「カジュアル面談どまり」を防ぐには?本選考への移行率を高める実践ポイント

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カジュアル面談」は、採用活動で非常に重要な工程です。気になる候補者と直接会話できる貴重な機会であり、本選考に移行する直前のタイミングでもあるからです。

しかし、「せっかく候補者と会っても選考に進んでもらえない」「せっかく自社に興味を持ってもらっていたのに、面談で転職のモチベーションを高められなかった」といった悩みを抱える採用担当者も少なくありません。

LAPRASの調査によると、候補者の約95%は「選考に進む意欲」を持ってカジュアル面談に臨んでいます。ところが、実際に本選考へ進むのは約半数にとどまります。つまり、 多くの候補者が面談プロセスの中で意向度を下げてしまっている可能性があるわけです。

この記事では、面談内容やその後の関係構築を改善し、本選考への移行率を高めるための実践的なポイントをご紹介します。

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カジュアル面談のよくある失敗例

選考への意欲がある候補者が潜在的に多いのにも関わらず、うまく選考に繋げられていないのは、それだけカジュアル面談で候補者のモチベーションを高めるのが簡単ではないことを示しています。

たとえば、次のような失敗もよく起こりがちです。

<カジュアル面談のよくある失敗>

  • 候補者が聞きたいことにうまく回答できなかった
  • 企業側が一方的に質問を続けてしまい、「面接」のような堅苦しい雰囲気になった
  • 面談担当者が候補者の情報を十分に把握しておらず、印象を悪くしてしまった

こうした失敗を防ぐためには、どんな点に気をつけたら良いのか、ここからはカジュアル面談の進め方のポイントを解説します。

カジュアル面談の進め方のポイント

面談のゴールを明確にし、企業・候補者側で合意しておく

まず大切なことは、カジュアル面談の目的・ゴールを企業・候補者の間で確認・合意しておくことです。

お互いを理解するための情報交換だけで十分なのか、選考を見据えてより詳細な会話がしたいのか、お互いがその時間の中で達成したいことを言語化して、事前に共通認識を作っておきましょう。

共通認識があると、お互いに聞きたいこと・答えてほしいことにブレが発生せず面談を有意義な時間にしやすくなります。

候補者の状態・ニーズを確認する

面談が始まったら最初にやることは、候補者が自社のどこに興味を持っていて、どんなことを聞きたいのかヒアリングすることです。また、逆に自社の選考を受けるうえで懸念していること、心配なことについても聞き出しておきましょう。

この「事前のニーズ確認」が、カジュアル面談の鍵を握る重要なポイントの一つです。

例えば、

  • 「今日の面談を有意義なものにするために、どのような点について詳しく知りたいですか?」
  • 「今のご状況を踏まえて、どんな働き方や役割が理想ですか?」

といった形で質問を投げかけることで、候補者の関心やニーズに沿った会話がしやすくなり、満足度の高い面談につながります。

候補者のニーズに合う情報提供・ディスカッションを行う

ヒアリングが終わったら、その内容を元に情報提供・ディスカッションを進めます。主に

技術領域・部署の雰囲気・評価軸、事業の方向性などの中から、候補者が関心を持っていることについて、掘り下げて話していきます。特に「外部からはわかりにくい情報」を積極的に伝えるのが有効です。

<伝えるべき内容の例>

  • 技術的・ビジネス面での情報
    • 内部で使用している技術
    • 直近取り組んでいた開発プロジェクト内容
    • 今後の事業計画
  • ポジションの募集背景
    • どのような課題解決のための募集なのか(技術的課題、組織的課題など)
    • 期待役割
  • チーム内の役割分担や協業体制
    • 関わるメンバーの人数やバックグラウンドなど
    • 開発チームとビジネスサイドの連携方法
    • 個人の裁量とチームの意思決定のバランス
    • コードレビューの文化(頻度・厳しさ・フィードバックの方法など)
  • 受け入れ・教育体制や評価制度、スキルアップ支援
    • 入社後のオンボーディング内容や期間
    • 目標や評価制度
    • 新しい技術の学習機会(社内勉強会やセミナー参加など)
  • チームの雰囲気や文化
    • 困ったときに相談しやすい雰囲気か
    • 心理的安全性が確保されているか
    • コミュニケーションの頻度や内容

事前のヒアリングを元に、候補者が興味を持っている内容をテーマに会話を進めることで、選考へのモチベーションアップが期待できます。

候補者からポジティブな感想を引き出そう

面談の中でもう一つ、重要なポイントがあります。それは「候補者自身の口から、ポジティブな感想を引き出す」ことです。たとえば、自社のプロダクトや社内の仕組み、魅力的なチームメンバーなどのついて、候補者から「面白い!」「すごい!」といった前向きな声をもらえるように工夫してみましょう。

また、こちらが説明した内容について「それって~~~っていうことですよね?」というように「候補者が自分自身の言葉に置き換えて感想を伝えてくれる」というのも、選考へのポジティブな気持ちを表すシグナルです。

こうしたポジティブな感想を引き出すためには、次のような点に注意することが大切です。

事前に資料を共有しておく

採用ピッチ資料や、会社紹介といった「自社のことをより深く知ってもらうために役立つ資料」をあらかじめ準備しておき、カジュアル面談の前に候補者に共有しておくのも有効です。

候補者からすれば「この部分について詳しく教えて下さい」というように、資料をベースに質問ができますし、情報収集の手間も省けるため面談準備のための負担が少なくなります。企業側としても、定型的な説明になる箇所は資料で説明を省略し、個々人のやりたいことや志向性に合わせた本質的なディスカッションに集中できる利点があります。

企業側も受け身にならず、情熱を持って語る

候補者からの質問に回答することも大事ですが、受け身になりきらず、企業側からも熱意が伝わるよう、積極的に自社の魅力を伝えていくことが重要です。

たとえば、プロダクト開発で挑戦した課題解決や、お客様に喜ばれた体験談など、面談担当者自身が「この会社で働いていてよかった」と実感できた具体的なエピソードを、感情が伝わるように語ることが大切です。

企業側に熱意があれば、それは候補者の側にも自然に伝わるものです。「こんなに楽しそうに語るなんて、きっとそれだけ嬉しい体験に違いない」と感じてもらえるように心がけましょう。

さらに、「一緒に働きたい」「私たちのチームや事業に関心を持ってもらえると嬉しい」など、はっきりとした言葉で期待や好意を伝えることも効果的です。

LAPRASが過去に行ったユーザーアンケートによると、回答してくれたエンジニアの方々の約半数が、

「転職において、自分の条件に合う環境よりも、自分を必要としてくれることが重要」 

と回答しています。

このことからも、相手にポジティブな感情を持っていること、「自社にぜひ来てほしい」というウェルカムな気持ちが伝わるように振る舞うことが大切です。

面談中に「次のステップ」について話し合おう

カジュアル面談の最後には、必ず「次のステップ」について候補者とすり合わせましょう。なぜなら、その場で具体的なアポイントメントを取ることで候補者の温度感が下がるのを防ぎ、歩留まりを大きく改善できるからです。

ここで言う「次のステップ」にはいくつかあり、次回の面談や本選考への案内、現場メンバーとのカジュアル交流、オフィス見学などが挙げられます。どれを選ぶべきかは候補者の現時点での転職意欲によって変わってきます。

ここでは、候補者の状況に応じたおすすめの次のステップをご紹介します。

① 転職活動中

  • 次のステップ:本選考へのフローをスムーズに案内し、その場で日程を調整する

すでに積極的に転職活動に取り組んでいる状態なら、本選考への移行を促すのに最適なタイミングです。転職意欲の高まりを逃さず、スピード感を持って進めることが大切です。

② 転職活動中だが、まだ情報収集段階

  • 次のステップ:現場メンバーや役員とのカジュアル面談を設定し、会社理解を深めてもらう

転職意欲は十分であるものの、候補となる企業を絞り込み切れていない状態のときは、より自社の魅力が伝わるような接点を用意するのがおすすめです。相互理解を促進しながら、自社の本気度が伝えられるようなコミュニケーションを心がけましょう。

③ すぐに転職は考えていない

  • 次のステップ:オフィス見学やランチ会など、カジュアルな交流機会を設定し、関係性を維持する

転職意欲が十分に高まっていない状態の場合は、すぐ選考に進むのではなく中長期的な関係維持を目指して次のステップを設定しましょう。状況が変わり、転職意欲が高まった際に「最初に思い出してもらえる関係性」を築くことが目的です。

どのケースでも共通して大切なのは、「次の日程」を面談中に決めることです。面談後にメールで調整するだけでは候補者の熱量が下がり、予定が流れてしまうリスクがあります。その場で次の予定を押さえることが、歩留まり改善の最大のポイントです。

長期的な関係性構築の詳細については、以下の記事も参考になります。

LAPRASが推奨するカジュアル面談の流れ

LAPRASでは、以下の流れに沿ってカジュアル面談を進めることを推奨しています。

全体像をイメージして臨むことで、各ステップごとの準備や、本番でのタイムキープがやりやすくなります。

また、特に「重要」と記載した工程は選考移行率を高めていくうえで鍵を握るポイントです。今回ご紹介した改善方法を元に、候補者にとって満足度の高いものになるよう努めましょう。

カジュアル面談を成功させるためのポイント

カジュアル面談は、企業と候補者が互いを理解し合い、採用のミスマッチを防ぐ重要な機会です。成功させるためには、以下のポイントを大切にしましょう。

  • 候補者のニーズを事前に把握し、カジュアル面談で深掘りする
  • ニーズに合わせてあらかじめ資料を準備する
  • 企業側も熱意が伝わる情報提供に努める
  • 候補者からポジティブなリアクションを引き出す
  • 候補者にポジティブなフィードバックを積極的に伝える
  • 次のステップを明確化し、次のアクションは面談の場で約束する

これらを意識することで、候補者の「この会社、ちょっといいかも」「興味が湧いたから、ぜひ本選考も受けてみたい」といった前向きな気持ちを後押しできます。

ひとつでも多く良いマッチングの機会を創出するためにも、ぜひ改善に取り組んでみてください!

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