LAPRAS SCOUTは2023年12月にスカウト送信基準を緩和しました。その背景には、ハイスキルエンジニアのスカウト体験の調査結果から見えてきた、LAPRASユーザーの変化があります。そこで今回は今ハイスキルエンジニアが求めているものはなにか、そしてLAPRAS SCOUTでのスカウト送信基準緩和の背景についてまとめました。
目次
スカウト送信基準の緩和の背景について
従来のスカウト送信基準設定の目的
LAPRAS SCOUTでは従来、エンジニアの方がLAPRASでスカウトを受け取った際に、「プロフィールやその人の情報をちゃんと見てオファーを送っている」ことが文面から分かるようなクオリティを担保するため、スカウト送信基準を設けていました。
送信基準があることの良い点としては、エンジニアの方が受け取るスカウトがマッチングに繋がりやすいということです。送信基準に基づいたスカウトチェックを通るためには、しっかりとエンジニアの方のプロフィール等を読み込んでスカウトを作成する必要があるため、その分求人とエンジニアの方のマッチ率が高くなります。
また、しっかりとパーソナライズされたマッチングは、受け取るだけで嬉しい気持ちになりますし、その企業への興味を持つきっかけに繋がります。実際にLAPRASの運営チームにも、スカウトの体験が良いというフィードバックをいただくことが多く、それはLAPRASとしても非常に嬉しいものでした。
一方で悪い点としては、マッチングの機会が限られてしまうということです。丁寧なスカウトが必要になると、採用企業の担当者の方は一通のスカウトを作成するのに時間がかかるため、どうしても運用の負担が大きくなってしまいます。また、採用企業が送信できるスカウトに限りがあると、当然エンジニアの方に届くスカウトにも限りがあります。せっかくLAPRASに登録したのに、届くスカウト数が思っていたより少ないというフィードバックも届いており、そこは心苦しい点でした。
現在のLAPRAS内での転職体験について
これまではポートフォリオやスコア機能の拡充に努めていました。一方で転職ができるサービスとしての認知は少し弱い部分もありました。そこで、ここ1年は転職に必要な機能についても拡充を進めてきました。実際に便利になったというお声もいただいています。
スカウト送信業務の大変さや、ユーザーの転職体験をもっと向上させたいといった背景もあり、今一度ハイスキルエンジニアのスカウト体験を調査しました。
ハイスキルエンジニアのスカウト体験の調査結果を元に分かったこと
ここからは、ハイスキルエンジニアのスカウト体験に関する調査結果についてまとめております。
スカウト「内容」で、エンジニアの方に良い印象を与えないもの
まずは、「なぜ自分に送られてきたかわからない」スカウトが挙げられます。例えば、ほとんど企業に関する情報のみの、テンプレメールのようなものです。最近はスカウトを受け取ることも多く、 ハイスキルなエンジニアの多くはそのような一方的なスカウトには慣れているものの、そのような自分宛だとは思えないスカウトは決して「嬉しい」ものにはなりません。
アンケート結果でも、例えば求人やポジションが添付されていないスカウトであったり、「やりたいこと」の記載内容と全く関係がないスカウトは、あまり良い印象を与えていないことが分かります。
他にも、パーソナライズを頑張るあまり「これまでとは異なる領域において、開発者としての経験を深めてほしい」「あなたの経験が弊社のプロダクトに役立てると思います」「あなたの技術を高く評価しています」といった”上から目線”のような表現になっているスカウトも、同様にあまり良い印象を与えないことがわかりました。
スカウト後の「企業の対応」で、エンジニアの方に良い印象を与えないもの
当然ではありますが「約束が守られない」ことは良い印象を与えませんでした。例えば、スカウトに返信したのに、採用企業からその後の連絡がなかったり、説明なくスカウトメールを送ってきた人と全然違う人が面談に来たりというようなケースが挙げられます。また、カジュアル面談だと誘われてMTGを実施したのに、いきなり志望理由を聞かれて採用選考が始まる等、元々話していた前提と異なる場合等も、「それであれば最初からスカウトをしないでほしい」と思われてしまいます。
スカウトにおいてあまりこだわりすぎなくても良い点
一連の調査結果から、候補者の転職のステータスによってメッセージを細かく調整する等は、あまりこだわりすぎなくても良いと言えそうです。一方で、細部までスカウトをしっかり読んでいるエンジニアの方もいらっしゃり、アンケートでも「(スカウトが届くこと自体は問題ないが)それなりの対応に留める」といったコメントもあったので、そこは各企業でどこまでこだわってやっていくかの調整が必要な部分です。
また、LAPRASでは、ポートフォリオやスコアを楽しみたいユーザーの方向けに、転職意欲に「なし」という選択肢を用意しています。「なし」の方の事情もそれぞれで、次の転職先の候補や情報収集のために、カジュアル面談のお誘いがあれば喜んで行くという方もいらっしゃいますし、アウトプットによりポートフォリオを充実したりスコアが上がるのを楽しんでいらっしゃる方もいます。そのため、転職意欲が「なし」のユーザーさんへのアプローチは、通常よりも注意を払う必要があります。
調査を経た結果、スカウト作成で大事なポイント
まずはスカウトを送信する前に、求人をしっかりとブラッシュアップしておくことです。その方が働く環境やポジションのイメージが湧くように求人を作っておくおくことで、「この求人だからこそ、あなたに送っています」といったスカウトの内容に繋げることができます。受け取ったエンジニアの方にとっての「選択肢」に入るためには、スカウト内容ももちろん重要ですが、添付する求人とその方のプロフィールのマッチ度が重要になってくるためです。
「入ってみないとわからない」という求人はスカウトを受ける際にも迷いが生まれますし、逆に「働きやすそう」「プロダクトが面白そう」「この企業独自の魅力がある」といった具体的な魅力が求人から伝われば、話を聞いてみるという行動に繋がりやすくなると思います。
また、(今回のアンケートとは別に)以前実施したアンケートの中興味深かったのは、「エンジニアが働きやすいと言われている会社で働きたい」という回答が多かったことです。その前提を踏まえると、具体的にアピールできるポイントをしっかりと求人やスカウトに記載することは重要だと思います。
その上で、さらに返信に繋げるには、例えば、すぐに応募に進んでほしい場合は、転職意欲が高い方に声をかける、求人の内容とスキルややりたいことがあっている方に声をかける等、「マッチする」エンジニアを探して、スカウトを送信することも大事になってきます。
スカウト送信基準を緩和して重視する体験
これらのことを踏まえ、スカウトは「自分の職種・スキルとマッチしている」ことが重要で、パーソナライズされたスカウトはもらえると嬉しいものであるのは間違いないが、過度にスカウト送信基準を高く設定する必要はないと判断しました。
そちらよりも上述の通り、「求人票やアピールポイントのブラッシュアップ」や、「自社にマッチするエンジニアを探す」ということの方を意識してもらいたい、という意図からスカウトの送信基準の緩和に至りました。そして文面のパーソナライズはあくまでもプラスアルファの付加価値として扱っていきます。
おわりに
今回は、ハイスキルエンジニアがスカウトに求めているものはなにか、そしてLAPRAS SCOUTでのスカウト送信基準緩和の背景についてまとめてみました。
調査結果の詳細が気になる方は、ぜひこちらの記事もご覧下さい。
エンジニア100名に聞いたスカウトメール送信後のやりがちNG対応5選
また、「よりカジュアルにスカウトが打てるなら、少し興味が出てきた」という採用担当者の方は、ぜひこの機会に新しいLAPRAS SCOUTをお試しください!