この記事は、BambooHR社のブログ記事“How to Measure Onborading Effectiveness with 5 Simple Metrics”を著者の了解を得て日本語に抄訳し掲載したものです。
LAPRAS published the Japanese translation of this original article on BambooHR in English under the permission from the author.
きっと自社のオンボーディングプロセスは効果的だと思っているでしょう。しかし、それをどのように測定するのでしょうか?BCGの調査で、オンボーディングは企業の収益性と利益率に大きな影響を与えることが明らかになったことを考慮すると、オンボーディングが正しく機能しているかを知る必要があります。BambooHRの調査によると、自分が受けたオンボーディングが効果的だと感じた社員は、自分の仕事に満足する可能性が29倍以上高いこともわかりました。
もしも、自社のオンボーディングプロセスが上手く機能していないのであれば、組織と社員の両方に影響があります。効果的なオンボーディングにより、優秀な人材の定着や人材の離職によるコストや時間の削減ができます。
それでは、どのように自社のオンボーディングプロセスが効果的かどうかがわかるのでしょうか?
オンボーディングをただの事務的なプロセスにしてはいけません。オンボーディングにより新入社員が会社、社員、価値観と深い繋がりを築けるようになるべきです。
目次
オンボーディングの効果を測るのに良い指標とは
より効果的なオンボーディング体験を作り出すためには、測定すべき最も適切な指標を見つけることが重要です。また、その指標は、社員が自社についてどのように感じているのかを把握し、主要な行動傾向を特定するのに役立ちます。これらにより、オンボーディングプロセスで改善すべき箇所や、他のプロセスにおいても改善が必要かどうかがわかります。
例えば、離職に関連する指標を計測することは新入社員が入社後6ヶ月以内に離職する可能性を判断するのに役立ちます。この知識があれば、このような離職を減らすために、オンボーディングプロセスのどの部分を改善すべきかを評価することができます。
いよいよオンボーディングの効果を測定するための5つの重要な指標と、それぞれの指標を向上させるための解決策を紹介します。
1.社員の幸福度
社員の幸福度を様々な方法で測定することができます。
多くの会社は社員の幸福度を測定するために匿名のアンケートや社員インタビューを行っています。幸福度の高い社員の方が生産性が高く、また勤続年数も長くなる可能性が高いです。
ただ、社員の幸福度を測定し続けることはファーストステップにしか過ぎません。もしも、社員を不快にさせている問題を発見した場合、それを改善することが大切です。ある企業は、あるクライアントからの高い要求と厳しい納期が社員の幸福度に深刻な影響を与えていることを発見し、そのクライアントとの契約を打ち切りました。
社員の幸福度は、同僚との繋がりとも強く関係しています。社員間の交流を促進するオフィスを設計し、チーム活動を行うことは同僚との友好的で建設的な関係を促進するための優れた方法です。これらは、新入社員がオンボーディングプロセスの早い段階で歓迎され、幸せに感じるのに役立ちます。
2.個人的な都合での離職と会社都合での離職
予期せぬ離職率の上昇は、社員に何らかが起こっているというサインです。しかし、社員の離職は様々な問題を示すため、私情による離職と会社都合での離職を分けて考える必要があります。
会社都合による希望退職は、適切な応募者が見つからないなどの採用に関する問題があることを示しています。一方、個人的な都合による自発的な退職はオンボーディングに問題があることを示唆しています。研修が不十分であったり、カルチャーや福利厚生が期待していたものと違っていたりなどです。メンターのアサインやチームへの加入、明確な目標と期待の設定や仕事が上手くいったことに対する肯定的なフィードバックの提供などをすることによって、オンボーディング中の離職を減らすことができます。
高い離職率はよくありませんが、だがらといって社員の定着率を100%にすることもよいというわけではありません。定着率が非常に高いということは、会社のカルチャーにフィットしていない社員やパフォーマンスの低い社員も定着させている可能性があることを示しています。
3.離職者の把握
どの社員が離職したかを把握するために指標を用いることは、全体の離職率を測るのと同じくらい重要です。社員の中には、他の社員が離職した時よりも組織に大きな影響を与える人がいます。なので、最も優秀な社員が離職する場合はその理由を知る必要があり、その人にインタビューやアンケートを取ると良いでしょう。また、最近採用した社員が離職した場合は彼らに同様のことを行うことで、特にオンボーディングを改善するのに役立つかもしれません。
オンボーディングプロセスにおいて、社員を定着させるのと魅力的な職場環境を作るのには次のようなものがあります:
・社員との交流プログラム
・魅力的な福利厚生や教育制度
・オープンコミュニケーションのカルチャー
・教育やキャリア開発の機会
・新入社員が個人的に評価されていると感じるようなパーソナライズされた要素
4.新入社員の満足度
新入社員の満足度を把握することも、オンボーディングの効果を測定するのに重要な方法です。主に社員の感情の状態を測定する幸福度とは異なり、社員の満足度は職場環境の重要な要素をどれだけ好意的に判断しているかを示します。満足度の高い社員は、とりわけ労働条件、福利厚生、報酬に満足しています。
社員の満足度を測定するためには、幸福度と同様に定期的なアンケートや調査が最適です。仕事と職場の満足度、職場への期待、実際の職場と理想的な職場の比較をしてみましょう。想定していたよりも満足度が高くない場合は、問題が何であるかを確認できるため、一度に一つずつ問題を解決できます。
例えば、もし社員が給料に満足していないがより高い給料を払う予算がない場合は、より良い福利厚生を提供するか、より多くの福利厚生・教育制度をオンボーディングプログラミングに組み込んで、既存の福利厚生のパッケージの使用と認識を改善します。調査によると、福利厚生に満足している社員の仕事への満足度は4倍高いことがわかっています。しかし、問題が何であれ、それを改善するために有意義な手段を講じることは、社員の長期的な満足度を高めるための賢明な投資です。
5.個々のマネージャーの定着率
あるマネージャーのチームに属する部下の離職率が他マネージャーのチームよりも高い場合、そのマネージャーと部下の関係性が損なわれている可能性があります。
解決策を見つける一つの方法は、離職率の低いチームのマネージャーが部下との強い良好な関係を維持するために何をしているのかを分析することです。これらのベストプラクティスは、離職率の高いチームのマネージャーのために役立つだけでなく、全てのマネージャー間でも共有することで、会社全体の離職率の削減にも役立ちます。
オンボーディング改善のためのベストプラクティス
測定する指標がわかったので、次に以下のベストプラクティスがオンボーディングプロセスの一部であることを確認します:
・一貫性を維持する:
全ての新入社員に対して、同じオンボーディングプロセスを使用します。一貫性がない場合、それを改善するための要因を見つけるのが困難になります。
・オンボーディングを関係と考える:
新入社員を教育する一方、新入社員もオンボーディング担当を評価し、入社したことは正しい決断だったのかを判断しています。つまり、オンボーディングプロセスにおいて、新入社員自身が歓迎され、感謝され、快適に感じられるようにすることは重要です。
・繋がりを維持する:
2日目以降の注意とガイダンスを新入社員に教えます。組織との繋がりを維持することは、彼らを積極的且つ組織化された状態に維持するのに役立ちます。
これまで説明してきた5つの指標を用いてオンボーディングプロセスを測定することで、オンボーディングプロセスに影響を与えている問題を把握でき、推測に頼る必要がなくなります。
一流の人材を惹きつけ、定着させるより良い職場環境の構築に向けて順調に進んでいくことでしょう。
LAPRASによるあとがき
オンボーディングの効果は多くの方が認識していますが、その効果をどうやって測定するのかはあまり知られていません。今回の記事に書かれている5つの指標を参考にしながら、ぜひ自社のオンボーディングを改善してみてください。
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