<イベントレポート>エンジニアからの返信率を5%UP!明日から実践できるスカウトメール術

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人材獲得競争が続くエンジニア採用市場を勝ち抜き、優秀なエンジニアを獲得するには、スカウトメールの“質の高さ”が重要です。そこで今回は、2024年3月14日にLAPRAS社主催で開催した、実践的なスカウトメール術を紹介したイベント「エンジニアからの返信率を5%UP!明日から実践できるスカウトメール術」の様子をお届けします。

登壇者としてお迎えしたのは、100社を超える採用支援を行うICEONE社で、PRODUCT COMPANY GENERAL MGRを務める加藤万美子さん。100万件のスカウトデータに基づいた論理的で効果的なスカウトメール術を駆使した結果、ICEONE社では返信率を5%向上という結果が出ています。エンジニアの採用戦略にお悩みの方は、ぜひご一読ください。


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※記事中に「LAPRAS SCOUT」の文言がある場合は「LAPRAS」と読み替えてください。

目次

登壇者プロフィール

株式会社ICEONE/PRODUCT COMPANY GENERAL MGR / 加藤 万美子

大手損害保険会社入社後、2021年ICEONEに入社。事業の立ち上げから、1人目カスタマーサクセスとして3年間で約150社のエンジニア採用を支援。エンジニアへのスカウト延数10万件以上。現在は、ゼネラルマネージャーとして営業組織を統括。

LAPRAS 株式会社 / LAPRAS SCOUT Pro 事業責任者 / 山本 雅俊

広告営業、マーケティング支援会社で法人営業を経験後、2022年にLAPRAS入社後、カスタマーサクセスとして80社以上のエンジニア採用を支援。現在は採用代行事業(LAPRAS SCOUT Pro)を運営し、PMOも兼任している。

スカウト配信とナーチャリング設計について解説

加藤さん:まずは下記の、採用における施策の全体図をご覧ください。

エンジニアの採用活動は認知を獲得するところから始まり、応募を獲得をして、面談を実施して、選考に移行して、やっと内定承諾が出るステップになると思いますが、ステップごとにやるべき施策がかなり多いです。

認知を獲得するためにおこなうのは、スカウト配信やプレスリリース配信、応募の獲得や面談実施に繋がるのは、定期的な採用イベントなどへの送客など、さまざまな施策があります。その中で今回私がお伝えしたいのは、認知獲得と面談時選考に移行するところまで、全工程に効いてくるスカウト配信とナーチャリング設計の部分です。

LAPRASさんはこのあたりの機能が、かなり充実していらっしゃると思います。顕在層の方にスカウト配信をするだけではなく、過去にスカウトを送った際には転職意欲や条件などが合わなかった場合も、ナーチャリングすることによって引き上げていく活動が、とてもこの領域では大事になってくると考えています。

みなさんもわかっていらっしゃると思いますが、やっぱりスカウトはテンプレでくるよりも、しっかり候補者様のご経験やご志向、実現したい条件を加味してお送りしたほうが返信率は高くなる傾向にあります。

特にエンジニアさんは、毎日たくさんのスカウトを受け取っている方が多いです。「全然経歴を見てないな」「発信している内容を何も知らないんだな」と思われてしまうような内容では、たくさんのスカウトに埋もれてしまいます。その方が実際にどういった思いで経験を積んできて、今後何に貢献したいと考えているのかを把握して、しっかり訴求することで返信率は大きく変わってきます。

スカウトの成果が引き上がる3つの要因

私達がサービスを提供するにあたって、大事にしてることは下記スライドに記載されている3点です。

実際にどういった方にスカウトをお送りするのかという初期設計においては、いわゆるペルソナ設計、会社の強みを候補者にどう訴求するのかというアセットのまとめなどをおこないます。

スカウト文の部分では、先ほどお話ししたように、条件や思考を加味しての作成が必要です。この部分を社内でどう仕組み化していくのか課題に感じているケースも多いと思うので、弊社の施策をのちほど少しお話しします。

最後のひとつが、今回のアジェンダのメインになるデータドリブンの運用です。現在、弊社は約数十万件のデータを持っているので、どこにどう送ると一番スカウト効率が良いのかお話ができればと思っております。

どのように配信すれば返信率が最大化するのか

加藤さん:まずは、文字数について、データをもとにお話しします。ご経験や実現したい条件などをしっかり見た上で文章に入れ込んでスカウトを送るにあたって、「文章が長くなってもいいか丁寧に書いたほうがいい」であったり、「長すぎても読んでもらえないから端的に書いたほうがいい」など、いろいろな説があります。

下記スライドの右側の図は、横軸が文字数になっていて、緑のラインがLAPRASさんのデータ、茶色が他媒体のデータです。結論ベースでいくと、1000文字から1250文字くらいのゾーンが返信率が高くなっています。ただ、この一例だけでもかなり違うように、媒体特性の影響も大きいので、平均値としての数字です。

加藤さん:候補者様にスカウトが届く際、画面にどう表示されるかなど、媒体ごとのUI・UXにもとても依存すると考えています。媒体によっては最初の100文字しか画面に表示されないので、その場合は当然最初の100文字に注力するアクションが必要です。複数のスカウト媒体を使っていらっしゃる場合は、媒体ごとのメッセージ設計が必須であり、その上で一人ひとりのご経歴を読み込んでスカウト配信することが重要です。

候補者にどのタイミングでスカウトを送るのが一番効果的?

加藤さん:どのタイミングでスカウトを送るのが一番効果的なのかについて、結論、プロフィール更新後すぐにスカウト送信したユーザーに関しては、全体平均よりも3倍程度返信率が高いというデータが出ています。

加藤さん:大体当日、遅くても3、4時間以内の対応が一番返信率が高まるデータも出ていますが、1週間以内であれば一応効果は続くといったデータも出ております。具体的な数字では、通常よりも1.7%ほど返信率がアップしています。

今は特に、ミドルからハイクラスのエンジニアさんを採用しようと思うと、かなりたくさんのスカウトを送らないと難しいと思います。返信率が3倍高いタイミングで送れると工数も変わってくるので、モニタリングフローと体制構築することによって、即スカウトを配信できる体制を整えておきましょう。LAPRASさんでは、転職意向度が変わったタイミングやレジュメの更新があった際に通知してもらえる機能があるので、そういった機能はどんどん活用していきたいですね。

山本:ちょっと補足させていただくと、LAPRASは現在の転職意欲を「中、高、なし」で候補者側が設定できます。転職意欲が中から高に変わったタイミングをうまく狙えると返信率が高いというデータは弊社でも出ているので、ぜひご活用いただければと思います。

GWや年末年始など連休にはスカウト配信するべきか?

加藤さん:GWや年末年始など、「長期休みは時間があるので、メールを見てもらえる可能性が高そう」と考える方も多いと思うのですが、お休み中は、スカウトも休んで大丈夫です。長期休み中は、平均返信率の0.4ポイントほど下がるというデータが出ています。

ただし、媒体特性は出るかなというふうに思っておりまして、連休中に返信率が高くなる媒体もあります。その媒体は連休前にレジュメ更新キャンペーンなどをおこなう傾向があり、おそらくその影響かなと考えています。

何曜日に配信すれば返信率が高まる?


加藤さん:こちらも、媒体によってかなり特性が出るなというのが結論になります。下記スライドの右側の表は、媒体×曜日ごとの返信率のデータです。

LAPRASさんでは火曜日が一番良いデータになっていたりしますが、全体で見ると基本的には週頭、月火の返信率が上がりやすく、木金は下がりやすい傾向にあります。

この点についてはGoogleが検索ワードのデータを出しているのですが、「転職したい」「会社 行きたくない」という検索ワードが月曜日や火曜日の週頭には上位になるようです。一般的に土日休みの方が多いので、逆に木金はそういったワードの検索もどんどん減っていくとのことで、返信率は候補者様のモチベーションに左右されるところもかなり大きいと感じています。

今回はデータを持ってきていないのですが、メンバークラスの方と、ミドルやハイキャリアの方では、返信率が高い曜日のデータが変わってきます。比較的メンバークラスは月曜日、火曜日の返信が高くなりやすく、ミドルとかハイクラスの方がその限りではありません。全体で1.2ポイントほど差が出てくるので、弊社では候補者様の優先度を決めてスカウトをお送りしていく運用フローを組むことが多いです。

一人の候補者に対してのスカウト配信は、一回で止めるべき?

加藤さん:前提としてエンジニアさんは採用市場に溢れているわけではないので、「初回の方だけに送ろうと思うと、すぐに送れる方がいなくなってしまう」とご相談をいただくことがよくあります。

「ぜひ来て欲しい方には何回も送りたいけれども、うざがられるんじゃないか」と考える方もいらっしゃいますが、結論でいきますと4回目までは返信率に大きな差はなく、ほぼ1回目と同じ効果を得られています。

弊社のLAPRASさんにおける実績になりますが、CTOクラスの方に1年かけて15回スカウトを送り続けて承諾に至ったケースもあります。まだまだデータが不足している部分ではあるのですが、良い候補者に関しては、まず4回目まではお送りするフローを構築していいと考えています。

ただし、何度も同じ文章を送っても効果は薄れていくので、内容の工夫は必要です。例えば1回目は候補者様の経歴や志向にフォーカスしたもの、2回目は組織課題をもとに、その解決にあなたの経験が活かせる理由を訴求して送り、3回目は開発課題であったり、4回目はフルカスタマイズで送ったりと、運用フローをしっかり構築できれば再送しても問題ないと思っています。

私達が15回スカウトを送った方は、GitHubなどでアウトプットされている情報も多かったので、毎回違う情報を訴求することができ、最後は「こんなに見ていただいてありがとうございます」と返信をいただいて、承諾してくださいました。どうしても採用したい方がいる場合は、とにかく諦めずに、手を替え品を替えスカウトを送るアクションがおすすめです。

山本:その方の転職意欲が高まっているタイミングに合うかも大事なので、そのタイミングを的確に捉えるためにも、一定期間に渡って再送するのは有効だと私も思います。

ただ、4回再送する場合、回数はもちろん、ポジションやレイヤー、会社の特性に合わせての設計が必要だと思うので、その体制を自社で作るのは難しいとも感じました。

加藤さん:そうですね。今、本当にエンジニア採用が難しい状況で、「エンジニアがいないと思うように事業拡大できない」という悩みを抱えている企業様は本当に多いと感じています。エンジニアを採用するには、スカウト媒体でレコメンドを設定して、一人ひとりのレジュメを見て確認して、スカウトを送るまでに大体5000〜1万とか工数を要しますが、そこまでしてやっとひとりの内定承諾が出るくらいの確率です。

人事の業務は広報まわりや組織開発などもあり、採用だけではないですし、非効率な採用活動は業務全体に支障をきたします。採用活動にデータを活用することで、みなさんの大事なリソースを有効活用していただきたいと考えています。

初期設計の一例:ペルソナ設計・訴求内容まとめ

加藤さん:冒頭で、スカウトの効果を一番高めるためには、初期設計、スカウト文、データドリブンが重要だとお話ししました。ここまではデータに関するお話をさせていただいたので、ここからは初期設計とスカウト文についてお伝えします。

私達が企業様のご支援入らせていただく際は、まず下記スライドのような形で、どういったターゲットにどういった会社の強みを当てていくのかを初期設計します。

加藤さん:ちょっと細かいのですが、ご年齢、大学では何を学んだのか、1社目はどういう会社を選ばれて、そこでどんなご経験されて、今どういったご志向を持っていらっしゃるのかを、ペルソナとして記載させていただくことが多いです。

ただ、同じペルソナでも、ご志向が同じとは限らないと考えています。フルスタックに活躍していきたい方もいらっしゃれば、世の中に対してインパクトの大きいサービスをやっていきたい方、いつかはCTOとかVPoEになりたいのでバリバリ仕事をしていきたい方と、各候補者様のさまざまなご指向性を洗い出し、上記スライド左側の「内容」に、ご指向に対してどういった会社の強みが当てられるのかを記載していきます。

ご指向は、レジュメに「こういう領域の仕事やりたいです」「モダンな技術を使いたいです」といった形で記載されているケースが多いので、どういったアプローチが一番効果的かを検討して策定しておけば仕組み化できるので、複数人でチームを組んでスカウトすることもできます。

初期設計の一例:企業アセットまとめ

山本:詳細に初期設計をするのはなかなか難しいと思うのですが、設計するために社内のエンジニアさんにヒアリングなどすると、組織に対する新しい気づきや強み、アトラクトの発見にも繋がりそうですね。

加藤さん:競合他社と比較した上で、企業様がどこの強みを採用として打ち出すのが良いのかっていう整理をするのが、下記スライドの「企業アセットまとめ」です。

1時間〜2時間ほどしっかり時間を取って現場の方にインタビューをして、上記スライドの左側にあるように、会社の特徴、ポジションの特徴、技術特徴を洗い出します。その結果をもとに、右側には単一で強いワードなのか、ブレンドすることで強みを出せるのかを整理をして、スカウト文に活用します。

企業様がホームページに打ち出してる強みと、ペルソナがに向けて打ち出すべき強みは違うケースもあるので、競合他社様と比較した上で、弊社の知見を生かして設計させていただきます。

山本:競合他社と比べての課題は、社内メンバーだけで見つけ出すのは難しいと思うので、採用代行の会社が入ってやる意義があるところだと思いました。ここで出てきたワードは、スカウト文の中でどう活かすか、使い所を工夫して設計するんですか?

加藤さん:そうですね。例えばレベル3と書いてある単一で強いワードに関しては件名にガンと入れたり、最初の100文字だけ画面に表示される媒体では強いワードを上の方にどんどん載せたりといった工夫をしています。

スカウトのメッセージ設計について

加藤さん:最後になりますが、何度もお伝えしているように、候補者様のご経験やご指向、実現したい条件を網羅するようなスカウト文が一番効果的だということを改めて伝えさせていただきます。

弊社の代表がサイバーエージェントなので、下記スライドの名前もサイバーエージェントになっているんですけれども、こういった形で件名と、社名と名前を記載した上で、冒頭の構成①に候補者様のご経験、ご指向性を読み解く部分を作成します。

構成②の部分では、候補者様のご志向性やご経験に合わせてメッセージパターンを準備することによって、1to1のいわゆるラブレターなスタートを作っています。

先ほどお伝えしたように、同じペルソナでも持っている方でも、経験やご志向性によって訴求するポイントが全然変わってきます。例えば事業会社を経験された方と、受託会社を経験された方、それぞれに訴求できるように多様なメッセージパターンを用意しましょう。

山本:弊社が把握している範囲でも、LAPRASを利用している企業様で「ICEONEさんに運用支援を依頼し、テックリード1名とEM1名が採用成功できた事例」がありました。今回はそうした圧倒的な成果の裏側を知ることができて、すごく勉強になりました。

運用のKPIに追われてしまうとテンプレで数を稼ぐ方針になってしまいがちかもしれませんが、1to1でしっかりメッセージを書いていくこと、メッセージパターンを緻密に設計することが、結果的に効率のいい運用に繋がっていくんですね。

ICEONE参画後の、スカウト文の変化

加藤さん:下記スライドは、弊社が手がけたスカウト文の具体例です。CTOとしてご活躍されてらっしゃる方に送ったもので、左側の赤文字の部分が弊社が参画する前のカスタマイズ部分で、右側が弊社がお送りしてるスカウト文になります。

加藤さん:その方のご経歴やご志向性を読み解き、お勤めの会社の技術なども拝見した上で、具体的なアウトプットの内容やなどにも、丁寧にしっかり触れています。

山本:ビフォーアフターがわかりやすいですね。エンジニアさんに向けたスカウト文では、技術スタックと事業の親和性をアピールするやり方もありますが、一歩間違うと自社の良いところをアピールするだけのプロモーション文のようになってしまうのはあるあるだと思っています。

このスカウト文では、「なぜあなたがいいと思ったのか」「あなたが自社を選ぶべき理由」のところがしっかり書かれていて、さすがだなと思いました。

Q&A

転職意欲が低い方であったり、最終ログイン日が1ヶ月以上前のユーザーからの返信率はどのくらいでしょうか?

加藤さん:全体の平均返信率の大体4分の1程度になると考えていただけるといいと思います。ただ、返信率は低いですが送ること自体が無駄になるとは限りません。送ってからみてもらうまで期間が空いたとしても、ログインした段階でスカウトに気づいて返信があるケースは十分にあり得るので、気になる候補者様を見つけた場合は、諦めずにぜひ送ってみてください。

プロフィール更新が水曜日の人がいた場合、更新時間からすぐのタイミングもしくは返信率の高い金とか月とかに送るのであればどちらを優先しますか?

加藤さん:すぐに送っています。すぐ送るインパクトと、曜日ごとの返信率を比較したときに、すぐ送ったほうが2倍ぐらい効果は違うというデータが出ています。

スカウトの再送は、どのぐらいの間隔でお送りすれば効果があるしょうか?

加藤さん:既存の送信回数によって変わります。現状わかっているところでは、4回目までのスカウトであれば大体2週間おきのペース、5回目以降は1ヶ月ほど期間を空けてお送りするのが効果的です。

山本:次のタイミングをいつにするかなど、送信管理はどうされているのですか?

加藤さん:候補者へのスカウト送信率と送信回数をデータで一覧にしているので、それをもとに「1週間経ったから、もう1回この方にアプローチしよう」という形で管理しています。ただ、候補者様の転職意欲が変わったら、設定していたペースを守らずにすぐ送らなければいけません。状況によって要素が掛け合わさっていくため、それを見越した細かい運用フローでカバーしていく必要があります。

土日祝にスカウト送信すると、ワークライフバランスが悪い企業と思われるでしょうか?日曜日も返信率が高いデータもあり、悩んでいます。

加藤さん:現時点では「土日にまで送ってくれるほど、自分のことを評価してくれた」と感じる候補補者様が、相対的には多いです。

一方で「土日しっかり休めます」とか「ワークライフバランスを重視しています」とアピールしている企業様にとっては、リスクに繋がる可能性は十分あるので、企業のカルチャーに合わせて運用していくといいのではないでしょうか。

スカウト送信数のボリュームをどれくらい担保すべきか悩んでいます。

加藤さん:一般的にはメンバークラスの皆さんを採用しようと思うと、媒体特性にはよりますが、500〜600通ぐらい送って、内定承諾をひとつ得られるような世界観になっていると思います。

そう考えると半年間で採用したい場合は月間100通、もっと短い期間であれば月間200〜300通を送る必要があります。いつまでに何名を採用したいかをもとに、逆算して決めるのがいいと思います。

企業名やサービス名にブランド力がある場合は、件名に入れた方がいいのでしょうか?

加藤さん:ぜひ入れてほしいです。企業名やサービス名を聞いただけで「こういうエンジニア組織だ」と想起されるような会社に関しては、どんどん入れていいと思います。そのほか「シェアNo.1」や「業界トップ」といった言葉も、返信率には大きく影響してきます。

加藤さんはエンジニア採用未経験からスタートとのことですが、技術知識などはどのようにして身につけたのですか?

加藤さん:泥臭く頑張りました。LAPRASさんが出している書籍『採用・人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本』は、めちゃくちゃ読みましたね。

あとはお取引先のエンジニアさんにJavaScriptの書き方とか教えていただいたこともありました。経験することで、より理解が深まったかなと思います。

1通のスカウトを作成するのに、どのぐらい時間を要していますか?

加藤さん:弊社は平均7分ぐらいです。ただこれも媒体特性によるため、LAPRASさんのように、個人名が特定できて、いろいろなトピックを見られる媒体であれば15〜20分ほどかかると思います。

ちなみに、さっき例として挙げたCTOへのスカウト文は30分かかっています。アプローチする対象によって変わってくるところだと思いますし、逃したくない方であれば時間をかけて丁寧に作成しましょう。

LAPRASを使って半年で、返信率は50%、選考率は30%と数字は出せました。興味通知は数百件ほど送りましたが、質を求めて最終的には数を絞った結果です。もっと数を増やしたほうがいいでしょうか?

加藤さん:まず、すごい数字だなと思います。おそらく7〜8名ぐらい採用されたんじゃないでしょうか。これが例えば年間30〜40名を採用していきたい場合は、媒体を増やすか、1媒体で勝負するならやはり通数を増やしていくことが必要になると思います。

山本:私も加藤さんと同じで、採用したい目標数にもよるかなと思います。あとは選考が厳しくて想定以上に落ちてしまったということがあるなら、もう少し数を追い求めてもいいのかなと感じました。

ご説明いただいたスカウト施策を盛り込みたいと思うのですが、求職者側からの情報量が少ない場合はどうしたらいいでしょうか?

加藤さん:候補者様の会社名がわかる場合は、その会社の求人票を見に行っています。そこから大体の仕事内容を推測し、「このプロダクトで、こういう領域のことをやってらっしゃるんだ」というのを頭に入れた状態でGitHubなどを見に行くと、1to1のスカウトに近づける情報量を得られると思います。

まとめ

今回共有されたのは、今日知って、明日すぐに使える実践的なスカウトメール術ばかりでした。データに基づく知見や、運用フローの構築方法などを、貴社の採用戦略にお役立ていただければ嬉しいです。

スカウトメールに必要な情報はLAPRAS SCOUTを、スカウトメールの作成にリソースを割けない場合は、LAPRAS SCOUT PROの活用をご検討ください。

(ライター:成澤綾子)


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