プロダクト志向のエンジニアとのマッチングに成功したグラファー社の採用戦略とは

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行政サービスのデジタル変革や生成AIの業務での安全な活用など、社会が直面する課題と向き合う株式会社グラファー。今回は同社のエンジニア採用を牽引する人事の畑中さんとVPoP兼VPoEの黑﨑さんから、エンジニア採用のノウハウに関してお話を伺いました。

《プロフィール》
人事
畑中 五月さん(写真右):
大手ERPパッケージのSierとして、人事領域の導入コンサル・開発・保守運用に従事。その後、スタートアップの1人目人事として、同社を40名規模から200名規模までの成長を見届ける。2021年9月、株式会社グラファーにジョイン。人事担当として、採用を中心に組織開発、人材開発に従事している。

VPoP兼VPoE
黑﨑 脩さん(写真左):
大学院修了後、金融系SIerでエンジニアとしてのキャリアをスタート。FX取引システムの要件定義・設計・開発・テスト・運用などを担当する。その後、大学時代の友人と起業。フルスタックエンジニアとしてエンジニアリングスキルを磨く。2021年2月、プロダクトマネジメントとエンジニアリングを大切にする姿勢に惹かれ、株式会社グラファーにプロダクトマネージャーとしてジョイン。複数のプロジェクトを担当後、2021年11月より、プロダクト部のディビジョンピープルマネージャーとして、メンバーとの1on1、目標設定、リソースアロケーション、採用活動など組織マネジメントを牽引している。2023年3月より現任。

株式会社グラファー
「プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える」をミッションとし、行政手続きを効率化するための各種ウェブサービス及びソリューションを事業者、官公庁等に提供している2017年創業の企業である。GovTechを牽引する企業として、成長を続け、多くのメディアからも高い注目を集めている。2023年4月、企業活動を支える生成AI活用支援のサービス提供をスタートした。


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グラファー社が求めるエンジニアとは?

― グラファー社が求める人材について教えてください。

畑中:当社のプロダクト部は、「ユーザーにとって本質的に価値のあるプロダクトを、最速で市場に提供する」ことを組織のミッションとし、「アウトプットではなくアウトカム」を常に考える組織であることを重要視しています。このミッションに共感し、自らの手で事業を作っていくことに興味・関心を持っている方とどう出会うかが、人材探しの中で大きなポイントとなっています。採用目標については、決め打ちで追うことはほとんどなく、向こう半年から1年の状況を予測しつつ、柔軟に変更を加えていくスタンスを取っています。

― グラファー社のエンジニア採用体制について教えてください。

畑中: 黑﨑が最終意思決定者、私はディレクターに近い役割分担をしています。例えば、今後採用が必要となる人材の要件定義の場面では、論点の整理や意思決定に必要な情報収集を私が行い、黑﨑と壁打ちをしながらグラファーとしての採用方針を固めていくようなイメージです。実際のスカウト業務に関しても、候補者ピックアップやメッセージの送付は私が行い、候補者からレスポンスがあればその後のアクションについて黑﨑に確認する流れが基本です。

以前は、スカウトを送るか否かの判断から黑﨑に依頼していましたが、その工数負担が採用活動のみならず事業活動のボトルネックともなり兼ねない状況となりました。そこで、まず私が候補者をピックアップし、ピックアップした理由をテキストで残す➜黑﨑が私のコメントを見つつ候補者情報を確認し、送るか否かの判断、および私の認識が誤っている場合はチューニングする、というプロセスを繰り返し、判断基準のすり合わせを行いました。また、黑﨑が気を利かせてこっそりピックアップしてくれた候補者が私では絶対に選ばないご経歴の方であることもあり(笑)、そういったときはMTGで目線のすり合わせをすることで、一段深い経営与件の整理・確認につながることもありました。試行錯誤を経て、現在のバランスが最適だと感じています。
私たちを取り巻く環境は変化のスピードが早く、3ヶ月前の当たり前が3ヶ月経たずして当たり前ではなくなるようなことは日常茶飯事です。このような状況の中で、お互いの得意な領域/業務分担を前提としつつも、お互いの情報や考えを常に共有し、アップデートし続けることで、事業にとって最適な意思決定をする努力をし続けることを心がけています。

― 人事チームとエンジニアチームの関係性について教えてください

畑中:最初からスムーズな関係・・・とは言えなかったと思います(笑)。黑﨑の対応がドライに感じられて、少し怖い印象もありました。ですが、黒﨑がマネージャーになり物理的なコミュニケーションが増えるにつれて、自然と関係性が築かれていったように思います。

黒﨑:畑中は容易に壁を乗り越えてくるタイプなので、業務の中でのコミュニケーションが増えるにつれて、早い段階で何でも言えるような関係性に発展したと感じています。今では自分の中で考えきれていないことでも気軽に相談をすることができます。


注視しているのはエンジニアリングスキルではなく、プロダクトに対する志向性

― 求めるエンジニアの獲得に向けた、採用媒体の戦略について教えてください。

畑中:グラファーでは、技術力だけを見るのではなく、ビジネスに興味関心があり、自身の手で生み出したものを通じて顧客の課題を解決することを重視する、いわゆる「プロダクト志向」の強い方と一緒に働きたいと考えています。この考え方が基になっているからこそ、非エンジニアの私でもエンジニア採用に対してアプローチができると感じています。例えば、LAPRAS SCOUTを利用する場合、必要なエンジニアリングスキルを最低限フィルタリングしてくれますし、候補者情報の「やりたいこと」からその方が今後のキャリアに求めるもの、重視することなどを読み取ることができます。具体的には、「ユーザーを見ている」「プロダクトを見ている」「事業を見ている」といった視点に注意を払っています。

黑﨑:選考に進むエンジニアのスキルには幅があります。現時点での技術的なスキルよりも、最低限のWebアプリケーション開発スキルを持っており、プロダクト志向に期待できる方であれば、ポテンシャルに期待して選考に進むこともあります。一方で、技術に特化した志向をお持ちで高いエンジニアリングスキルを活かしたいという方とのマッチングが難しい場合もありますね。

― 採用活動の中で、注意している点・心掛けている点はありますか?

畑中:実際にカジュアル面談でエンジニアの方とお話をしてみて感じるのは、事業に対して興味を持ってくださっている方が多いということです。私が深い技術の話をすることはできませんが、これまでの事業の成り立ちや背景、今後目指す姿などをお伝えすることで、グラファーという存在の現在と未来に興味を持っていただけるように心がけています。とはいえ、当社のイネイブリングチームに属するようなポジション(SRE、Securityなど)の方の場合は、黒﨑や現場エンジニアにアプローチしてもらうこともあります。。

また、「ファーストタッチはエンジニアからじゃないと反応が悪くなるんじゃないか?」という懸念もありましたが、現時点では大きな影響はないと考えています。

エンジニアチームとの円滑な関係性の軸は、共通認識

― これからのエンジニア採用活動について聞かせてください。

黒﨑:グラファーではこれまでもこれからもプロダクト部と人事チームがタッグを組んで採用活動に取り組んでいきます。その中で大切にすべきことの1つは、人事チームと良い意味で雑に何でも言える関係性を持つことです。決定事項を単なる意思伝達として伝える上意下達の関係性ではなく、常に共通認識を築けるパートナーとしての関係性でありたいです。お互い得意な領域や業務分担がある中で、臨機応変に互いの領域を行き来し、目標に対して協業できるのが理想だと思います。完全な分業ではなく、グラデーションを持って採用に向き合えるチームでありたいですね。

最後に

― エンジニア採用で重要だと感じることについて教えてください。

畑中:

エンジニア採用に限らず、採用をとりまく状況は日々目まぐるしく変化します。その中で、なぜ採用という選択肢を取るのか、その背景や前提、目的、目指すべきゴールなどを言語化し、日常的に共有することで、採用に関わるメンバー間で共通認識を醸成することを心がけています。HR(人事)という仕事は、自分一人で完結できるものではありません。黑﨑をはじめとした多くのメンバーと一緒に、これからも候補者の方にグラファーのことを知ってもらい、いいなと思ってもらえるよう頑張っていきたいですね。

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インタビュー後記

今回はグラファー社の畑中さん・黑﨑さんにインタビューをさせていただきました。プロダクト志向のエンジニア人材とのマッチングを目指す同社の採用戦略について勉強させていただきました。

LAPRAS SCOUT では今後も畑中さん・黑﨑さんのような、「頑張るエンジニア採用担当」の方を支援すべく、様々なエンジニア採用のノウハウを発信していく予定です。今後もインタビュー記事については、X(旧Twitter)公式アカウントで発信していきますので、ぜひフォローいただけると幸いです。


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