LAPRASは、2018年9月4日にLAPRAS HR Meetupの特別編として「HR NOTE × HRog 編集長が語る“採用できる企業のルール”」を開催しました。イベントでは、HR NOTE 編集長の根本 慎吾さん、HRog 編集長の菊池 健生さんにご登壇いただき、これまでに取り上げた企業の採用活動を基にした採用成功企業の裏話をお話いただきました。
本記事では登壇内容を編集してお伝えします。
《プロフィール》
株式会社ネオキャリア HR NOTE 編集長 根本 慎吾さん(写真右)
大学卒業後、2009年に新卒で株式会社ネオキャリアに入社し、多くの企業の採用支援業務に従事。その後Web広告会社に転職し、Webプロモーション業務を経験。2016年1月、株式会社ネオキャリアに再ジョインし、現在は自身で立ち上げたHRメディアの『HR NOTE』編集長を務める。
・HR NOTE
「人事の成長から企業の成長を」をコンセプトに採用、労務、組織開発など、人事業務に役立つ情報を配信するメディア
株式会社ゴーリスト HRog編集長 菊池 健生さん(写真左)
2009年大阪府立大学工学部卒業。株式会社キャリアデザインセンターにて求人広告の法人営業、営業企画、プロダクトマネジャー、編集長、マーケティングなど様々な業務を経験。2017年10月退職を機に、10億件を超える求人情報のビッグデータソリューション事業を展開する株式会社ゴーリストへジョイン。現在はHR業界・採用に関するニュースメディア『HRog(フロッグ)』の編集長を務める。
・HRog(フロッグ)
人材市場に関する最新のニュースやコラムなど、HRに特化したデータベース&ニュースメディア
LAPRAS株式会社 事業開発マネージャー 伊藤 哲弥
大学卒業後、編集プロダクションでの勤務を経た後、プレスリリース配信サービス「@Press(アットプレス)」において、マネジメント業務やマーケティング施策の実施、セミナー登壇や営業まで幅広く行う。2017年8月にLAPRAS株式会社へジョイン。現在は、事業開発マネージャーとしてPRを中心にCSやマーケティング、セールス等に従事。
目次
採用成功企業は、「社内協力体制の整備」と「組織ブランディング」が強み
(伊藤)
本日はいろいろとお聞きしたいことがあると思うんですが、ざっくりと4つのお話を聞きたいなと思っています。
初めは「採用できる企業のルール」について、お二人が取材をしていく中で、採用できる企業にはこういう共通項があるとか、逆に採用できない企業って、こういうところがイケていないとか、そういうところをざっくばらんにお話伺えればと思うんですけれどもいかがでしょうか?
(根本さん)
大前提の大枠からお話しさせていただくと、「全社で採用しようとする体制」ができているかどうかが大事です。採用ができている企業はそもそも経営者と人事の距離が近いですね。経営者の採用に対するやる気や、現場の協力体制ができている点が非常に重要だと思っています。また、営業などの現場だけではなく、広報や労務など人事内での距離感が近いことも成功の秘訣だと思っています。
本日の会場でもあるGoodpatchさんは、まさに広報と人事の距離が近くて、わかりやすい採用成功企業の例だと思います。
(伊藤)
Goodpatch社の例が出てきたんですけど、ほかにもイケてる企業の例を挙げていただくことはできますか?
(根本さん)
そうですね……同じく体制のお話でいうと、名古屋にあるゲーム会社のエイチームさんは「全員採用」を掲げています。これは採用活動を現場の営業が中心になって進めているんです。人事は何しているかというと、裏の司令塔として黒子みたいな役割をしているそうです。現場主体のためリアルな求人票がつくれることや、フォロー観点より面接アトラクトができることが強みとなります。
それから、サイバーエージェントさんですね、やっぱり。サイバーエージェントさんにはYJC(良い人を自分たちでちゃんと採用する)というプロジェクトがあるんですよ。これは人事と現場で採用プロジェクトチームをつくり、一緒にゼロから採用設計を行うものになります。現場だからこそ理解し合える狭いコミュニティー内で惹きつけて採用に結びつけているそうです。
(伊藤)
ありがとうございます。以前にLAPRASとサイバーエージェントさんとLINEさんで座談会をさせていただいたときにその話を伺って感動した覚えがあります。
では菊池さんはいかがでしょうか?
(菊池さん)
自社がどう見られているかというところを一番大事にすることですかね。要するにブランディングです。1つ、具体的な例をあげるとサービスの導入企業事例での社名掲載等、色々なところで露出することはすごく大事だと思います。
例えば、月末に経費精算等、手で打ち込んでいてこの時間無駄だなと思っている人って結構いっぱいいらっしゃると思うんです。実際、会社に言っても変わらなかったり、アクションを起こさずとも何かうちの会社イケてないな、という声が多いのではないかと思います。そんな中、freeeさんとか、そういうシステムをちゃんと入れているということを伝えることで、働きやすい会社という認知や好感度を持っていただけることにつながるんですよね。
やはり面接する時に、良い会社で働きたいという想いを皆さんお持ちかと思うのでブランディングもバカにできないなと。採用に直接関係ないように見えますけど、結構大事なのかなと思っています。
(伊藤)
この話、まさにLAPRASでもやろうと思っていることです。Siderというコードチェックをするサービスがあるのですが、それを取り入れている企業は結構先進的な企業だったり、エンジニアに力を入れている企業だったりするので、LAPRASも是非取り上げてほしいと思っているところです。
他にもMAツールのHubSpotというサービスもあるんですけど、うちはそれを使ってマーケティングを体系的にやっているためそこでも同じことを考えています。ちなみにゴーリストさん自身で、何かそういう導入事例への掲載はありますか?
(菊池さん)
実は来月wevoxさん(株式会社アトラエ)からの取材を受ける予定です。今まではいわゆるステルス戦略だということで、全然その辺りに注力しませんでした。ただ、最近いろいろ事業論も方法論も変わってきたので、積極的にそういうことをやっていこうという話になってます。
(伊藤)
そうなんですね。御社自身もやっぱり人事や会社の組織に力を入れていらっしゃるんですよね。
(菊池さん)
はい。会社は8年目で、社員が32人。特徴としては、新卒が10人、外国籍のエンジニアも3名……という、バラエティーに富んだメンバー構成になっています。
実は人事部を立ち上げたのが、恥ずかしながら今年からということで、いわゆる会社へのエンゲージメントなどを測っていきましょうという話になりました。一方、数値化されないと、なかなか改善に動かないという課題があったので、数値化できるwevoxのサービス導入を決めました。
採用はスピード勝負、ビジネスマナーを守った「攻め」の採用を目指せ
(伊藤)
ありがとうございます。逆に、採用できない企業とか、やってはいけない採用活動があれば、ちょっとお伝えいただきたいなと。
それではまず根本さんお願いします。
(根本さん)
よく言われることですが、やはり「待ち」の採用だけの企業は難しいと思いますね。「待ち」の採用とは、ただ求人を出して候補者が来るのを待つ、ただ人材紹介のエージェントに依頼して候補者が来るのを待つ、という状態です。それだけしかやっていない採用活動では厳しいと思います。よほど企業のブランディングができている会社でないと母集団形成が厳しいのではないかと思っています。
1つ例を出すと、エージェントの関係性作りにも関係しています。そもそもエージェントが、その企業に候補者を送ろうと思わないと駄目なんです。ちゃんと自社の魅力を探してそれを打ち出してエージェントに伝える、仮に候補者のNGがあった場合でも、エージェントにとって次につなげやすいような候補者のフィードバックをちゃんと返すとか。エージェントとの関係性づくりというか、そのあたりを徹底してやっていく「攻め」の採用がないと駄目だと思います。
(伊藤)
ちなみに、「攻め」の採用をやっている会社で使っている良いツールとか、こういうすごい攻めを見た、みたいな事例があったら教えていただけますか。
(根本さん)
サイバーエージェントさんやソフトバンクさんのお話となりますが、数十種類ぐらいの大量のインターンをやって、間口を広げて採用に結び付けていることが良い「攻め」の採用事例なのではないかと。職種別でのエンジニア向けだったり、地方採用強化の地方向けだったり、大学別でもやっていたり、色々な切り口で施策を打っているイメージですね。本当に何でもやっているみたいな感じです。
(伊藤)
サイバーエージェントさんのPRみたいになってきましたね(笑)。
菊池さん、ぶっちゃけてお話しいただきたいのですがイケてない採用活動事例はありますか?
(菊池さん)
イケてないというよりは注意したほうが良いポイントになりますかね。今日はベンチャー企業の人事担当者さんが中心なので、ベンチャー企業の例で回答します。
ベンチャーは割と熱意でクロージングをかけるケースが多いと思います、特に面接の時など。ただ、転職者は各社をきちんとフラットに見ていたり、そこまで熱が上がっていないケースもあるので、全員にそのクロージングをするとひいてしまう候補者もいます。熱意を超えてしまう場合、それこそSNSに後で書かれるときついので、時と場合によりますが、注意が必要なのではないかと思います。
(伊藤)
なるほど。個人に合わせた「攻め」の採用が必要になりますね。
そういえば、話が少し変わりますがレスが遅い採用担当者はそもそもイケていないという話もありますよね。
(根本さん)
はい。イケてるビジネスマンほどレスの速さを気にしていると思うんですよ。なので、レスが遅いだけで優秀な候補者の志望度は下がる。スピード勝負の採用ではレスが早い企業にかっさらわれるみたいなことは結構あると思います。
(伊藤)
採用活動は本当にそんな感じですよね。候補者への連絡が遅かったりすると、他社に出し抜かれちゃったりすることも結構ありそうですよね。
(根本さん)
ありますね。細かいところで候補者の志望度ががらっと変わりますね。レスの早さからの採用成功事例を紹介しますね。
ネオキャリア社には「メスライオン」こと宇田川奈津紀というスーパー中途採用担当者がいます。なぜ「メスライオン」かというと、リファラルとかダイレクトリクルーティングでねらった候補者は逃がさないというスタンスが由来です。例えばその候補者をゲットしたいとなったら、その候補者の会社の近くまで行って、「たまたま近くにいるので、ちょっと一回話しませんか?」みたいなコミュニケーションをとります。あとは、本当に欲しい候補者がいた場合、その候補者が来る面接時間の5分前とかに、エントランスで待っているらしいですよ。来た瞬間に「お待ちしておりました」みたいな感じで声をかけて。(笑)
(伊藤)
すごいですね!まさに狩り!
(根本さん)
面接時も役員を待機させておくらしいんですよ。会って本当に「いいな」と思う候補者がいたら、もう速攻役員へ連絡。「来てください」と言って、たまたま来たみたいな感じを装って、そのまま役員に入ってもらって引き継するんです。
諸々細かい戦略をやっていたりしていますね。
(伊藤)
ビジネス力というか、ハンティング力がすごいですね。
(根本さん)
「内定辞退しようと思います」と言ったら、内定辞退させない。一回、御社の近くに行きますというぐらいの勢いなんです。
(伊藤)
「あなたが欲しいです」というような思いをちゃんと出してくれると、候補者としても嬉しく思いますよね。もちろん、先程の菊池さんがお話されていたように色々なタイプの候補者がいると思いますが。
(菊池さん)
そうですね。レス1つとってもそうですけど、そもそもマナーがなっていない企業はイケてないですね。例えば面接時に候補者を待たせてしまう企業とか。面接官が出てくるまで10分、15分普通に待たせるとか、こういうことって結構人事の知らないところで起きています。大企業になると、人事のアシスタントと現場との連携がうまくいかず、現場の対応が遅れたりして、結果「みん就」に書かれるとかありますよね。
(伊藤)
そうですね、そもそもビジネス力みたいなところですよね。決められたことをちゃんとやっていくとか。採用は決められてやっていくべき改善をコツコツ積み重ねることが鉄則といろんな方からお話を聞きます。多分そういうところをビジネスマンとしてちゃんとできる人というのが、良い採用担当なのではないかと僕も思っています。
採用広報は社内連携を行い、いかに自社のコンテンツをつくって出し続けるかが鍵
(伊藤)色々な企業への取材をしてきたメディアとしての視点から感じた採用活動の課題について、まずは根本さんにお話を伺っていいですか?
(根本さん)
課題というところだけでいくと、よく聞くのは、エンジニアサイドからは、エンジニアを採れない点、そして、意外と人事の採用ができない点ですね。自分と一緒になって戦うべき人材がなかなか採れないという声はよく聞きますね。あと採用人事サイドからは採用広報活動の「How」。ここに非常に困っている人事が多いなという印象はあります。
(伊藤)
採用広報、どうやったらいいのかというのは、多分みんな気になっていますよね。うまくいっている企業はありますか?
(根本さん)
結構あります。それこそ本当に、Goodpatchさんに聞くのが一番手っ取り早いと思います。(笑)
ここでもやはり社内体制づくりだと思っていて、いかに自社のコンテンツをつくって出し続けられるかだと思うんですよ。ITベンチャーがよくやっているのは、いかにWantedlyなどでコンテンツをつくって出し続けられるか、そこが勝負だと思います。それも採用関連とかじゃなくて、こういう面白い人材いますよ、こういうイベントやりますからとか、社風を伝えてもいいですし、会社ができた成り立ちとか技術系で攻めてもいいと思いますし、何かそういうところで、まずWantedlyでちゃんとコンテンツをつくるというところですね。
あとは、Wantedlyで書いた内容をスカウトメールにリンク張って出したりとか、結構しているらしいんですよ。そうするとスカウトメールだけで伝わらないような内容が広がっていったりとかするらしくて、あとはわれわれのようなメディアにいい採用事例をつくって、取材依頼をするとか。人事って意外とそういう活動をしていなくて、そこは広報がやっている企業が結構多いですね。広報といかにつながっていくかとか、そういう社内体制づくりから始めていくと良いと思います。
(伊藤)
ありがとうございます。そうですね。この間まさに僕が取材依頼した件は採用広報活動でしたね。
LAPRASで4月入社の新卒を対象に翌月求人出す「ミスマッチ解消採用」という企画ですね。4月に入社したけど、そこでミスマッチ感じている人は、5月に648万円以上のオファー金額で来てくださいというような企画です。何か最近、一律の新卒初任給がなくなっている企業が多かったので、LINEさんと、サイバーエージェントさんとLAPRASという会社規模が全然違う3社で、「根本さん、ちょっとこれ面白いので3社でインタビューやりませんか」という話をして、取り上げていただきましたね。結果、何かLAPRASって面白い採用やっているねとか、会社としてこういうやり方正しいよねみたいな声をいただいているので、採用のブランディングにもつながったんだと思います。
中長期的な課題として海外採用に注力しよう
(伊藤)
菊池さんが思う採用活動の課題はありますか?
(菊池さん)
そうですね。今後、日本で働く人の数ってどんどん減っていく中で、どう優秀な人材を確保していくのかですね。5年、10年先どうなっているかというところから逆算して、会社つくっていくことが必要かなと思っていました。今注力しているのが、海外採用。最近はヨルダン人、インド人、ベトナム人を採用しました。びっくりするほど優秀です。
会社を伸ばすために、日本人だけにとらわれず、優秀な海外の方に力を借りる。これがどこまでできるのかが、今後の採用のキーとなってきます。
(伊藤)
ありがとうございます。LAPRASでも実は前にアメリカ人の機械学習エンジニアをインターンとして受け入れました。その時は完全に向こうから応募が来て、しかも日本語も流暢だったというのがあったので苦労しませんでしたが、実際に採用する場合はどのような経路で採用をすれば良いのでしょうか?
(菊池さん)
採用自体は人材紹介で採りました。たまたま紹介してもらったので、まず採ってみるかという感じでやってみました。ほとんどが日本に在住していたので、日本語ペラペラで言語に関しては問題なかったです。唯一、インドから初めて日本に来た方がいて、日本語レベルは怪しかったですが、普通にコミュニケーションを取れています。エンジニアはコード書けると、大体そこで技術者同士の会話ができるので、あまり苦にならないというところはあります。
採用とエンゲージメントは表裏一体であることを忘れずに
(伊藤)
ありがとうございます。
色々なお話を伺い、確かに採用注力することが大事だと思いました。ただ、採用ばかりではなく、離職を防ぐこともケアするべきなのかと思っています。よく穴が開いたバケツに水を注ぐ例に例えられることがありますが、この辺りお二人は課題を感じられていますか?
(菊池さん)
ありますよ、やっぱり。求人票と実業務が伴わない場合、そういった状況に陥ることがありますね。選考でのお話と現実のギャップがあるところは、やっぱりバケツに穴が開いている感じになると思います。
(根本さん)
これリファラル採用にもつながるんのですが、採用とエンゲージメントって、表裏一体だと思います。良い人を採りたいのであれば、社内の制度も良くするべきです。これは何かというと、やっぱり社内のことって結構、ネットとかで簡単に調べられていたじゃないですか。そうすると、本当にこの企業はいい企業なのか、どんな制度があるのかなんて、かなり分かってしまうのです。そこで、この会社はこういう制度があるから、結構良さそうだ、と思ってもらわないと入社してくれないみたいなところがあるので、ちゃんと社内制度を整えるというところが重要だなと思っています。
退職率が高い企業は、退職しないためにはどうしたらいいかというのを、結構人事が悩んでいると思います。よく聞くのは、全社で共通した人事制度も当て込めるのではなく、個別最適化したマネジメントをしていく必要があることです。その人個人と1on1を行いWILL・CAN・MUSTを植え付けた上で、1人1人に寄り添ったライププラン、キャリアプランを描くというのが、働き方の多様性が叫ばれる中で重要なのではないかと思います。
(伊藤)やっぱりそうですよね。僕もLAPRASとして、色々な企業のお話を聞くのですが、やっぱり採用できる企業はちゃんと中身が整っていますよね。
よくメルカリさんが言っているのですが、社内の広報とか従業員満足度を上げていくと、その情報が例えばツイッターとかいろんなところで口コミとして出ていく。それが結局採用広報になっていくことはありますよね。従業員満足度を上げていくということが、最終的に採用へつながっていくんだと感じます。
(菊池さん)
メルカリさんの例で思い出しましたが、働いたことはないけどいい会社だなという好感度ってあるじゃないですか。これが大事なんでしょうね。いかにこれをつくっていくかが、採用広報の肝、いわゆるゴールになってくるのかなと思います。
(伊藤)
ありがとうございます。メルカリさんの組織や、働く人が優秀だなというのは、やっぱりメルカリの外にいる人はみんな思っていると思いますし、何かそういう発信というのをするのがすごくうまいんだと感じています。こういった組織の強さをうまく打ち出していますよね。以前にメディアでメルカリのメンバーがインフォグラフィックになっているのを見て「すごく優秀な人ばかりだ」と感じたことがあります。
(菊池さん)
OKRとかも有名になりましたよね。
(伊藤)
そうですね。やっぱり、GoogleやFacebookといった優れた体制を持った企業のやり方とか組織体制をちゃんと踏襲しているんですね。
採用ツールとして「LAPRAS SCOUT」「Refcome」、エンゲージメントの可視化や推進ツールとして「wevox」「Unipos」に注目
(伊藤)
最後に、今注目しているHRのサービスとかツールがあったら、ちょっとお聞きしたいと思います。
(根本さん)
僕は、採用観点ではAIヘッドハンティングサービスであるLAPRAS SCOUT。
組織基盤観点では、ピアボーナスというのを従業員同士で送り合うサービスのUnipos(ユニポス/株式会社Unipos)ですね。そもそもピアボーナスが何かというと、従業員個々人がボーナスを他人に与えるような権限が持てるというものです。Uniposの打ち出しとしては、実は裏側でなくてはならない仕事をしている「サイレントヒーロー」にスポットを当てるようなサービスになっています。特に僕らマーケだったりエンジニアとかって、実はすごいいいことをしていても、なかなか成果がアウトプットとして見えにくいというのがあるので、何かそういったところに光を当てたいなと。そういった人に、ちゃんと仲間内で、感謝とポイント付与ができるサービスになっているのでお勧めです。
(菊池さん)
採用観点では、僕もLAPRAS SCOUTがオススメですね。転職サイトとかに登録していない転職潜在層に向けてアプローチできることは画期的ですね。これだけ候補者がいないと言われているエンジニア採用にすごい強いなサービスだと思います。とはいえスカウト送付の仕方等、使い方を間違えると、候補者にひかれてしまう可能性もあるので、そういうアプローチの仕方も含めて、今後期待しています。
また、僕はリファラル採用というところに注目していまして、従業員のエンゲージメント、いい組織づくりなどを推進するリファラル採用系のサービスは注目度が高いのではないかと思います。バイネームでいうと、Refcome(株式会社リフカム)、あとMyRefer(株式会社MyRefer)ですね。最近独立されてやっているということで注目しています。
あとは、労務観点では、外国籍の方を採用した際のVISA関連で行政書士法人jinjer(株式会社ネオキャリア)ですね。
(伊藤)
ありがとうございます。個人的に先ほど菊池さんよりお話いただいたwevoxが気になっていまして、今すごく流行っている感じがします。弊社ではまだ社員が20名しかいないので導入していないのですが、wevoxはどんな感じですか?
(菊池さん)
wevoxは独自のサーベイを用いて組織の状態を可視化し、エンゲージメントにおけるマイナス要因を特定及び改善策を実施していく事で、組織改善のサイクルを生み出すサービスです。弊社では2週間に一回、全社員対象に回答してもらっています。これを基に組織風土、文化、給与、健康等の組織を構成する要素について偏差値を出します。結果に関しては、毎月1回今後の施策とともに全社員にフィードバックする、そんな流れで活用しています。これによって、エンゲージメントにおける課題特定から打ち手の実行を行い、組織コンディションが一部改善されています。
(伊藤)
wevoxは短いスパンでやっていくことに意義があるというところもあるんですかね。
(菊池さん)
そうですね。短期スパンで確認することで、施策の振り返りをスピーディにできるので意義があるかと思います。また、サーベイ回答を無記名でできることも、本音を聞くキーになっているのではないかと思います。
採用担当は多くの社員を巻き込んでアトラクトに尽力すべし
(伊藤)
ありがとうございます。
それでは、会場からの質疑応答に移りたいと思います。
Q:メスライオンさんってどういう経緯で入ったの?気になる
(根本さん)
もともとインターネット経由で親交がありました。どこかで現職を退職されるという情報を聞きつけまして、その瞬間に、代表と副社長、採用人事の責任者、この3人でが宇田川さんと面談をしたんです。そこから、1週間に代表と副社長が3回会いましたし、彼女がやりたいことを聞いた上で、新しいポジションもつくりましたね。そこまでしてあなたが欲しいんですというのを伝えました。
(伊藤)
素晴らしい。やっぱりアトラクトって大事ですよね。
カジュアル面談ってあるじゃないですか。あそこでいかに採用担当者が引き付けて、うちに来た方がいいよということを言えるかが大事ですよね。
良くあるのが、トレーニングも目的も伝えないでとりあえずカジュアル面談を現場にお願いしちゃうこと。当然現場からのフィードバックも「何か、あまり今は転職したいって言っていませんでした」みたいな感じになっちゃうんですよね。結局、自社の魅力を整理することも大事ですが、いかに魅力を伝えてアトラクトをするかも大事なんですよね。
Q:アトラクトの仕方が気になる。何かすごいアトラクトとかしていますか?
(根本さん)
アトラクトでいうと、候補者にヒアリングする会社がありました。選考のタイミングで、「面接にお越しいただく前に、どういう情報をご覧になりましたか?」とヒアリングするらしいんですよ。どういう情報が志望度にどう影響するかを聞くわけです。そうすると、この記事とか、このWantedlyの内容とかで、実は求職者にも刺さるというのが分かってくるらしいんですよ。これを整理して、選考前にどんな記事をどんなタイプの候補者へ用意すれば志望度が上がるのか、がわかってくるらしいです。
(伊藤)
すごく科学してますね。菊池さんは何かありますか?
(菊池さん)
いかに経営者を採用の現場に引きずり出すかということです。経営者だけじゃない瞬間もあるんですけど、話を伝えるときに、自分の口から言うよりも、誰の口から伝えた方がいいのかというのを常に考えることが大事なんじゃないかなと思います。飛躍のストーリーを、そのフェーズの社員に語ってもらうことでリアルに伝えることができます。採用担当者が全部自分でやるのではなく、「誰が何を伝えていくか」というのをちゃんと整理して、その人たちをしっかり巻き込むこと、それが人事の役割だなと思います。
(伊藤)
ありがとうございます。そうですね。確かにエンジニアのことがわからないのに、自分だけでやっても、絶対エンジニア採用できませんよね。
経営者を巻き込むお話ですが、そもそも採用が難しいという認識が経営者と揃っていないという問題もありますよね。現在エンジニアの求人倍率は8倍以上になっているのですが、そういう市場の状況認識が揃っていないため、採用目標とスケジュールがおかしいことになってしまうケースを聞いたことがあります。地道にこの辺りを経営者へ伝えて理解してもらう、そして必要な協力を取り付けるということも採用成功のキーになってくるんでしょうね。
(菊池さん)
そうですよね。「求人倍率が高いからこそ、候補者もちゃんと選ぶ時代です。経営はイケている企業だと思っていても、実際には世間一般の評価は全然低いですよ」といったことを本音ベースで伝えられるような経営と人事の関係性をもてると良いのではないでしょうか。
(伊藤)
そうですね。期待値調整を含む社内での情報共有やそのための関係性は重要ですね。
お二人とも、ありがとうございました!
まとめ
いかがでしたか。
今回のトークセッションより、採用成功企業には以下の特徴がありそうだということがわかりました。
・全社で採用する体制ができている
・経営層・現場・広報・労務等、社員を巻き込んで施策を進めている
・ビジネスマナーを守り、「攻め」の採用をしている
・スピード感を意識した候補者対応をしている
・エージェントを巻き込んだ採用協力体制作りをしている
・組織ブランディングをしている
– 社内:エンゲージメントを高める仕組みを作っている
– 社外:自社のコンテンツ記事を出し続けている
採用活動は、一人ではできないものです。組織を体系化をすること、最新のHRツールや手法を取り入れることなど、今回のレポートを参考にしていただきぜひチャレンジしてみてください。
LAPRASでは今後もエンジニア向けイベント、採用担当者向けのイベントを開催してまいります。
イベント告知はLAPRASのconnpassページで行いますので、ご興味があればぜひご参加ください。
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ITエンジニア採用に特化して、他施策と比べたメリット/デメリットや具体的なノウハウ、ダイレクトリクルーティングが注目される背景をデータを交えて解説しています。
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