アップストリームの人事担当が考える「たった1人」へ向けたメッセージの重要性とは

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非エンジニアである人事担当が効果的なエンジニア採用を実現するのに有効なアプローチとは?LAPRAS SCOUT導入から2ヶ月で魅力的なエンジニアの採用に成功したアップストリームの採用戦略について、同社の人事担当の北爪さんからお話を伺いました。

《プロフィール》
人事
北爪 真央さん:
新卒で群馬のベンチャー企業に入社し、人事・採用業務に携わるようになり、非エンジニア職種の採用をメインに採用関連の業務に携わる。知人からの紹介で、アップストリームの1人目人事としてジョイン。これまでの採用の経験を活かし、同社のエンジニア採用を牽引している。

株式会社アップストリーム
2018年に”テレビのコンテンツをインターネットに開放する”というミッションをもとに創業した株式会社アップストリーム。配信の「upstream」=「上流」を担うという社名に込められた思いの通り、テレビ業界において数多くの動画配信サービスの実現を手掛けている。2023年現在では”「社会が変わるインパクトのあるプロダクト」を実現する”というミッションを掲げ、ユーザーが「あったらうれしい」と思うプロダクトを開発し、社会を変えるインパクトを与えることを目指している。

非エンジニアの人事担当がエンジニア採用を成功させるには

― LAPRAS SCOUTを導入した背景は?

急速な事業拡大とともに、特にエンジニア職の採用において質と効率の両方を大幅に向上させる必要がありました。私が人事として採用業務に関わり始めた当初、開発業務は業務委託のメンバーを含め40名程で行っていましたが、会社としてはプロジェクトの拡大や新しい事業の企画・開発などの移行期に入っていました。そのため、より深くまで本質を理解し、経営と一体になってプロジェクトの企画や技術の向上を牽引してくれる自社の正社員としてエンジニアを増やすことが必要不可欠でした。そういった思いから、アップストリームでは2023年の2月頃からエンジニア採用に注力するようになりました。その頃はLAPRAS SCOUTとは別の採用ツールを使用していました。

― そのタイミングで導入した理由を教えてもらえますか?

私自身が非エンジニアであり、人事担当者としての責任を1人で担っていたため、初めはLAPRAS SCOUTの導入に躊躇していました。当時はLAPRAS SCOUTを効果的に運用するには、エンジニアの採用に関する深い知見が必要だと感じており、ハードルを感じていました。しかし、徐々にエンジニア採用業務に慣れていき「今の段階ならうまく活用できる」と思い、LAPRAS SCOUTの導入を決意。それが2023年の10月頃でした。

―今回採用したエンジニアはどういったポジション・役割の方なのでしょうか?

フロントからバックエンドまで、幅広いポジションでのエンジニアに対して募集をかけている中で、今回採用成功に結びついたのはフロントエンドに強みを持ったフルスタックエンジニアです。動画配信サービスのフロントエンドの開発から基盤作成・インフラ部分を担っていただける方の採用に成功しました。

エンジニアメンバーから言わせると、アップストリームの開発の環境は配信ならではの独特な技術や知識が多くチャレンジングな部分が多いのが特徴だそうです。流行り物の知識とかではないので、ネット上で調べたりしても出てこない情報も多いんですよね。より専門性の高い分野だからこそ、アップストリーム社内で今まで培ってきた技術も多く存在します。CTOの小西がなにもないところから仕様書を読み込んで開発して作り上げた技術も多いので、アップストリームでしか得られない学びなどもあると思います。

動画配信サービスを手掛ける企業としては、先駆者的な立ち位置にいることもあり、実際に働くエンジニアも、技術に対して強い興味を持つ人が集まっているように感じますね。

#最小限のエンジニアのリソースで、最大限の採用成果を

― 実際にLAPRAS SCOUTを導入してみていかがでしたか?

正直に言うとLAPRAS SCOUTは手のかかる媒体だというイメージがありました。しかし実際に運用してみると、興味通知からの候補者レスポンスも良く、とても良いイメージになりましたね。もちろん手のかかる部分は少なくありませんが、そうして手をかけた分しっかり候補者からの反応となって返ってくるので、ストレスはあまりありません。

JOBなどで私たちの開発組織についてしっかりと訴求することができているので、候補者と接点を持った際にも話がスムーズな印象があります。自分たちとマッチする人を、文章を作り込むことで、調整できる点は大きな魅力だと思います。

― エンジニア採用の中での役割分担を教えていただけますか?

カジュアル面談・面接より前の段階は私が担当しています。候補者探し、興味通知・スカウトメールの送信などですね。最初の候補者ピックアップに関しては、開発環境に合わせた言語でソートし、レコメンドされてくる候補者を確認しています。基本的にRubyを使える方、Railsを使える方がメインターゲットとして絞り込んでいますね。ここからさらにプロフィールなどから、おおまかにエンジニアリングスキルを確認し、今までの弊社の採用になったメンバーの基準などと照らし合わせ、採用の可能性のある経歴やスキルを持った方にはこの時点で興味通知をお送りしています。

― エンジニア採用を行う上で、気を付けている点などがあれば教えてもらえますか?

私がエンジニアリングのスキルを持っているわけではないので、詳細な技術力を読み取ることができない分、JOB求人の内容にはこだわっています。アップストリームの場合、提供しているサービスも特徴的なので、採用するペルソナを具体的に想像して、100名全員にぼんやりと伝わる抽象的なメッセージではなく、その中の1名に明確に伝わる具体的なメッセージで訴求することを心掛けています。

例えば、メインターゲットを20代30代と定め、動画配信サービスに興味があり、低レイヤー部分まで手を伸ばしたいと考える技術者を想定しています。こうした知識欲が旺盛な方を求めています。このプロセスは、実際の面接の基準にもなっており、私たちの文化と価値観にマッチする方を見つけ出すための重要なステップとなっています。

100名の中の1人に伝わるメッセージを届ける

ー JOB求人の記事内容に関してこだわっている点を教えてください。

具体的には、フルスタックよりの話とかも話していますし、フルリモートという環境で技術に集中できる点や、ミーティングが少ないので開発に集中できる環境を用意していますよみたいな話とか、あとは技術追求したい人に対して、新規案件などのチャレンジできる案件なども比較的多くある点などを伝えています。

興味通知を送った段階で、このJOBまで見てくださってる方が多いイメージですね。読んだ上で、アップストリームに関心を抱いていただいた方から「興味あり」の返信がきています。この興味通知の返信がひとつのフィルタリングにもなっている気がします。「興味あり」の返信が来た人に対してアプローチしていき、カジュアル面談のお誘いをお送りしています。

それ以外にも、LAPRASのプロフィールのやりたいことの欄が弊社と一致してる方にスカウトをお送りすることもありますね。

ここから先のカジュアル面談や面接に関しては、エンジニアやCTOにお任せしています。

一次面接の段階では、GitHubなどからなにか活動が見える方が評価される傾向にあると感じています。個人の活動が充実している方がマッチする傾向にありますね。このあたりのやり方は運用しながら、アップデートしていった感じですね。

CTOやテックリードからの面接のフィードバックやカジュアル面談でエンジニアが返ってきたフィードバックなどを細かく確認して、こういう経歴やスキルの人は適さなそうだなと常に基準を変更していっています。

― 欲しいと思う人材に訴求していくというやり方はどこで学んだんですか?

これは前の職場で人事をやっていた時に学んだことではありますね。前職の企業は年間に何十人も人材を採用するタイプの企業ではなくて、年間に十名程度採用できれば充分という会社でした。そのため、その会社が求める人物のペルソナをしっかり作って、ペルソナと一致する人は絶対に採用するという手法を取っていました。ペルソナの設定をするためにマーケティングの勉強をして、企業の採用におけるブランディングを考えながら求人を作るようにしていたんです。特に気を付けていたのが100名に好かれようとする求人をつくらないことです。100名に好かれようとすると採用のブランディングの軸がぶれやすく、ペルソナの設定がぼやけてしまいます。100名中のたった1名に語りかける採用を心掛けていたんです。その考え方は今でもベースにあります。記事内で訴求したポイントが3つ・4つ当てはまる人と面談や面接に繋がることが、結果としてのコミット率も高いと思っています。「みんなに好かれる記事にしない」ということは大切にしていますね。

―  本日はありがとうございました!

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