【理解度チェックテスト付き】人事が習得すべきエンジニア知識とその学習方法

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エンジニアは専門職なので、エンジニアの採用担当者も専門的な知識をある程度知っておく必要があります。
一方で「ある程度」がどの程度の知識量なのかは認識が曖昧です。エンジニアリング知識を学ぶための書籍や記事はどれも開発を行うエンジニア向けに書かれており、採用担当者が知らなくてもいいこと、あまりにも専門的すぎて採用業務で活用できないことが多く書かれています。

本記事では、エンジニア採用の担当者が知っておくべきエンジニアリング知識について、LAPRASが連続開催している「人事エンジニアリング勉強会」の講座内容を引用しながら紹介します。

採用担当者が理解しておくべきエンジニアリング知識のレベル

人事エンジニアリング勉強会の中では、エンジニア採用担当者の知識レベルを大きく3つに分けました。

◯レベル1:初級
エンジニア採用担当者としては必ず身につけておくべきものです。これが身についていないと採用活動においては、自身で判断できることが限定されてしまいます。

◯レベル2:中級
ここまで身についていることがエンジニア採用担当者としてのひとまずのゴールです。候補者の技術に言及したスカウトメールが書けたり、カジュアル面談などでも候補者と技術についての簡単なコミュニケーションをとることができるでしょう。

◯レベル3:上級
非常に高いエンジニアリング知識を持っていると思われます。
知見を活かすことで、技術広報、DevRelといった領域でも活躍できる市場価値の高い採用担当者といえるでしょう。


採用担当者がどのレベルまでエンジニアリング知識を理解するべきなのか、それは企業によって様々です。
しかしながら型にはめて言えば、多くの場合はレベル2までの知識を習得することが望ましいと考えられます。
なぜなら、スカウトメールを始めとするダイレクトリクルーティングや求人票作成、書類選考など、現在の採用活動の大半を占める業務がレベル2の習得によって大きく改善されるからです。

<理解度チェックテスト>

ここで簡単な問題を解いてみてください。
下記の赤字の用語の内、理解できている用語の数を数えてください。

※理解できているかどうかは、それが何なのか口頭で簡単に説明できるという基準で判断してください。

分かる単語の個数に応じて理解度がざっくりとわかります。
現時点での自身の知識量を知る参考にしてみてください。

◯分かる単語が0〜7個:〜レベル1
エンジニア採用に携わるうえで、必ず知っておくべき用語の理解が十分ではありません。まずは用語の意味の理解から復習すると良いでしょう。

◯分かる単語が7〜14個:〜レベル2
基本的な用語が理解できており、社内コミュニケーションに問題がないレベルです。

◯分かる単語が14個〜:〜レベル3
知識面での不安はなさそうですので、スカウトメールの書き方など実際の業務の改善に目を向けた方が効率的かもしれません。


※各用語の説明は本記事では省略します。
自身で調べてみてください。

知っておくべき具体的な知識

レベル2に至るまでに必要なのは下記の2つです。

●システムがどう動いているかの全体像の理解
●用語の意味の理解

システムがどう動いているかの全体像の理解

例えば下記のようなWEBサービスの構成図を見ながら、CSSやJavascriptなどのフロントエンドの開発言語がどこで使われているのかなどを理解していくことが重要です。

用語の意味の理解

用語については、下記それぞれについて理解することが必要です。

●システムの基本構造(ブラウザ、クライアント等)
ポジション名(フロントエンド、サーバサイド、インフラ等)
●開発言語(Ruby、Python、Javascript等)
フレームワーク(Rails、Django、React等)
ライブラリ
OS
DB
サーバー

左上から右方向の順に覚えていくとよいでしょう。

羅列してみると多く感じますが、すべての開発言語、すべてのフレームワークを覚える必要はありません。
大事なのは、自社で使っている技術に関係性が高いものから広げていくことです。まずは自社で使っている開発言語やフレームワークなどについて調べていくといいでしょう。そして、なぜその技術を採用したのか調べていくことで、技術固有の特徴にも知識が広がっていきます。

例えば、LAPRASでは開発言語にPythonを採用していますが、これはPythonには機械学習を活用するために有用なライブラリ、例えば「TensorFlow」「Chainer」といったものが多く存在しているためです。

このように、まずは開発言語などから徐々に調べていくことがおすすめです。

学習の方法

続いて具体的な学習方法をいくつか紹介していきます。

分からない用語をひたすら調べていく

技術的な記事に書かれている用語の意味を調べていく方法です。
大抵の用語はWeb上に解説記事があります。つまづくたびに「●●とは」のように解説記事を検索していきます。

簡単に始められるため最初の学習としてはよいでしょう。一方で、断片的な知識しか得られないこと、解説記事にも新出単語が現れることで調べなければいけない用語が雪だるま式に増えてしまうことが難点です。

スクールや勉強会に参加する

何をどのくらい学ぶべきか定まっていない場合、誰かに教えてもらうことは効果的です。
要所がどこなのか、知識の重要度ごとに濃淡をつけて教えてくれるからです。
勉強会の短所は採用担当者向けのものがあまり多くないこと、スクールの短所は費用が発生することです。

社内のエンジニアに教えてもらう

最もおすすめなのは社内のエンジニアに教えてもらうことです。
自社の技術に最も詳しいのは社内のエンジニアですので、より自社の技術や採用に役立つ内容を聞くことができます。

また、エンジニアと直接話すことで「どのくらいまで理解していればエンジニアとコミュニケーションできるのか」「この言葉の表現で間違っていないか」を知ることもできます。
日頃から社内のエンジニアと会話することは、カジュアル面談やイベントで社外のエンジニアと会話するときの練習にもなります。
意識的に社内のエンジニアと話す機会を作るとよいでしょう。

おわりに

エンジニアリング知識は一朝一夕で身につくものではありません。売り手市場のエンジニア採用市場で日々の業務に逼迫する採用担当者が学習するには、効率を重視することが不可欠です。
今回紹介した知識レベル、学習方法を参考にして、ぜひ学習を進めてみてください。


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