を送るなど軽い反応をして、まずは「接点がある候補者のプール」を作っておくわけです。
そのうえで、その人が本格的に転職活動を始めたタイミングで、「前はありがとうございました」というふうに「知り合い」としてアプローチを開始していくことができます。すべての企業がこうした取り組みができているわけではないため、取り組むだけで差別化につながります。すでにこうした取り組みを実現できている企業は、ロケットスタートで優位な採用活動を展開されている印象があります。
スカウトは複数回、諦めずに送り続けることが大事
鈴木さん:直ぐに実践できそうなTIPSをご紹介します。スカウトを送るときは、2通目や3通目で諦めてしまう企業さんも多いと思うのですが、当社は6通目まで送っています。その5通目、6通目で返信が来ることも全然あります。利用する媒体によっては、LAPRASのようにスカウトを何回送っても利用料金がかわらないところもあるので、どれだけ頑張るかが勝負です。
Webマーケティングと同じような発想で考えると、「初めて送る、1通目のスカウト」をそのまま見て貰える確率より、見てもらえない確率のほうが高いと言えます。だからこそ、その候補者に見てもらえるタイミングが来たときそのユーザーにちゃんとインプレッションできているかどうかが重要になります。
なので、1か月おき、3か月おきに送るなど、嫌われない程度の頻度で送り続けることを意識するのがおすすめです。そうすることで、採用意欲が上がったタイミングで、そのユーザーにインプレッションできている状態を作り出すことができます。弊社では、こうした考えのもと、ダイレクトスカウトは徹底的に送りきる、という運用をしています。
興梠:本当にその通りで、受け取る立場としてもよくわかります。忙しかったり、ほかの選考がたくさん入っているタイミングで受け取ったメッセージは、どうしても埋もれてしまいがちです。
加えてよくあるのが、「どう返信しようかな」と考えて後回しにしてしまい、そのまま返信しないままになってしまうケースです。ユーザーへのインタビューでも「あるある」としてよく聞きます。ですから、1回、2回で諦めずに定期的に送ることは、迷惑にならない頻度とトーンさえ守れていれば、「あり」だと思います。
参加して楽しめる、カジュアルな接点を持つ
鈴木さん:あとは、タレントプールを作ったあとは、その関係をどう繋ぎ止めていくかという点が重要になってきます。たとえば、毎回3か月ごとにカジュアル面談を続けているだけでは、どこかの段階で「もういい」となると思います。
そうはならないために、ギークな技術や今のトレンドについて話をする場を設けるなど、「ちょっとした面白さ」、エンタメ要素を含めていくことが重要だと思っています。そうした取り組みで接触頻度を増やせれば、単純接触効果で、「なんとなく親近感があるから、話を聞いてみようかな」という状態になります。こうした状態を半年から1年スパンでどう作っていくか。その地道な部分が、その会社の採用基盤につながると思います。
興梠:「勉強会やるので来てください」といったカジュアルな誘いが重要になる、ということですよね。
鈴木さん:はい、今であれば生成AIに注目が集まっていますから、それをテーマにして「AIを用いたコーディングでこういうやり方をやっています。その中身を知るためのイベントをやるので、ぜひ参加してください」といった切り口で、興味を惹くこともできますね。
三菱電機の「場づくり」とSerendieの取り組み

続くセッションパートでは、エンジニアとつながる「場づくり」をテーマに、KDDIアジャイル開発センターの小坂さん、三菱電機の黒木さんから、実体験に基づく「3つのポイント」についてお話いただきました。
セッション:登壇者紹介
KDDIアジャイル開発センター株式会社 / アジャイルコーチ / 小坂 淳貴

Agileで日本から世界を楽しく!
Agileの世界とエンジニアコミュニティにどっぷりハマっている元製造業の人。
ソフトウェア開発でプロセスやコミュニケーションに課題を感じていたところアジャイルに出会い、以降、アジャイルの世界へのめり込む。
現在はAgileとScrumの専門家としての知識や経験を活かしながら組織開発に従事。カンファレンス運営などを通じ、日本にAgileが楽しく広まることを夢見て日々活動中。
一般社団法人Agile Japan EXPO 代表理事
ペップトークマスター
三菱電機株式会社 / 設計技術開発センター アジャイル開発推進プロジェクトグループ / プロジェクトグループマネージャー / 黒木 翔

2011年に入社。社会インフラ系向け監視制御システム、電力向け基幹業務システムなどミッションクリティカルなシステムの開発・SEを経験。2024年に現部署へ異動、2025年より現職。現在は、アジャイルマインドセットを社内に浸透させるため各事業部門の支援に従事。XP日本ユーザグループ XP祭り実行委員、RSGTボランティアスタッフ。
イベント・コミュニティから生まれる縁
小坂さん:はい。小坂です。イニシャルから「JK」とも呼ばれています。今は KDDIアジャイル開発センターという、ちょっと長い社名の会社で仕事をしています。そのほかカンファレンスなど大きめのイベントから小さな勉強会まで、いろいろな「場づくり」を実施している会社です。


黒木さん:三菱電機株式会社の黒木と申します。アジャイル開発を推進するプロジェクトグループでマネージャーを務めています。入社は2011年で、かれこれ14年間ずっと三菱電機にいます。
いわゆるJTCの中で、アジャイル開発の導入を推し進める部門ということで、日々かなり試行錯誤しながら取り組んでいるところです。
JKさんとはアジャイル系コミュニティのご縁でつながっていて、その流れから今回こういった場でお話しさせていただくことになりました。
小坂さん:今回は「エンジニアとつながる場づくり」がテーマということで、共通のテーマで話せる三菱電機黒木さんに登壇していただこうという流れになりました。
三菱電機のデジタル基盤「Serendie」とは?

黒木さん:三菱電機というと、家電やエレベーター・エスカレーターなどの機器や設備を手掛けているのは皆さんご存じだと思いますが、今後は、デジタルビジネスも大きな柱として育てていこうと考え、取り組んでいるところです。
こちらは昨今弊社が掲げているのが、「循環型 デジタル・エンジニアリング」というものです。コンポーネントからさまざまなデータを取得し、そのデータをデジタル空間に集約・蓄積して分析し、新たなソリューションとして提供していく。その循環によってお客様の課題を発見し、社会課題の解決にもつなげていこう、という考え方です。
その取り組みを支える基盤として位置づけているのが「Serendie」です。一般的にデジタル基盤というと、クラウド上のプラットフォームや、そこで動くアプリケーションをイメージされるかもしれませんが、そうした技術的な基盤だけでなく、プロジェクトを進めるための基盤も含めて設計しています。
具体的には、アジャイル開発のガイドラインのような「開発の基盤」、今日のテーマにも関わる「人材基盤」、そして共創活動を支える「共創基盤」といった考え方です。本日はその中でも、特に共創基盤としての Serendieについて、詳しくお話しできればと思います。

場づくりとコミュニティが採用課題の特効薬に
黒木さん:当社はこれまで、コンポーネント型のビジネスで、「機械屋さん」「電気屋さん」等のエンジニアが中心の会社でした。ただ、これからはデジタルビジネスの軸でもやっていく必要があり、そのためにはデジタル人財を強化していかなければなりません。これまでとは違うアプローチが必要だということで、さまざまな取り組みをスタートしました。
その中で今、弊社として二つの「特効薬」を掲げています。ひとつは、共創活動を加速する「Serendie Street」という実際の場づくり。もうひとつが、先ほども話に出ていた、人財を育てるコミュニティ活動です。この二つを大きな軸として取り組んでいます。

共創拠点「Serendie Street」
黒木さん:Serendie Street は、横浜の「Serendie Street YOKOHAMA」をはじめ、グローバルにも展開していて、今年は「Serendie Street BOSTON」が立ち上がりました。さらに最近、関西・梅田にも「Serendie Street OSAKA」ができたところです。こうした拠点を各地につくり、デジタル価値の創造、働き方のアップデート、人財教育などを進めています。
実際の活動としては、共創拠点として2025年1月にオープンしてから、まだ1年経たないにもかかわらず、本当に多数の方に来場いただいています。来場者数はすでに1万人を超え、関わってくださった企業も多く、ほぼ毎日のようにお客様にお越しいただいている状況です。アジャイルを含むさまざまなイベントも開催していて、数字で言うと、延べイベント回数が145回、来場者数は11,785人ほどになります。

この場所は、お客様をご招待して説明するだけでなく、社員が実際にここでアジャイル・スクラム開発を行う「活動の場」にもなっています。空間の構成としては、まず各種イベントを実施する大きなスペースがあって、そこを「サークル」と呼んでいます。
次に、アジャイル関連の展示物を並べた「GARAGE」というエリアがあります。入り口から入ってすぐのところには「YOKOCHO」と呼んでいるスペースがあって、カフェやカウンターのような雰囲気で、ちょっと立ち話をしたり、軽く打ち合わせをしたりできる場所です。最後に、実際に共創・開発を行うチームが日々稼働しているエリアがあり、こうした構成でセンター全体をデザインしています。
コミュニティ活動でブランドイメージの転換も
黒木さん:場づくりに加えて、コミュニティ活動にも力を入れています。クラウド関連とアジャイル関連、それぞれにコミュニティがありまして、例えばクラウド側では、AWSの日本ユーザグループである「JAWS-UG」の三菱版として、「MITSUBISHI の M」を取った「MAWS-UG」という名前のコミュニティがあります。いずれのコミュニティも、勉強会や情報交換の場として活用しています。
コミュニティ活動が人材育成にどう貢献するのかという点については、研修設計へのフィードバック、社内人材ネットワークの構築・強化などが挙げられます。

こうした取り組みは、採用ブランディングの面でも効果が出てきています。なかなか「三菱電機」と「デジタル」というキーワードが結びつかず、そもそも デジタル人材の(入社の)候補先リストに入っていない、という課題がありました。しかし、こうした活動を通じて「三菱電機って、こんな技術的に面白いことをやっているんだ」と知ってもらえる機会が増え、関心を持ってもらえるケースが増えてきています。
また、アジャイルのコミュニティは自分のグループが中心となって運営しています。社外の方に講演して貰ったり、一緒にイベントを企画したりすることもあります。例えば、JKさんに関わって貰って、Agile Japanのサテライトイベントを開催しました。

アジャイルコミュニティの活動が、社外とのつながりを広げるきっかけづくりにもなっています。
人と人とがつながる、場所と機会を提供する
黒木さん:デジタル人材を必要としている企業は多く、そういった方々に選んでもらうための打ち手として、「採用ホームページを刷新する」「採用のデジタル広告を打つ」といったこともありますが、最終的には「人と人がつながること」が採用に直結する、というのがここ最近の実感です。
自分のグループでも、Serendieの場に実際に来て開発メンバーやプロダクトメンバーと関わったことで興味を持った方が、最終的にリファラル採用で入社されたケースがあります。そういったきっかけをつくることで、「人が人を育て、人がつながり、人が会社を創る」という循環のエコシステムを、この場から広げていけると思いますし、広げていきたいと考えています。

小坂さん:前半のお二方のセッションでも「エンジニアの求人倍率12倍」という話が出ていましたが、大企業がここまできちんと設計して「場づくり」や発信をしているというのは、10年前にはなかなか見られなかったことですよね。
自分もSerendieに行ったことがありますが、本当に面白い場所で、スライドにもあった横長のスペース──「CIRCLE」と書かれていたところだけでも、100人くらい収容できるほどの広さがありました。実際に足を運んでみると、「あ、こんなことをやっているんだな」というのがわかり、いろいろ刺激になると思います。
皆さんも、さまざまな構想をお持ちだと思うのですが、こういう大企業が技術者・エンジニアが集まる場をつくり、さらにそれを採用にもつなげている……というのは、今日の大きなポイントの1つではないでしょうか。
ポイント1:エンジニアに届く効果的な発信の仕⽅

小坂さん:では、ここから「エンジニアとつながる場づくり」のために大切になる、3つのポイントについてお話しします。1つ目は「エンジニアに届く効果的な発信の仕方」です。
まず、「エンジニアは誰の発信を見ているのか」についてお話します。採用ブログやSNS など、皆さんさまざまな方法で情報発信に取り組まれていると思います。
エンジニア向けの情報発信で注意してほしいポイントは、「採用ブログだけの発信では最初のタッチポイントを作るのは難しい」という点です。
多くの企業は、採用ブログに次のような情報を記載しているのではないでしょうか。
- こんな仲間がいます!
- こんな場所で働けます!
- こんな福利厚生があります!
- 仲間を募集しています!
しかし、こうした情報を発信するだけでは、エンジニアの方々の興味関心を惹きつけ「つながる」ためには十分とは言えません。
転職時には誰もが気になる情報としてたとえば年収がありますが、採用ブログに具体的な年収を記載する企業はほとんどいないはずです。上記にあるものだと「いい仲間」はどの企業にもいるものですし、「福利厚生だけを目当てに転職されたら、却って困ってしまう」という現実もあります。
技術ブログとSNSでまず「つながる」ことが大事
小坂さん:一方、「つながりたいエンジニアとの関係性創出」に役立つのが技術ブログとSNSです。たとえば、技術ブログに次のような内容が書かれていれば、見る人に「自分が知らない技術を知っている人がいる」といった印象を与えられます。
- エンジニアの注目度が高い技術を実践で使っている
- トラブルをいつも同じ人が常に解決している
そうすれば、「その記事を書いた社員のSNSをフォローする」「リプライで自然とタッチポイントができる」という展開も期待できます。このような流れで接点を持っておけば、転職意欲が高くなったタイミングで採用ブログの情報に触れたときに、一気に強い魅力を感じるという流れを起こすことができます。
つまり、
- 採用ブログだけをいくら発信していてもエンジニア採用はなかなか成立しにくい
- 「つながるきっかけづくり」として技術ブログとSNSが重要
これが1つ目のポイントです。
技術者の興味関心が最初の接点を生む
小坂さん:なぜ技術ブログが大事なのか、もう少し具体的に説明します。エンジニアが気になっている技術を実際に使っている、ということ自体が、ひとつのシグナルになるからです。
たとえば、10年前は「大企業でAWSを使うこと自体がなかなか難しい」、という実態がありました。今は少しずつ使えるようになってきましたが、その過程で社外のいろいろな人のブログを読み、学びながら、少しずつ使えるような環境ができていったという側面があります。
今であれば生成AIも同じ流れが当てはまりますが、新しい技術が出てきたことを知るのは、外の発信からであることが多いです。だからこそ、「技術者同士の情報発信・受信」の場になる技術ブログやSNSこそが、最初のタッチポイントになるのではないでしょうか。
会社名が分からなくても、「この人のブログを見ていればいつも勉強になる」と思うと、その人をフォローするようになります。これは結果的にダイレクトマーケティング的な効果につながります。「その人に聞けばいい」という関係性を生むことができる人が社外にいると、「会社名は知らなくても、その人のことは知っている」という状態がエンジニアの間で起こります。
非エンジニアの人事でも活用できる
小坂さん:リプライをくれたり、SNS で発信していたりする人は、能動的に他者とつながっていく傾向があります。そういう人たちは、コミュニケーションを重ねるなかでよりSNS 上で活躍するようになったり、コンスタントに発信を続けたりするようになる人も多いです。なので、そういった人々とつながっておくことで、そこから新たなつながりが生まれるケースがあります。
「エンジニアを相手にするならエンジニアじゃないとコミュニケーションできない」というわけでもありません。
「技術発信をしている人に、採用担当から直接リプライする」というコミュニケーションがあります。採用担当だけでなく、総務やバックオフィスの人がエンジニアと Xで会話しているケースも、最近増えているように感じます。
たとえば、人事など非エンジニア職の方からでも「自分たちもこの生成AI技術を使ってみたいと思いました」といったリプライをもらうと、喜んでくれるエンジニアもいます。もちろん TPO や空気を読むスキルはある程度必要ですが、いろいろな人が直接絡んでいいのがSNSですので、非エンジニア職の方がエンジニアの方とつながる場として活用できます。
つまり、「つながりたい人と関係性を創出できる」という意味で、SNS は十分に使えるツールである、という話です。SNSでつながりが生まれると、採用ブログなど自社の公式な情報発信も見てもらえるようになります。そこで「素敵な会社ですね」といったやり取りが生まれると、「こうやって人がつながっていくんだな」という体験を、自分自身を起点として作ることができます。

情報発信と「つながり」、どちらが欠けてもうまくいかない
小坂さん:今の話の中では、つながりのきっかけを作るという点で「技術ブログを書ける人」が非常に重要だと言えます。
ただ、その人だけを特別視するのではなく、書いていない人もそれぞれの役割で頑張っていることを忘れないようにしたいです。
技術ブログを書いてくれる方はとても貴重なので、その方とのコミュニケーションは大切にしていきましょう。そこから「次はこんな発信をしてみたらどう?」といった会話が生まれることもあります。
そうした会話を通じて、「エンジニアが何を考えているのか」と「社内の人がどんなことを考えているのか」の両方について理解が深まっていくと思います。
黒木さん:弊社もそうですが、結局のところ「人」なんですよね。いろいろな技術発信や「場づくり」の話もしましたが、最終的には「この人と一緒に働きたい」「こんなすごいエンジニアと働きたい」と思えるかどうかが大きいのかなと感じています。
昔どこかで「すごいエンジニアがいること自体が福利厚生だ」という言葉を聞いたことがありますが、自分もかなりそれを実感しています。「この人と働きたいから、この会社に行く」というケースは本当に多いです。そういう意味でも、技術発信を続けている JKさんのような存在は、とても大事なピースだと感じています。
小坂さん:そうですよね。「人のブランド力」も、とても重要だと感じました。
このように、SNSは「発信の場」であると同時に、「エンジニアとつながる場」として活用していきましょう。発信するだけでは届ききらないので、ちゃんと「つながる」ことが大事です。
さらに、オンラインだけのつながりに留まらず、次のステップとして対面で相手に会うこともとても有効です。前半のセッションでも出ていましたが、オンラインでつながっている相手に、オフラインで「いつもお世話になっています」と声をかけられる関係になると、一気に距離が縮まります。
ポイント2:エンジニアが転職を決断するトリガー
小坂さん:次のポイントは「エンジニアが転職を決断するトリガー」です。これは人それぞれいろいろあると思いますが、自分のケースを例にお話ししたいと思います。
まず大事なのは、「エンジニア本人は、その出会いがあるまで、その会社への転職を意識していないことが多い」、という点です。会社側が「来てくれないかな」と待っているだけでは来てくれません。一方で、当の本人も「転職しよう」と思っていないのに、結果的に転職に至ることがあります。
小坂さんが転職に至った2つのきっかけ
小坂さん:自分の実例を2つ紹介します。自分は2回転職しているのですが、1回目の転職は本日のようなイベントで「たまたま隣に前職の会社の社長が座っていた」というのがきっかけでした。
その社長に「Facebookもやっているので、よかったらフレンドになってください」と言われ、名刺交換しました。そのあとホームページを見て興味が湧き、会社見学をさせてほしいと連絡したところ、翌月には内定をいただいて転職することになりました。「Facebookでつながった」くらいに思っていたのに、1か月後には転職までしていた。こういう事例が本当にあるので、人生、何があるかわかりません。
もうひとつは、今私が住んでいる静岡県三島市での話です。三島に引っ越したあと、そこで出会った人が今の会社のメンバーでした。エンジニアをやっているとスカウトメールを受け取る機会が多々ありますが、その中で社名は認知していました。
ですので、その会社のことは何年も前から知っていましたが、その時点では転職する気はありませんでした。
ただ、三島でたまたま飲み友達になったのが、その会社の人でした。そのご縁がきっかけで、「三島で何か一緒にやったら面白そうだな」と思うようになり、結果的に転職しました。つまり、まったく行く気のなかった会社に、今自分はいる、という事実があります。少なくとも自分の場合は、「転職のきっかけってそんなものだな」という感覚です。
エージェントさん経由であれば、いろんな戦略的なご縁や、それぞれの形での偶然の出会いがあって転職することも多いと思います。自分の場合は、人と人とが実際に会ったことがきっかけで、こうした経験をしました。

小坂さんが関わったリファラル採用2つの事例
小坂さん:次に、自分のリファラルであったケースを2つ紹介します。プライベートに関わる部分は少し表現を変えていますが、だいたい実話です。
あるイベントで、たまたま隣に座った人の会社がソフトウェア開発事業をやめることになり、その方は職を失うタイミングでした。会ったときにはその話は一切出ていなかったのですが、あとで SNS を見たら「今、実は求職中です」とつぶやいていた。そこで「大丈夫? うちの会社を受けてみる?」という感じで声をかけたところ、結果的に採用につながりました。これは完全にタイミングの話で、その「たまたま」がなければ生まれなかったリファラルです。
もうひとつは、ずっと前から知っていた知人のケースです。家族のライフステージが変わったことをきっかけに、新しい働き場所を探していたタイミングでした。業界はまったく違うけれど、新しいチャレンジもしたいし、前より待遇のよい会社を選びたい」「家庭のケアのためにフルリモートで働ける環境で働きたい」といった考えで転職先を探していました。さまざまな人から声がかかる中の一社から弊社を選んでくれた、というケースです。
このように、「前から知ってはいたけれど、その時点ではご縁がなかった」という関係が、何年か経ってから転職のご縁として立ち上がるケースはかなり多いと感じています。これが、私の経験上の実感です。

「すでに知っている」という安心感
小坂さん:(黒木さんへ)Serendie自体はまだ開設一年未満ですが、それでも Serendieをきっかけに転職してくれた方はいらっしゃいますか。
黒木さん:はい。すでに採用が決まり、来年から入社される方もいます。その方はイベントをきっかけにしてまずSerendieに来てくれました。その後、自分たちが就業している平日、実際にチームの活動を見学してもらい、「こういう働き方を実際にしているんだ」と確認してもらった上で入社に至りました。
小坂さん:私のケースのように「知り合いが働いている」ということ、これに加えて「環境や場所を知っている」「雰囲気を知っている」ということも、飛び込みやすさにつながりますよね。私自身、そういう安心感がないと飛び込むのは難しいです。
黒木さん:採用サイトなどでとてもよく見えても、実際はどうなんだろうという不安を抱くものだと思います。
小坂さん:そうですよね。その点、Serendieに実際に行くことで「あ、こんな感じで本当に普通に人が歩いて、この場所を使っているんだ」というのがわかって面白かったです。そのうえで、実際に採用につながる具体例も聞けると安心でき、すごく納得感があります。
「転職のトリガー」となりうる自社の魅力を言語化しておく
小坂さん:「転職を決断するトリガー」についても「つながる場づくり」が重要な意味を持ちます。採用担当の方は、次のような場面をイメージしてみてください。
たとえば、自社に来てくれるかもしれないエンジニアの方とたまたま会ったときに、自分の会社の好きなところをうまく伝えられるでしょうか。あるいは、相手が「この会社に行ってみようかな」と思えるような魅力を、相手に伝えられるでしょうか。チャンスが来たときに淀みなく伝えられるように、トリガーを引ける「手札」を、日頃から準備しておくことが大事です。
そうした準備が不十分だと「うちはフルリモートワークなんですよ」と伝えたときに、「でもフルリモートだとコミュニケーションは希薄になりませんか」「たまに出社するときはどうしているんですか」といった質問にうまく答えられません。
日頃からそういったつっこんだ質問に対しては、きちんと返事できるようにしておく必要があります。会社の魅力と、「自分が本当にいいと思っている」という気持ちの両方が伝わらないと、説得力や、さっき黒木さんがおっしゃっていたような安心感はなかなか生まれにくいと思います。だからこそ、「いつでも魅力を伝えられるようになる」ことが大事です。
ここまでは社外エンジニアの「他社から自社へ転職のトリガー」の話をしてきましたが、実際には自社のエンジニアの「自社から他社への転職トリガー」にもなりうる、ということも意識しておいたほうがいいと思います。
エンジニア採用市場は流動性が高いので、人が出入りすることは大前提です。そのうえで、「うちはこれがいいと思う」ということを、勇気を持ってちゃんと伝えられるかどうかで、採用は大きく変わってくるのではないかと思います。
ポイント3:採用者候補の見つけ方
小坂さん:3つ目は「採用者との出会い方」です。ここでは「運命的な出会いはどう起こるか」という話をします。三菱電機さんでの、最近のSerendieを通じた運命的な出会いの具体例などがあれば、お伺いしてもよいですか。
黒木さん:そうですね。たまたま同じタイミングで知り合いとイベントに参加していて再会したところから転職につながったケースというのもあります。複数の顧客を同じ会場に集めてしまうので、そうした偶然の出会いが起こりやすい環境になっているなと感じます。
小坂さん:そうですね。自分が Serendieに行ったときも、たまたまいた知人に3人くらい会いました。気づいていないだけでもっといたかもしれません。その日は、イベントなどでそういう人が集まりやすい日ではあったのですが、だとしても驚くようなことでした。「運命的な出会いはいつ起こるかわからない」の実例ですね。
継続的な参加には熱量の維持が不可欠
小坂さん:コミュニティについて少し補足すると、弊社が関わっているAgile JapanやAI駆動開発勉強会のように、一度きりでなく継続して続いていくイベントもあります。そうしたイベントでは、同じ方と何度も顔を合わせて「また会いましたね」といったところから関係性が深まっていくことも多々あります。
このように能動的に足を延ばして参加したイベントでの出会いが、「あの人の会社、ちょっと魅力的だったな」と思い出すような出会いのきっかけになっていたりします。ただし、継続して参加していくためには「熱量」が大事です。採用のためだけにそういった場に参加しても、なかなか次も行こうという気持ちにはつながりません。主催側の立場でも同様です。
自分自身の熱量を自覚しながら、無理せず取り組んでいきましょう。自分自身が楽しいと、意識しなくても自然と能動的に動けるようになります。そうすると、情報の収集の仕方も変わってきますし、「この人をフォローしておけば、自分の欲しい情報が入ってくる」という感覚も育ってきます。
私の場合、「アジャイル系の情報は Xには少なく、Facebookで見つけやすい」ということをコミュニティに飛び込んでから初めて知りました。
自分たちより一世代上、今のアラフィフ世代の方々は、結構Facebookをメインに情報発信・情報交換していたんですね。それを知ってから、XよりもFacebookを見る時間が増えるなど、自分の過ごし方が変わった、という経験があります。質の良い情報を短時間で得るという意味でも、情報収集の方法を工夫するのは大事ですし、今ならAIを使うことで情報を集めることもできます。

参加するだけでなく、発信することの重要性
小坂さん:さて、「人と会える場所に足を運ぶ」だけだと少し物足りないので、「ちゃんと情報発信しよう」という話もしておきたいです。オンラインでもオフラインでも、「ちゃんと発信する・発言する」ことが大事です。「今日も楽しかったです」とか、「自分はこんな課題を抱えているんですが、あなたのところはどうですか」といったことを話すことで、つながりや会話が生まれます。そこで「自分と同じことで困っている人がいる」と気づくこともあります。
なので、今日ここに来ている皆さんも、ぜひ「隣の人と話してから帰る」「新しい人と名刺を交換してから帰る」といったことを、楽しみながらやってみてください。
登壇者がいるイベントでは、「さっきのあの話、詳しく聞きたいです」「ここが気になりました」といった形で、登壇者とつながることもできます。そこから、その登壇者がさらに別の人を紹介してくれる、ということもあります。
先ほどもお話した通り、「関係性をきっかけにタイミングが訪れる」という意味で、「今撒いている種が、何年か先の何かを変えるきっかけになる」ことがあります。そこを楽しくやれるといいなと思います。
最初から採用目的にせず、楽しんで参加する
黒木さん:私は本日、コミュニティが採用の「特効薬」だというお話をさせていただきました。しかし、JKさんがおっしゃったように、私も「採用のためにコミュニティに入らなきゃ」と思って入ったわけではありません。
私はコミュニティに関わるようになってかれこれ10年以上になりますが、当初はひたすら勉強したくて、楽しみたくてコミュニティに入りました。たまたまそれが今採用につながっている、という感覚です。コミュニティからつながる転職では、自分自身が「楽しい」と思って活動している人を見て、「こんな風に楽しんでいる人がいるところで働きたい」と思うものです。最初から採用目的ではなく、「この人とは今後も関わっていきたい」という自然な気持ちから続けていくのがいいのではないでしょうか。
小坂さん:そうですね。私も最初はアジャイルもスクラムも何もわからない状態から始めた当初は、ただただ必死でした。取り組んでいくうちに、徐々に人とつながれることが楽しくなっていきましたね。
黒木さん:弊社の場合、Uターン・Iターンの方の採用も多く行っています。「一度退職したけれど、また戻ってやってみたい」という方と再び出会うきっかけもぜひ作っていきたいです。
小坂さん:いわゆる「アルムナイ採用」ですね。
まずは目の前の人と仲良くなってみる
小坂さん:最後になりますが、「目の前にいる人は、あなたの会社とではなく、あなたと仲良くなりたい」ということを忘れないでください。自社の魅力、「自分がここを好きだ」と思うポイントを、いつでも人に伝えられるようにしておきましょう。
皆さんの会社の魅力・好きだと思えるところも、ぜひ私たちにも教えてください。
ありがとうございました!
質疑応答
経営層の投資判断を得るプロセスは?
Q.コミュニティや広報活動に対し、経営陣から投資判断を得るハードルが非常に高い印象があります。三菱電機さんでは、経営陣や上層部の方とどういうコミュニケーションをとって、Serendieに対してこれだけの投資をする判断がなされたのか、そのプロセスを可能な範囲で教えていただけますか。
黒木さん:社外のコミュニティ活動を、当初はこっそり個人でやっていました。業務として正式には認められないので、「趣味でやってください」という扱いで、就業時間外の活動としてスタートしていたんですね。そうして続けているうちに、「自分もやりたい」という社内メンバーが少しずつ集まってくるようになりました。
人数が増えてくると、成果も出てきますし、社外の方からの認知も高まってきます。有名になってくると、「それなら、もっと社内で正式にやっていこう」という話になり、徐々に認められてくる。この循環を何度も繰り返すことで、徐々に活動が認められ、規模も大きくなっていきました。
Serendieは一つの事業部門や製作所だけでは負担が出来ない投資です。我々としては採用プロセスの一環として取り組む、というより「これに取り組まない限り、自社の将来はない」という危機感が強くありました。それは経営層とも共通の認識であり、そのため投資がされています。その上で、会社の投資をどう使うかについては、本事業の責任者に権限委譲されています。たとえばコミュニティのスポンサーシップのような、細かい粒度での資金の使い方は、現場レベルで相談しながら決定しています。
成果指標の考え方と評価のスタンス
Q.成果指標の設計がすごく難しいと思っていて、イベントで集客できたとしても、「事業にどうインパクトを与えたのか」がなかなか直接的に見えません。そこについては、具体的にどういったものを成果として見ているのでしょうか。
黒木さん:詳細はお答えできませんが、Serendieで取り組んでいるような事業については、短期的な成果指標だけで評価されるものではありません。
短期的な数値だけを追いかけていくと、本来やるべきことが見えなくなってしまう恐れがあるからです。とはいえ、全く見ないわけではなくて、企業文化・ビジネスモデルの変革を目指して成果を出し、その結果をもって改めて評価し、対話していく。そういうスタンスで運営しています。
まとめ:継続的な関係性づくりがエンジニア採用に繋がる
今回のイベントを通じて浮かび上がったのは、「一度きりの採用広報ではなく、継続的な関係性づくりがエンジニア採用の前提になりつつある」という事実でした。タレントプール、コミュニティ、リアルな場づくり、そして日々の技術発信。どれも数年後の「ここで働きたい」を生み出す土台となる取り組みです。
LAPRASでは、今後もこうした実践知や現場の声を軸に、エンジニアと企業がよりよい形で出会える場づくり・情報発信を続けていきます!
AIが「作る役割」を担う今、エンジニアの役割は「技術で事業成長を導く」ことへと変わりつつあります。
採用市場では、従来の開発力に加え、「事業貢献」に直結するスキルの重要性が高まっています!
- 課題解決能力:顧客やビジネスへの深い理解で、技術を価値創出につなげる
- 技術応用力:新しい技術(特に生成AI)でチームの生産性を高める
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