タレントプール採用の手法 #1 〜LAPRASのTGIF〜

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先日公開した記事でも紹介した通り、現在のエンジニア採用では、転職潜在層の採用が重要となっています。

転職潜在層の中には、いい企業があればすぐにでも転職したいと考えている層も多く存在していますが、一方ですぐには転職しない層も存在しています。

転職潜在層には優秀なエンジニアが多いこともあり、そういったすぐには転職しない層の人たちとも定期的に接点を取り、将来的に転職を考えるタイミングで自社の選考を受けてもらおうと考える企業が増えてきています。

このように、企業の採用担当者は、入社までの間に候補者に自社を気に入ってもらえるようにKIT(キープインタッチ)を続けるなどの、タレントプールを活用した中長期スパンでの採用活動を行う必要が出てきました。

今回の記事では、タレントプールを活用した採用活動で必要なKITの手法について、LAPRASでの実例を基にして紹介します。

KITの問題点

① アプローチタイミングがわからない

以前にLAPRASが実施したアンケート調査によると、候補者をタレントプール管理している企業のほぼ半数が「候補者への適切なアプローチタイミングがわからない」と回答しました。

タレントプールで管理している候補者がわずか数ヶ月のうちに転職する場合もあれば、転職まで数年を要する場合もあるため、いつ連絡をするのが有効かわからず、結局連絡が出来ていないという企業は少なくありません。

② アプローチ方法がわからない

アンケート調査では、タレントプール管理をしている企業の38.3%が「適切なアプローチ方法がわからない」と回答しました。

KITの手法として、メールやチャットなどで定期的に連絡するのは一般的です。しかし、何度も連絡をしているうちに、話のネタがなくなってきてしまうものです。かといって自社のニュースをメルマガのように送っても、候補者は一方的な連絡にうんざりしてしまうでしょう。

このように、候補者とKITをしたいと思っていても、アプローチする口実がないことで連絡できないという企業が多く存在しています。

LAPRASのKIT施策

LAPRASでは、プレミアムフライデー(毎月の最終金曜日)の19:30からTGIF(Thank God It’s Fridayの略称で、週末を祝う意味があります)というイベントを開催しています。

TGIFでは、社外の人を招いて社員を交えてお酒や食事、ボードゲームなどを楽しみます。19:30になると社内のメンバーがまず飲食を始めて、招待者が到着するとその輪に参加していきます。立食スタイルで、代わる代わる社内外関係なしに会話を楽しみます。

<TGIFのルール>
・社員の参加は自由
・社員も飲食やゲームで楽しむ
・参加者には社員が積極的に話しかける

TGIFのルールは至ってシンプルです。LAPRASの紹介や、採用面談などは行わず、いわゆる飲み会のような、ゆるい雰囲気のイベントを心がけています。
そうすることで参加者とも肩肘を張らずにフランクなコミニュケーションを取ることができます。

※TGIFの招待で送っている文章(scoutyからLAPRASへの社名変更をする前のもの)。ラフなコミュニケーションを心がけています
※エンジニアは勉強会などで振る舞われるピザに飽き飽きしている(と思っている)のでエンジニアが多く参加することが多いTGIFではお寿司も注文するようにしています

LAPRASでは、いつか入社してほしい候補者を下記のようにタレントプールで管理して、リマインダを設定し、定期的にTGIFに誘っています。

<KIT半年以内稼働>
半年以内に転職について動きがあるかもしれないので、優先的にTGIFに誘うなどKITをこまめにしたい候補者

<KIT長期>
現状では転職の傾向は見られないが、いつか選考を受けてほしいので定期的にKITしたい候補者

このように、多くの企業が抱えている「適切なアプローチ方法がわからない」という課題に対しては、TGIFという参加ハードルの低いイベントに定期的に誘うことで解決しています。

TGIF以外にも、技術的な勉強会などもKITの手法として有効です。

一方で、勉強会のコンテンツを毎回考えていくのは膨大な労力が必要です。TGIFでは、勉強会のように毎回新しい学びを与えることはできないかもしれませんが、労力は飲食の注文だけで済みます。また、参加者も肩肘張らずに遊びに来る感覚で参加できる点も有用です。

最近ではTGIFのように、カジュアルにコミニュケーションをとることがメインのMeetupを開催する企業も増えてきています。

もしも、候補者とのKIT手法に迷っていて、工数をかけることが難しいようでしたらTGIFのようにカジュアルなイベントを実施してみるといいかもしれません。

KITからの選考打診のタイミングは……

ここまでLAPRASが自社で実践しているKITの手法について紹介してきましたが、KITを重ねたうえで選考を受けてもらう打診もしなければいけません。

LAPRAS SCOUTには「転職アラート」という機能があり、自社の採用ではこの機能を活用して候補者の転職可能性を判断しています。

この機能では、下記のような要因によってタレントプール内の候補者の転職可能性が高まるとアラートで通知します。

・経歴情報を基にして、転職の可能性が高い時期に差し掛かったと判断された
・Twitterで転職を示唆する投稿を行った
・SNSのプロフィールを変更した
・キャリア関連のイベントに申し込んだ

LAPRASでは、KITはTGIFへ誘うことで解決していますが、実際に選考に誘う際にはこの転職アラートを活用し、選考を受けてみないか打診しています。

最後に

冒頭でもお伝えしたとおり、エンジニアの採用において、タレントプールを活用した中長期採用は必須となりつつあります。

まだ、取り組んでいない企業は、今回ご紹介したKIT手法などを活用して、ぜひにチャレンジしてみてください。


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