LAPRAS代表の島田です。LAPRAS SCOUT HR TECH LAB 「スカウトメールを科学する」カテゴリでは、LAPRAS SCOUTが運用されることで溜まったスカウトメールに関してのデータを分析・解析して得られた知見を、ヘッドハンターやエージェント・企業の人事担当者向けにお届けしていきます。
第1回は、スカウトメール文面内にあるURLクリックと、返信率の関係を定量的に考察していきます。
返信率と文内URLクリック有無の関係性を調査!
LAPRAS SCOUTを利用する企業が一定期間の間に送ったスカウトメール総サンプル数800通のうち、
返信が来た | 返信が来ていない | |
URLクリックされた | 102 | 173 |
URLクリックされてない | 35 | 490 |
これらの結果から条件付き確率を計算すると、
- URLがクリックされた時、返信が来る確率 = 37.0%
- URLがクリックされなかった時、返信が来る確率 = 6.6%
- 返信が来た時、URLがクリックされていた確率 = 74.4%
- 返信が来た時、URLがクリックされていない確率 = 25.6%
のようになります。
つまり、 URLクリックされたメールは、URLクリックされていないメールに比べて約5.6倍もの返信率があるということになります。
この事実の理由として、
- URLをクリックし、クリックした先の情報を見て興味を持って返信したから
- そもそも返信するつもりで、会社に興味もあったのでURLをクリックしたから
という2つの可能性が考えられます(鶏が先か卵が先か、問題)。前者の場合を考えれば、URLをメール文面内に含めることで返信率が上がる可能性があると結論付けることもできます。これを厳密に検証するためには、URLを含むメールと含まないメールをランダムにサンプルした対象に送って比較する必要がありますが、それでも有意な相関関係は存在するでしょう。
クリックされやすいURLとは?
URLがクリックされたほうが返信率が上がるということがわかりました。次に、スカウトメール内のどういったURLがクリックされやすいか検証してみます。次の表は、上記の実験を行ったメールサンプル内のURLをタイプ別に分け、そのうちサンプル数が100回を越えたものを表しています。
URLタイプ | クリック率 |
送信者の個人Facebook | 14.0% |
送信会社に関するニュース記事 | 15.6% |
送信者の個人Twitter | 15.7% |
送信会社のWEBサイト | 15.7% |
送信会社のWantedlyの記事・Wantedlyの募集 | 24.3% |
送信会社に関するインタビュー記事(Wantedly除く) | 31.7% |
URLには基本的にリンク先のタイトルも添えているので、メールを受け取った人は、大まかな内容が分かった状態でURLをクリックすると考えられます。
その上で上記の結果からわかることは、自社のWEBサイトのトップページなどよりも、インタビュー記事の方がクリック率が高い、ということです。Wantedlyの募集や記事も、インタビューを含んでいるせいか、一定のクリック率があるようです。
まとめ
「URLクリックと返信有無に正の相関がある」という事実と、「インタビュー記事/Wantedlyページのクリック率が高い」という事実から導き出せるのは、「スカウトメール内にインタビュー記事/Wantedlyページ のURLを含めることで、スカウトの返信率が高まる」ということです。また、返信があるケースで、メール内の複数のURLをクリック(メール内URLの回遊)するケースも多く見られるので、複数のURLを挿入するのも有効かもしれません。
LAPRAS HR TECH LABでは、今後このようなスカウトメールに関しての統計情報や、機械学習による分析結果なども配信していく予定です。今後、以下のようなトピックに関して、調査・配信予定です!
- スカウトメールの返信と相関性の高い/低い単語とは?
- 入れると返信率が上がる一文とは?
- スカウトメールを送るべき時間帯・曜日は?
- and more..
また、LAPRAS SCOUTでは、今後こういったスカウトメールや候補者の流入経路の分析を各社ごとにできる「スカウトアナリティクス」機能をリリース予定です。今後のリリースにご期待ください!
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