【求人票の添削例あり】エンジニア採用のプロが教える!求人票の効果を高めるポイント(入門・初級編)

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求人票は、採用活動において転職希望者が最初に見るものです。自社に興味を持ってもらえるかどうかは、そこに書かれた内容次第で決まります。特にハイスキルエンジニアの獲得を目指す場合は、ただでさえ少ない候補者が多くの企業で取り合いになってしまうため、候補者の興味を惹きつける求人票を作る重要性は高いといえるでしょう。

そこで今回は架空の求人票をサンプルとして、LAPRASでカスタマーサクセスとソフトウェアエンジニアの2名に、求人票改善のポイントを語ってもらいました。

今回は入門編として初めてハイスキルエンジニア向けの求人票を書く際、最低限どんなことに気をつけたら良いのかを主に解説しています!

<インタビュイー紹介>
・Chiri Yuki(千里):Customer Sucess Manager 2021年9月にLAPRASへジョイン。入社後は一貫してCustomer Success Managerを担当。顧客のLAPRAS活用と継続利用の支援を行う。2023年からはカスタマーサクセス領域のマネージャーとなり、サークルの戦略策定やメンバーマネジメントといったマネジメント業務と、顧客へのCS業務・CSOps等のプレイング業務を兼務中。

・板谷美玲(ことね):ソフトウェアエンジニア 2022年4月にLAPRASへジョイン。プロダクト周辺の技術的な課題解決による貢献を行い、約1年後に課題解決の専門チームを立ち上げてリード。2024年4月からはCS領域での課題解決にフォーカスし、エンジニアリングやアジャイル開発のスキルを駆使してメンバーの支援や業務改善などにコミットしている。

今回対象となる求人票
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◯◯株式会社
●求人のタイトル
【エンジニア】フルリモート+フルフレックス│◯◯業界のデジタル化推進!BtoB向けSaaS開発

●雇用形態
正社員

●年収
400万円〜700万円

●JOB(仕事内容)
・概要
当社では、自社の既存ウェブサービスやアプリケーションの機能改善、新機能の開発に加え、新たなサービスの立ち上げにも参加いただける方を募集しています。

配属されるチームや個人のスキル、希望に応じて、フロントエンドまたはバックエンドの開発を中心に担当していただきます。

■具体的な業務内容
【バックエンド業務】
・ビジネスサイドとの要件確認および技術的要件定義
・APIの設計と開発、AWSなどのクラウドサービスの活用
・データベースの設計・構築(例:RDBやNoSQLのデータベース)
・テストコードの実装と運用
・障害対応およびトラブルシューティング
・システムアーキテクチャの改善と最適化
・ログの収集およびデータ解析
・データウェアハウスやBIツールの構築

【フロントエンド業務】
・ビジネス要件に基づくUI/UX設計と画面構成の設計
・フロントエンド開発(JavaScriptフレームワークを使用)
・トラブルシューティングや障害対応
・開発に関わるドキュメントの整備
・ユーザー行動データを基にしたUI/UXの最適化提案

■求めるスキル・経験
【必須スキル・経験】
・Web開発におけるバックエンドまたはフロントエンドの実務経験(1年以上)
・JavaScriptまたはTypeScriptの使用経験(1年以上)

【歓迎されるスキル・経験】
・クラウドネイティブアーキテクチャの導入経験
・Pythonを用いた実務経験
・イベント駆動設計(EDA)の実務経験
・Google Cloud Platform (GCP) を活用した開発経験
・Vue.jsやAngularなどのフロントエンドフレームワークを使用した開発経験
・UI/UXデザインの知識やスキル

【求める人物像】
・新しい課題や変化をポジティブに捉え、対応できる方
・会社のビジョンや理念に賛同できる方
・チーム全体の成功を重視し、積極的に協力できる方
・自身で解決策を探し、必要に応じて他者と連携できる方

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今回はこれらの項目のうち、
・求人タイトル・雇用形態・年収
・求人概要
・求めるスキル・経験
について、どのように改善すれば良いのかポイントを解説します。


<サービスリニューアルのお知らせ>

法人向け採用サービス「LAPRAS」(旧:LAPRAS SCOUT)が新しくなりました!

◆採用課題に合わせた4つのプランをご用意
運用代行、自社運用、成功報酬特化型などバリエーション豊富!

・ミドル~シニアエンジニア採用に強い高品質DB
・コスト削減、工数削減など多様な採用ニーズに対応!
・プランごとの違いがひと目でわかる比較表アリ

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※記事中に「LAPRAS SCOUT」の文言がある場合は「LAPRAS」と読み替えてください。

「求人タイトル・雇用形態・年収」の改善ポイント

●求人のタイトル
【エンジニア】フルリモート+フルフレックス│◯◯業界のデジタル化推進!BtoB向けSaaS開発

求人のタイトルには「自社ならでは」が伝わるキーワードを

(千里)まずタイトルについて。サンプルでは【エンジニア】という単語から始まっていますが、それだと該当する人があまりにも多くなってしまい、訴求したいターゲットがぼやけてしまいます。フロントエンド、バックエンドといった技術領域、技術名など、もっと具体的なキーワードが入っていたほうが良いでしょう。

後はフルリモートやフルフレックスなどのキーワードを押し出しているのは良いと思います。ただし、これらは比較的引きのあるキーワードですが、競合となる求人も多いです。タイトルにはもっと自社の強みや特色が伝わるようなキーワードを盛り込むほうが、興味を持ってもらえる可能性が高まります。たとえば、その業界ならではの特長、他所ではできない仕事の魅力などを盛り込めるとさらに良くなります。

提示年収かタイトルで引きを作らないと中身を見てもらえない

●雇用形態
正社員

●年収
400万円〜700万円

(千里)400~700万円は、エンジニア求人の提示年収としてはやや低めに見えるかもしれません。タイトルの文言で十分に差別化ができておらず、年収でも魅力を感じてもらえないと、どんな仕事内容なのか中身をみてもらう前に離脱されるリスクが高まるので要注意です。

「求人概要」の改善ポイント

●JOB(仕事内容)
・概要
当社では、自社の既存ウェブサービスやアプリケーションの機能改善、新機能の開発に加え、新たなサービスの立ち上げにも参加いただける方を募集しています。

配属されるチームや個人のスキル、希望に応じて、フロントエンドまたはバックエンドの開発を中心に担当していただきます。

サービス・募集背景・仕事内容は漏れなく記載する

(千里)こちらの求人はJOB(仕事内容)から始まっていますが、LAPRASではほかにもSERVICE(関わるサービス)、REASON(募集背景)といった求人の項目があります。

求人情報の作成時にこれらの項目が未入力だったので、表示されていないのでしょう。

転職先で「どんなサービスに関わるか」「どんなチームで、どんな方と一緒に働くか」「なぜその職種で募集をしているのか」といった情報は、候補者にとって特に気になる情報です。入力できる項目はすべて埋めておき、他の求人と比較検討する際に手がかりとなる具体情報をできるだけ与えられるほうが良いです。

■具体的な業務内容
【バックエンド業務】
・ビジネスサイドとの要件確認および技術的要件定義
・APIの設計と開発、AWSなどのクラウドサービスの活用
・データベースの設計・構築(例:RDBやNoSQLのデータベース)
・テストコードの実装と運用
・障害対応およびトラブルシューティング
・システムアーキテクチャの改善と最適化
・ログの収集およびデータ解析
・データウェアハウスやBIツールの構築

【フロントエンド業務】
・ビジネス要件に基づくUI/UX設計と画面構成の設計
・フロントエンド開発(JavaScriptフレームワークを使用)
・トラブルシューティングや障害対応
・開発に関わるドキュメントの整備
・ユーザー行動データを基にしたUI/UXの最適化提案

業務内容には自社独自の「引き」をいれる

(千里)より訴求力を高めたいなら、具体的な業務内容に「自社だけに当てはまる独自の内容」を盛り込めているほうが、候補者の目からは魅力的な求人に見えます。また、これらの業務が「なぜ必要なのか」を示す背景がわかる情報を記載するのも有効です。

これらの詳細な方法については、今後「中級編」の記事にて詳しく解説していく予定です!

求めるスキル・経験の改善ポイント

■求めるスキル・経験
【必須スキル・経験】
・Web開発におけるバックエンドまたはフロントエンドの実務経験(1年以上)
・JavaScriptまたはTypeScriptの使用経験(1年以上)

【歓迎されるスキル・経験】
・クラウドネイティブアーキテクチャの導入経験
・Pythonを用いた実務経験
・イベント駆動設計(EDA)の実務経験
・Google Cloud Platform (GCP) を活用した開発経験
・Vue.jsやAngularなどのフロントエンドフレームワークを使用した開発経験
・UI/UXデザインの知識やスキル

スキルは「求める役割」とセットで

(千里)必須スキルは条件としては厳しくないので、該当する候補者は多そうな気がします。ただ、開発環境がわからないので、候補者から見ると「自分に適しているかどうか」が判断しづらいですね。単純な技術レベルだけでいえば、ジュニアレベルのエンジニアでも満たせそうですが、どんな役割を期待されているのかがわからないため「自分にできるか、できないか」がひと目で判別できないでしょう。

逆に「難しい役割はない、技術レベルだけ満たしていれば良い」という条件なのであれば、主にジュニアレベルのエンジニアへアプローチしていく、という戦略も取れるでしょう。

(ことね)その通りで、エンジニア視点だと「どんな仕事を任せたいのか」がイメージできない内容です。もし、ジュニアレベルのエンジニアでも対応できるような仕事なのであれば「現在ジュニアレベルのエンジニアがスキルを積むのに最適!」というふうに、敢えてターゲットを絞って、そこに刺さるような見せ方をする、という方法もあります。そうでないと、自分が求人の要件に当てはまるかが内容から判断できないので、応募の手が止まってしまうと思います。

(千里)求人では説明は最小限にして「詳しくは面談で」という企業もありますが、面談でよく聞かれること・よく話していることは求人に入れていくことをおすすめします。

事前の情報開示をなるべく具体にしておくほうが、候補者側でのセルフマッチングも可能になるのでアンマッチが起きづらく、候補者の興味関心を惹きやすく、メリットが多いです。

「求める人物像」の改善ポイント

【求める人物像】
・新しい課題や変化をポジティブに捉え、対応できる方
・会社のビジョンや理念に賛同できる方
・チーム全体の成功を重視し、積極的に協力できる方
・自身で解決策を探し、必要に応じて他者と連携できる方

候補者目線での言葉選び

(千里)「◯◯ができる方」といった書き方になっていますが、これは「企業が条件に合う候補者を選ぶ」という目線での言葉選びだと言えます。それよりも「候補者から選んでもらう」という目線に立った言葉選びをするほうが良いと思います。

具体的な言葉選びについては、今後「中級編」の記事にて詳しく解説していく予定です!

(入門編)これだけはやりたい!全体の改善ポイント

(千里)最後に、全体を通して特に重要なポイントを2点ご紹介します。

①求人のターゲットを明確にする

今回のサンプルであれば、フロントエンドとバックエンド、どちらの職種をターゲットにするのか明確にするほうが、より訴求するポイントがわかりやすくなります。ひとつにまとめるより、それぞれの職種に特化した求人を2種類作るほうがいいでしょう。

ほかにもジュニア・ミドル・シニアのうち、どのスキルレベルにアプローチしていくのかによっても適切なアピールポイントは変わってきます。たとえばジュニアレベルであれば「スキルアップの機会が得られる」、ミドルレベルであれば「働きやすい環境」「やりたいことができる」といったアピールが有効です。

②情報開示をして自社の魅力を伝える

今回のサンプルはサービスや募集背景の情報開示が不十分であると感じました。元々企業としての認知度が高かったり、消費者向けのサービスを提供していて広く知られている企業であればシンプルな情報量であっても反応を得られる場合もあります。しかし、エンジニア採用市場の難しさもあり、有名企業であっても「情報開示をオープンに」「初見でもイメージが湧きやすいようにより具体情報に」と、積極的に情報を公開していく企業さんは多いです。募集背景の情報開示が不完全だと、そのような具体情報がある求人と自社の求人を並べたときに、求人票で十分な情報開示ができていない、メリット提示ができていないとそもそも候補者に興味を持ってもらうのが難しいです。

(ことね)エンジニアが求人票を見たとき、情報開示が不十分だとその時点で「よくわからないから応募しない」という判断につながってしまう場合もあります。もちろん、検索して調べるようと考える場合もありますが、なにか求人内容で魅力を感じるポイントがあるときに限られます。「この求人は自分にマッチしそうだ」「新しい何かが得られそうだ」といった動機づけが必要です。そのためにも、自社の魅力に気づいてもらえるような情報開示が大切です。

今回使用したサンプルの改善案

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◯◯株式会社

●求人のタイトル
フルリモート・フルフレックス【バックエンドエンジニア】◯◯業界の構造的課題を解決しDXを推進するプロダクト開発

●雇用形態
正社員

●年収
400万円〜700万円

●SERVICE(関わるサービス)
私たちは◯◯業界のDXを支援するSaaS【具体的なサービス名】の開発を行っております。
現在、◯◯業界には構造的な課題があります。

それは【具体的な課題を記載】です。
弊社はこれまで【サービス名】を通じて、この課題解決に取り組んできました。

【サービスの特徴を紹介】
これまで【ユーザー数や導入企業数】を超える企業にご利用いただき、業務のDXに貢献してきました。

●関わるチーム
▼体制
・PdM:3名
・エンジニア:10名
・デザイナー:3名

▼開発の流れ
当社では、アジャイル開発手法を採用し、2週間単位のスプリントで開発を進めています。各部署からの要望をプロダクトマネージャーが整理し、戦略に基づいて優先順位を決定します。エンジニアからの提案や内部改善も重視しています。

Notionを活用して情報管理とドキュメント文化の醸成に取り組んでおり、個人開発を基本としつつ、ペアやモブプログラミングも適宜実施しています。

GitHubでのコードレビューを経て、自動化されたリリースプロセスを採用しています。効果測定にはBigQuery、Redash、Lookerを使用し、継続的な改善を行っています。

日々の朝会や定期的な振り返りを通じて、情報共有とチームビルディングにも注力しています。このように、効率的かつ柔軟な開発環境を整えています。

●REASON(募集背景)
当社の主力プロダクトは、長年の開発により複雑化し、2つの主要な技術的課題に直面しています。

1つ目は「コードの保守性」です。アプリケーションの規模拡大に伴い、全体把握や大規模な機能追加・変更が困難になっています。この課題に対応するため、専門チームを立ち上げ、ソフトウェア品質の向上に注力しています。

2つ目は「システムパフォーマンス」です。多様な規模の組織で使用される本プロダクトは、高度なカスタマイズ機能が必要で、特にデータベース処理がボトルネックとなっています。

事業拡大が見込まれる中、これらの課題解決が急務となっています。そのため、コード品質に強いこだわりを持ち、クラウドインフラストラクチャに精通し、高性能なバックエンド開発をリードできる人材を求めています。

●開発環境
言語:Python, JavaScript, TypeScript
フレームワーク:Vue.js, Angular, FastAPI
データベース:PostgreSQL (RDB), MongoDB (NoSQL)
クラウドサービス:AWS, Google Cloud Platform (GCP)
ソースコード管理:Git, GitHub
プロジェクト管理:JIRA
情報共有ツール:Slack, Confluence,Notion
テスト:Jest (フロントエンド), pytest (バックエンド)
CI/CD:Jenkins, GitHub Actions
モニタリング・ログ分析:ELK Stack (Elasticsearch, Logstash, Kibana)
データウェアハウス:Amazon Redshift
BIツール:Tableau, Power BI
その他:Docker, Kubernetes, Terraform (インフラストラクチャ as コード)

●JOB(仕事内容)
・概要
既存サービスの機能改善および新機能の設計・開発
フロントエンドからバックエンドまでの一貫した開発
パフォーマンス改善やスケーラビリティ向上のための施策立案・実装
新規サービスの企画・設計・開発

■具体的な業務内容
・ビジネスサイドとの要件確認および技術的要件定義
・APIの設計と開発、AWSなどのクラウドサービスの活用
・データベースの設計・構築(例:RDBやNoSQLのデータベース)
・テストコードの実装と運用
・障害対応およびトラブルシューティング
・システムアーキテクチャの改善と最適化
・ログの収集およびデータ解析
・データウェアハウスやBIツールの構築

■求めるスキル・経験
【必須スキル・経験】
・Web開発におけるバックエンドまたはフロントエンドの実務経験(1年以上)
・JavaScriptまたはTypeScriptの使用経験(1年以上)

【歓迎されるスキル・経験】
・クラウドネイティブアーキテクチャの導入経験
・Pythonを用いた実務経験
・イベント駆動設計(EDA)の実務経験
・Google Cloud Platform (GCP) を活用した開発経験
・Vue.jsやAngularなどのフロントエンドフレームワークを使用した開発経験
・UI/UXデザインの知識やスキル

【求める役割】
・本ポジションは、バックエンドエンジニアとして更なる成長を目指すジュニアレベルのエンジニアの方に最適な環境です。
・経験豊富なシニアエンジニアのサポートのもと、実践的なスキルを身につけることができます。主にPython、JavaScript、TypeScriptなどの言語を使用し、APIの設計・開発やデータベース設計などのバックエンド開発スキルを磨くことができます。
・バックエンドスキルを中心に据えながらも、フロントエンド開発やクラウドインフラ(AWS, GCP)など、幅広い技術領域にも触れる機会があります。これにより、将来的にフルスタックエンジニアやITコンサルタントなどへのキャリアパスも視野に入れることができます。

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まとめ

今回は入門編と題して、求人票を作るにあたって最も基本的な改善ポイントをご紹介しました。特に最後にご紹介した「求人のターゲットを明確にする」「情報開示をして自社の魅力を伝える」の2点ができていないと、せっかく作ったのに候補者からスルーされる求人票になってしまう恐れもあるので注意しましょう。

次回は中級編、上級編・・・と徐々に本格的な改善方法をご紹介していくので、以後もぜひご覧ください!


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