エンジニア採用において、候補者がエントリーの際に提出する「職務経歴書」は、採用プロセス上、ほとんどの企業が提出を必須としています。
企業の採用担当者は、職務経歴書をもとに自社求人の募集要項に沿っているのか、求めているスキルや経歴を有しているのか、自社の雰囲気にマッチするかなど、ある程度スクリーニングをしなければなりません。
書類選考時点で候補者のことを知るには、職務経歴書しかないのです。
ただ、その職務経歴書だけでは、知りたいことを全て知ることはできません。
候補者の具体的なスキルや人となりを知るには、Web上のアウトプットを深堀りしていくことがとても重要になります。
そうすることで、書類選考・職務経歴書を提出してもらう前の段階である程度のスクリーニングを行うことができる上、転職潜在層へアプローチするためのタレントプール作りの精度を上げることもできます。
この記事では、職務経歴書ではわからないエンジニアの力量を見極めるポイントを紹介します。
目次
職務経歴書ではわからないこと
経歴が期間ベースでしかわからない
職務経歴書には、候補者のこれまでの就職先や業務内容の変遷が書かれています。
業務で携わっていたプロジェクトが期間ごとに区切られて列挙されている表を見慣れている方は多いでしょう。
職務経歴書上では、どれくらいの期間で、どんなプロジェクトを、どれほどの人数でやってきたのかはわかります。が、それ以上の情報を知ることはできません。
もしかしたら表には書かれていないだけで、並行して大小様々なプロジェクトを掛け持ちしていたかもしれません。
職務経歴書を作成する候補者的には「期間がかぶってるし、大きくないプロジェクトだし、職務経歴書には書かなくてもいいか…」という心理で、大きなプロジェクトの経歴しか書かれていないこともしばしばあります。
なので結局、1年以上の大きなプロジェクトに関わっていた、数ヶ月の小さなプロジェクトをいくつも関わっていたなどのように、候補者の経歴を期間ベースでしか見ることができません。
具体的にどのような業務を担当していたかがわからない
職務経歴書は「要件定義」「設計」「製造」「テスト」「リリース」「保守」のような大雑把な業務プロセスで記載されることが多いです。
それぞれのプロセスの中で具体的にどのような動き方をしていたのか。
例えば、要件定義・設計工程において意思決定をする立場だったのか、製造工程においてテックリードとしてプログラムの根幹を実装したり他メンバーのプログラムのレビューをしたりしていたのか。
プロジェクトで使用される技術も列挙されているのみで、実際にどの技術・言語が特に強みとしているのか、どの技術をどれくらい深く理解しているのかなどを具体的に知ることができません。
職務経歴書では要点をかいつまんで記載されることが多いため、それぞれ携わっていたプロジェクトにおいて、具体的にどのような業務を担当していたのかがわかりづらいという問題があります。
価値観がわからない
ここで言う価値観とは、プログラムを設計・実装する際の考え方のみならず、企業で業務をする上で重要となる「なぜその会社で働くのか?」という価値観です。
職務経歴書はあくまでも職務内容がメインとなるドキュメントのため、それ以外の部分、特にエンジニアとして大事にしている価値観を知ることができません。
Web上のアウトプットを見ることが重要
職務経歴書だけではわからないことを知る上で、Web上のアウトプットを見ることがとても重要になってきます。
経歴・業務・価値観をより知ることで、以下のようなメリットがあります。
- 自社で求めるスキルセットに合った人材か判断できる
- 業務でどのような責務を担うことができる人材か判断できる
- 面接前からアトラクトの準備ができる
ここからは、上記メリットを得るために実際にどのWeb上のアウトプットを見ることで情報を得ることができるか、3つのポイントを解説します。
エンジニアの力量を見極めるたった3つのポイント
技術感度
1つ目のポイントは「技術感度」です。
候補者がどのような技術に興味があるのか、技術的向学心があるのかなど、技術アンテナをいかに張り巡らせていて、それらを自身でインプットしているのかを見極めます。
技術感度を見ることで、自社のスキルセットと合うかどうかを判断するきっかけになります。
Qiitaのマイページ上にある「投稿した記事」「LGTMした記事」というところで、どのような技術にアンテナを張っているか見ることができます。
LAPRAS SCOUTであれば、候補者ページのタグ一覧でどういった技術への興味関心が強いのかを知ることができます。
connpassのユーザーページにて、参加した技術イベントを見ることでも技術的向学心を知ることができます。
情報整理力
2つ目のポイントは「情報整理力」です。
候補者がブログや登壇資料などでどのようなアウトプットをしているかを見ることで、自身が有している技術や知見を整理する力、それを他者に伝える力を見極めます。
情報整理力を見ることで、働く上で強みとなるスキルや自走力がわかります。
GitHubのプロフィールページからリポジトリを参照し、リポジトリページにREADME.mdを用意しており、内容が整理されていることがひとつの観点になります。
個人のブログにて、記事に紐づくカテゴリ一覧を見ることで志向性がわかるとともに、いくつか記事をピックアップして読むことで、文章をまとめる力もわかります。
SpeakerDeckにアップロードされている登壇記事に目を通すことでも、情報整理力を見極めることができます。
LAPRAS SCOUTであれば、候補者ページのSelectionsにて本人がおすすめのアウトプットを設定している場合があります。
価値観
3つ目は「価値観」です。
働く上で、エンジニアとして大事にしている価値観を知ることはとても大切です。
価値観を知ることで、候補者ひとりひとりに合わせて自社のどういう点を魅力付けして伝えるか探るきっかけになります。
Wantedlyのプロフィールページにある「この先やってみたいこと」という部分で、候補者の価値観が言語化されている場合が多いです。
Twitterアカウントのツイートを見ることで、技術に限らずどういった趣味嗜好を持っているか知ることで、面談や面接時のアイスブレイクのネタを仕入れることもできます。
LAPRAS SCOUTであれば、候補者ページの「やりたいこと、興味のある仕事・分野」というところに記載されているケースが多いです。
まとめ
今回は、「Web上のアウトプットからエンジニアの力量を見極めるたった3つのポイント」というテーマで、「技術感度」「情報整理力」「価値観」という3つのポイントとそれぞれどのような媒体をチェックすると良いのかをご紹介しました。
改めてWeb上のアウトプットを見ることがとても重要であることと、アウトプットを知ることで得られるメリットは以下の3点です。
- 自社で求めるスキルセットに合った人材か判断できる
- 業務でどのような責務を担うことができる人材か判断できる
- 面接前からアトラクトの準備ができる
自社でエンジニア採用を進めていく上で、大事な要素はどれなのか、その大事な要素を知るために見極めるべき力量はどれなのか、というのを意識しながら候補者のアウトプットを見ていくことで、より精度の高い採用につながるかもしれません。
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