採用広報を通じて、「初めまして」で終わらない関係性の構築を。自社プロダクトを持たないクリエーションラインが考える、候補者エンジニアとの向き合い方とは

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受託開発企業としてのエンジニア採用に全力で挑戦を続けるクリエーションライン株式会社。これまでの採用課題への取り組み、コミュニティ活動とイベントへのスポンサード、経営陣との目線合わせ、そして将来的な展望について、同社のエンジニア採用をリードする笹さんにお話を伺いました。

《プロフィール》
笹 健太さん:
Agile CoE チームリーダー、アジャイルコーチ
2018年にクリエーションラインに転職し、アジャイルコーチとして他社のAgile・DevOpsの導入支援を通じて組織変革のお手伝いを行っています。また、2023年よりAgile CoEを立ち上げ、社内のアジャイルコーチやスクラムマスターと共に更にパワフルな支援を実施中!

DevOpsDays Tokyoの実行委員をはじめ、製造業アジャイル勉強会やマネジメントわいわい会といったコミュニティ運営も行っています。趣味はキャンプ!

クリエーションライン株式会社
顧客に対する「新プロダクト開発」「社内システム/サービス開発」を支援。アジャイル開発手法やDevOps、クラウドネイティブ、データマネジメント、AIソリューション等の先端技術を駆使し、迅速かつ柔軟な開発支援を行っている。

RSGTやスクラムフェス他、コミュニティ活動やイベントスポンサードを通じ、アジャイルカルチャーの推進を啓蒙するとともに、エンジニアの採用と育成に力を入れている。自社Techブログ他、企業文化や技術力の発信を重視し、プロジェクトの成功と会社の成長を目指している。


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※記事中に「LAPRAS SCOUT」の文言がある場合は「LAPRAS」と読み替えてください。

受託開発の企業こそ、自社カルチャーと人材の魅力の発信にこだわるべき

ー まず、受託開発企業としての採用の課題について教えていただけますか?

お客様の開発支援を行う一番の難しさは、プロジェクトごとに求められるスキルセットが異なるため多様なスキルを持つエンジニアを揃える必要があることです。また、プロジェクトの期限やクライアントの要求に応じて柔軟に対応する能力も求められます。

このような前提があるため、単純に採用したい人物像のスキル・ご経験が幅広くなりがちですし、何より候補者の方に私たちの会社のこと・事業のことを訴求することが難しい、ということが採用課題です。

自社開発の会社だと自社のプロダクトの目指すところや社会的意義をアピールできると思いますが、それがない中でエンジニアにとっての魅力を打ち出す必要があります。。

だからこそ、私たちは会社・組織としての魅力や一緒に働く仲間をしっかりと伝えていくことが大切だと考えています。

ー その課題に対して、どのような取り組みを行っていますか?

まず候補者の方に対しては、なるべく私たちのことを知っていただけるよう工夫しています。求人票の中に「読んでいて欲しい本」を入れてポジションの解像度を高めたり、カジュアル面談の場でもなるべく本人が知りたい情報…会社・プロジェクト・チーム・技術・イベント・働き方…を聴きながらお話しするようにします。私たちは定期的に対外イベントを自社開催したり、大規模イベントに協賛・参画して登壇したりすることが多いのですが、これも一つは「クリエーションラインを知ってもらう」ための取り組みの一つです。

次に、チーム内において採用プロセスを透明かつ効率的にするための取り組みを行っています。具体的には、候補者に対して面接の進行状況や次のステップについて逐一情報を共有し、不安を解消するよう努めています。また、チームメンバー全員が採用プロセスに関与し、候補者の評価やフィードバックを共有する体制を整えています。プロジェクトに関与しているメンバーはもちろん、そうでないメンバーの客観的な視点も含め、マッチするか、どのような魅力づけが有効かなどを会話しながら進めるようにしています。

また、書類選考の段階で技術的なスキルだけでなく、アジャイル開発に関する知識や経験、そしてコミュニティ活動やオープンソースプロジェクトへの参加状況も加点材料としてしっかり見させていただいています。特に、コミュニティ活動に積極的に参加している方々を優先的に採用することで、社内外のネットワークを広げることにも繋がるんですよね。

なお、各チームごとにそれぞれの採用方針があり、今のは私のAgile CoE Teamの場合です。他のチームでも、それぞれのプロジェクトや業務内容に応じた採用基準を設けています。

常に社外への発信を意識することで認知拡大を目指す

ー  コミュニティ活動などにも力をいれていると聞いています。具体的にはどのような活動を行っているのでしょうか?

クリエーションラインでは「CL MeetUp」という自社主催のミートアップイベントを定期的に開催しています。このイベントでは、社内外のエンジニアが集まり、最新の技術やプロジェクトについてディスカッションを行います。

また、外部の技術イベントやカンファレンスにも積極的に参加し、オープンソースプロジェクトへの貢献も行っています。例えば、「Scrum Fest 大阪」では、弊社からも複数のエンジニアが地域オーナーとして支援しています。

こういった活動の中から、我々の技術やプロジェクトに興味を持ち、その後正式に応募してくれた方もいました。最近採用に成功したエンジニアもその一例で、彼は私たちがスカウトを送る前にCL MeetUpに参加して下っており、私たちの活動や会社に興味を持ってくださっていました。これまでに私たちが地道に行ってきた活動とLAPRAS SCOUTを活用した採用活動がうまく連動し、最高の成果を得ることができたと感じています。

ー  コミュニティ活動が採用にどのような影響を与えているのでしょうか?

コミュニティ活動を通じて、自社の技術力や企業文化を広く知ってもらうことができます。特に、エンジニアはネットワークを重視する傾向があり、コミュニティでの活動を通じて知り合ったエンジニアは自社に興味を持ってくれることが多いです。また、コミュニティでの評価が高いエンジニアは、実際のプロジェクトでも高いパフォーマンスを発揮することが多いため、採用において非常に有効なのだと感じています。

ー  イベントスポンサードの取り組みについても教えてください。

クリエーションラインでは主要な技術イベントやカンファレンスのスポンサーとしても活動しています。例えば、RSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo)や各地で実施されているScrum Festなどの大規模なイベントにスポンサーとして参加し、自社のブースを設けて技術紹介やデモを行っています。また、これらのイベントでセッションやワークショップを開催し、我々の技術力や取り組みをアピールする機会を設けています。

コミュニティ活動やイベントスポンサードを成功させるためには、一貫性と継続性が重要です。私たちは、定期的にイベントを開催し、参加者との関係を継続的に築くよう努めています。また、イベントやコミュニティでの活動内容を社内外に広く共有し、エンジニア全員が積極的に参加する文化を育てることが大切です。さらに、フィードバックを積極的に取り入れ、常に改善を図る姿勢も重要ですよね。

すべては自社の人材確保に繋がっている

ー 前述した活動を継続するには、かなりのコストもかかりますよね?

それはたしかにその通りです。認知の拡大には時間とコストがかかるため、経営陣の理解を得ることは非常に重要です。私たちの場合はまず、コミュニティ活動やイベントスポンサードが長期的に見てどのような価値を生むかを具体的に説明しました。例えば、過去の成功事例や他社の事例を参考にしながら、これらの活動がどれだけのリターンを生む可能性があるかをデータや具体的な数字で示しました。

最も弊社の場合、代表がコミュニティへの還元・支援に対して元々強い思いを持っていたこともあり、創業間もないころから様々なカンファレンスでスポンサードを行っていました。そういったカルチャーを土台に、クリエーションラインの認知度アップを目指していきました。今でも代表は、TechBlogを通じて、定期的に会社の目指す方向性を発信してくれています。

経営陣とのコミュニケーションでは、定期的な報告と透明性が鍵となります。具体的には、月次や四半期ごとの報告会を開催し、現在の進捗状況や今後の計画を共有しています。また、採用活動やコミュニティ活動の成果を定量的に示すために、KPI(重要業績評価指標)を設定し、その達成度合いを報告しています。これにより、経営陣は投資対効果を明確に把握することができ、理解と支持を得やすくなります。

成果の報告には、具体的なデータと事例を活用しています。例えば、「CL MeetUp」の参加者数やフィードバック、イベントスポンサードによる応募者数の増加などを詳細に報告しました。さらに、成功事例として、コミュニティ活動を通じて採用につながったエンジニアの紹介や、彼らが社内プロジェクトでどのように貢献しているかを具体的に示しました。こうした具体例を通じて、経営陣はこれらの活動が実際に価値を生んでいることを実感しやすくなります。

ー これまでの取り組みを通じて得た教訓や成功の要因について教えてください。

これまでの取り組みを通じて得た教訓の一つは、透明性と継続的なコミュニケーションが重要であるということです。経営陣との信頼関係を築くためには、定期的な報告とオープンなコミュニケーションが欠かせません。また、具体的なデータと事例を用いることで、活動の価値を明確に示すことができました。成功の要因としては、長期的な視点を持ちつつ、段階的に目標を設定し、着実に実行していくことが挙げられます。

ー 今後の採用活動の展望についてお聞かせください。将来的にはどのような方向性を目指しているのでしょうか?

将来的には、より多様なエンジニアを採用し、チーム全体のスキルセットを強化していきたいと考えています。特に、新しい技術や手法に対してオープンであり、学び続ける意欲を持ったエンジニアを積極的に採用したいですね。また、リモートワークの普及に伴い、地理的な制約を超えて優秀な人材を採用することにも力を入れていきます。

ー 具体的には、どのような施策を計画しているのですか?

まず、コミュニティ活動をさらに強化し、より多くのエンジニアに私たちの存在を知ってもらうことが重要です。そのために、勉強会やイベントの規模を拡大し、オンラインとオフラインの両方で参加しやすい環境を整えていきます。また、イベントスポンサードも引き続き行い、「CL MeetUp」や「RSGT」などで積極的に発表や展示を行います。さらに、社員のスキルアップやキャリアパスの提供にも力を入れ、働きやすい環境を整えることで、長期的に優秀な人材が活躍できる職場を目指します。

ー 笹さんが目指す理想のチームや職場環境についても教えてください。

理想のチームや職場環境としては、オープンでフラットな文化を持ち、全員が自分の意見を自由に言える雰囲気を大切にしたいです。また、常に新しいことにチャレンジし、学び続ける意欲を持ったメンバーが集まるチームを目指しています。技術的なスキルだけでなく、コミュニケーション能力やチームワークも重要視しています。そして、社員一人一人が自分のキャリアに対して責任を持ち、成長を実感できる環境を提供することが大切だと思っています。

ー 最後に、エンジニア採用に携わる方々に向けて、一言メッセージをお願いします。

エンジニア採用は、企業の未来を左右する重要な活動です。単に技術的なスキルを持つ人を探すだけでなく、企業文化や価値観に共感してくれる人材を見つけることが大切だと思っています。私たちの場合はコミュニティ活動やイベントスポンサードを積極的に活用し、人と人とのつながりを大切にした採用活動を行っていますが、会社のカルチャーや事業によって適するやり方は変わってくるものだと思います。私たち自身も、よりよいやり方を模索していきたいです。

会社として最も大切なのは「知ってもらう」ことだと私たちは考えています。認知を広げることは将来の採用の可能性にも繋がります。知らないままでは最初の候補にもなれません。そのため、長期的な友人関係のように継続してつながりを築くスタンスを大切に、候補エンジニアと関係性を築いていきたいと思っています。

私たちの取り組みがすべての企業に適しているわけではありませんが、各企業が自社にとって最も効果的な方法を検討いただく上で、私たちの取り組みやこの記事が何らかのお役に立てれば何よりです!

ー 本日はありがとうございました!


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