2024年最新データから徹底解説!エンジニア採用市場の動向と変化

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優秀なエンジニアを採用するには、市場動向の変化や企業側に求められている条件など、採用トレンドを常にキャッチアップしておく必要があります。

この記事では、ハイレイヤーエンジニアが数多く登録するLAPRASの最新データをもとに、2024年エンジニア採用市場の動向と変化を解説します。

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2024年:エンジニアの転職動向の変化

以下は、LAPRASユーザーのエンジニアに対しておこなった転職意欲に関するヒアリング結果です。2024年の結果を2023年と比較すると、転職を考える方は増えていますが、実際に転職活動をしている方は減っています。つまり、転職潜在層のエンジニアが増加傾向にあります。

転職を考えている方の中で、実際に転職に至るのは10〜20%程度と言われています。実際に転職する方が少ないのは「自分に合った仕事がわからない」「希望する条件を満たす企業がない」などの理由によるものです。

また、近年では働き方改革などの影響で極端に働きづらい企業が減り、現状の待遇や体制が安定していることも、転職潜在層のエンジニアが増えている要因のひとつです。フルリモートや、働きやすい環境といった条件を満たす企業も珍しくなくなり、転職の決め手となるような差別化が難しくなってきています。

数年前まで、転職によって年収が100〜200万円アップするのが当たり前で、“エンジニア転職バブル期”などと呼ばれていた採用市場も、この数年で落ち着き始めました。時間と手間をかけて転職活動をしても、現在の仕事を手放すほどのメリットは得られないと考える方が増え、転職潜在層が増加しているのです。

副業やフリーランスが減り、本業に集中する人が増加

2023年と比較して、フリーランスで活動するエンジニアが増え、副業をしているエンジニアの割合が減りました。副業エンジニアが減っている理由としては、求められるスキルや稼働量の割合が増えてきていることが考えられます。

副業エンジニアは比較的報酬が高い傾向にあるため、社員以上のスキルとコミットを求めてくる企業も少なくありません。副業の限られた時間で求められる成果を出すのは難しい場合もあり、それであれば本業に集中するか、いっそのことフリーランスを選択するエンジニアが増えていると考えられます。

フルリモートワークを希望する人が増加

2023年と比較して、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドワークを取り入れる企業が増えていますが、理想としてはフルリモートを希望するエンジニアの割合が多い傾向です。

コロナ禍でリモートワークを採用した企業は多く、一度経験すると出社スタイルでの勤務が負担に感じてしまうケースが多いようです。実際にLAPRASでも、週に数回の出社を推奨する企業は、応募率が低下する傾向にあります。

どうしても採用したいエンジニアがフルリモートを希望する場合、出社することで享受できるメリットや、環境の良さなどをきちんとアピールする必要があります。

直近5年間の採用市場の変化

採用市場の動向は刻一刻と変わっていますが、LAPRASのユーザーに多いスタートアップ企業の場合、直近3年程度に限って言えば、経済の動向とリンクしています。

2022年後半あたりまでは先述したエンジニア転職バブル期が続き、海外のベンチャーキャピタルから資金調達をして、高い年収でのオファーが当たり前という風潮がありました。しかし現在では、1000〜1200万円の報酬を出す企業は減ってきています。

しかし、エンジニアを採用する企業の数は増加傾向にあり、採用活動中の企業における、一社あたりの採用人数枠も2023/05を底として完全に回復しています。

直近1年間のデータでは、リーダークラス、マネージャークラスなどハイレイヤーのエンジニア採用に注力してきた企業が多いです。

LAPRAS SCOUTが「ハイレイヤーエンジニアの採用に強い」という特徴があることから、もともと「ミドル、ミドル~ハイ、ハイレイヤーの順に、レイヤーが高くなるほど採用枠も多くなる」傾向がありました。採用ニーズの回復後もこの傾向は変わらず、依然としてハイレイヤーの需要は高いままです。

また、ここ数ヶ月ではジュニアクラス、ミドルクラスの採用にも力を入れていく方針の企業が増えています。技術の進化は目まぐるしく、AIなどを活用して、より効率的で早い開発が可能になっていく流れがあります。こうした背景から、単に多くの経験を積んでいるだけのエンジニアよりも、トレンドに乗り遅れない、成長意欲がある方が求められていく傾向が強くなっています。

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エンジニアの給与水準

LAPRASにおける求人の提示平均年収は下図のとおり、上限が1055万円、下限が611万円です。

下限の分布では600万円台が一番多く、上限では1000万円台、次いで1200万円台が多いというデータが出ています。

全体の分布で見ると800万円台が一番多く、メンバーの教育も可能で、開発も任せられるリーダークラスの需要が、依然として高いことがわかります。

ここで注意するべきなのは、年収800万円のエンジニアに求める条件の設定です。同じ800万円でも企業によって求める条件が違うため、採用後にエンジニア側と認識の齟齬が生じる可能性があります。

メンバークラスでの採用なのか、リーダーとして開発を牽引してほしいのか、マネージャーとして組織づくりまで任せたいのか、他社の事例などを参考にして設定し、条件として求人に明示しておきましょう。

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転職先候補を「リスト化」するエンジニアが増えている?

市場動向に続いて、次はエンジニア側が取り組む「転職活動の最新トレンド」をご紹介します。

LAPRASユーザーへのヒアリングの結果、転職活動を始める前の段階で、転職先候補をリスト化するエンジニアが増えてきていることがわかりました。

エンジニアはミートアップやカンファレンス、勉強会などに参加し、登壇しているエンジニアの話を聞いて興味を持ったり、エンジニア同士の交流から面白い取り組みをしている企業を知ったりと、日々キャッチアップしてリスト化しています。

そのため、企業側としては「まずはどうやったら、転職先候補のリストに入れるのか」を考える必要があります。しかし、エンジニアのコミュニティは、非エンジニアの人事の方からするとブラックボックス的でどう入り込めばいいのか悩ましいかもしれません。

社内のエンジニアにも協力を仰いでカンファレンスなどに積極的に参加したり、興味を持ってもらえそうなイベントを開催したりと、接触の機会を持ちましょう。そして、採用したいエンジニアが転職活動を始める前から「あなたに興味がある」と伝えたうえで自社の魅力をアピールし、中長期的に関係を構築しておくことが大切です。

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ハイレイヤーエンジニア採用で重要な3つのこと

依然としてミドル~ハイ、ハイレイヤーのエンジニアの採用ニーズは根強く、少ないパイを多くの企業が取り合う構図が続いています。そんな中で転職先として選ばれるためにはどんな工夫をしたらいいのでしょうか。

LAPRASではこれまで、700社以上のエンジニア採用支援に取り組んできました。その知見から、ハイレイヤーのエンジニア採用において重要なポイントを3つ解説します。

①候補者のサインを見逃さずにアプローチ

エンジニアの転職意欲が上がったサインを見逃さずに、スピード感を持ってアプローチしていくことが大切ですが、毎日データベースを確認するのも、スカウトメールを作成するのも、労力がかかるため疎かになりがちです。

しかし、サインを見逃している隙に、優秀なエンジニアには他社からのスカウトがどんどん入るので、採用のスタートラインにすら立てなくなってしまいます。

最近はスカウト業務を効率化するために、個別のメッセージを省略する形で送る方法もありますが、エンジニアはスカウトの内容を見て、きちんと自分に対して書かれているかどうかを最低限の判断基準にしています。一人ひとりに合わせて、その方に刺さる的確な文面を用意しましょう。

ただし、長文である必要はありません。候補者の情報をしっかり把握し、どこに魅力を感じて入社してほしいと考えたのかを盛り込むことが重要です。自社の実績やプロダクトに関する説明ばかりにならないよう、お気をつけください。

プロフィールや職務経歴からだけでは候補者の情報を把握するのは簡単ではありません。LAPRAS SCOUT では GitHub, Zenn, Connpass など様々な サービスの利用状況から候補者の技術的な興味や指向性を確認できるので、より最適なアプローチが可能です ⇒ サービス紹介資料のダウンロードはこちら

②ターゲットであるエンジニアを惹きつける要素を打ち出す

リモートワークなど、今や一般的な待遇となった働き方は、それだけでは十分にエンジニアを惹きつける要素として機能しません。プロダクトの方向性、企業のミッション、誰と一緒に働くかといった「Why」「with Who」をきちんとアピールする必要があります。

スカウトの手前、採用広報の段階で、いかに会社への興味を持ってもらえるかが非常に重要です。カンファレンスやイベントなどで採用したい属性のエンジニアにヒアリングするなど、刺さるスカウトを送るために何をどうアピールするべきかを把握しましょう。

③採用活動は”労働量と成果が比例しない”ということを理解する

時間と労力を投入したからといって、期待した成果が出るとは限らないことを、現場と上層部にも理解してもらったうえで採用活動をおこないましょう。

100件スカウトすれば1件は確実に採用できるというものではなく、採用広報も成果が出るまでに時間もコストもかかります。採用担当者だけではなく、上層部も含めた社員全員で中長期的に醸成していくものだと、しっかりと理解して実践できる企業が、最終的に採用を実現しています。

エンジニアが転職先リストを持っているように、優秀な採用担当者は「この方と一緒に働きたい」という候補者リストを持ち、中長期的に関係を築いていける方が多い印象です。

まとめ

2024年のエンジニア採用市場は、バブルとされていた数年前よりは落ち着きはあるものの、採用需要は完全に回復してきています。ミドル~ハイ、ハイレイヤーを中心に依然として多くの企業が優れたエンジニアを求めていることがわかりました。

対するエンジニア側も「転職先候補のリスト化」など転職に前向きなアクションを取る人が増えてきているため、うまく早期に接点が作れれば効率よく採用活動を進められます。

特に獲得競争が激しいハイレイヤーのエンジニア獲得を目指す際は、今回ご紹介したポイントも参考にしながら中長期的に取り組む必要があります。なかなか成果が出ず、焦ってしまうこともあるかもしれませんが「自社の良さに気づいてくれるは必ずいる!」という想いで、じっくり腰を据えて取り組んでいきましょう!

(ライター:成澤綾子)

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一度アプローチした候補者の転職意欲が変化したタイミングで通知が来るので、お声がけするタイミングも逃しません。
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