目次
はじめに
エンジニア不足の深刻化が進んでいる昨今ですが、その解決策の一つとしてあるのが副業/フリーランスエンジニアの活用です。
「【ランサーズ】フリーランス実態調査2019年版」によると、2015年〜2019年の間にフリーランス人口は913万人から1,087万人と22.6%増加しています。エンジニア不足と働き方の多様化が相まって、今後は雇用形態も正社員だけに捉われずに柔軟に変えていく必要があるでしょう。
そこで、今回は副業/フリーランスエンジニアの採用についてご紹介します。メリット・デメリットやそれぞれの効果的な活用の仕方の解説、そして、副業/フリーランスエンジニアを現場に受け入れることに対して、実際の現場エンジニアにインタビューもしました。
副業/フリーランスエンジニア採用のメリット・デメリット
副業/フリーランスエンジニアの採用が進んでいるとは言いつつも、実際に採用する時にどのような点に気をつければよいのかはあまり知られていません。そこで、まずはメリット・デメリットをご説明します。
メリット
① 優秀な人材を獲得できる
現在のエンジニアの転職市場では、優秀な人材はリファラルやヘッドハンティングで転職することがほとんどで、なかなか市場には出てきません。出たとしても、すぐに多くの企業が声をかけるため、正社員での採用は難しく、獲得競争に苦労します。しかしながら、副業/フリーランスといった形態で、本業の空き時間や土日だけ働くといった候補者の要望に柔軟に対応すれば、採用の難易度は大きく下がります。
副業/フリーランスエンジニア採用は、特にスタートアップやベンチャー企業にはオススメです。これらの企業は知名度や待遇面から大手企業に人材を奪われがちなため、候補者の要望により柔軟に応えて、優秀な人材が働きやすい環境を作る必要があります。
② ノウハウが手に入る
自社よりも技術力が高い企業に所属していたり、規模が大きいサービスを担当していたりするエンジニアを採用することができれば、今まで自社が持っていなかったノウハウをその方から取り入れることができます。
これは、フルタイム採用した場合でも可能ですが、副業/フリーランス採用であれば、今まで出会うことのなかった人材と出会える確率が高まるため、ノウハウが手に入る機会がより増えるでしょう。
③ 本採用に繋がる
副業/フリーランスでジョインした当初はフルタイムで働くつもりがなかったとしても、働いていくうちにその会社のことを気に入り、お互いにマッチした結果フルタイムで働いてくれるようになるかもしれません。
つまり、本来であれば採用できなかった人材も採用できる可能性があるのです。
また、一定期間働いてもらった後の本採用のため、企業側はもちろん相手のことを理解していますし、相手側も自社カルチャーを理解しているので、通常の採用よりもミスマッチが生じにくいでしょう。
④ 正社員よりも扱いやすい
正社員採用だとコストは高くなってしまいますが、副業/フリーランス採用の場合は雇用形態が異なるため、正社員よりもコストが低く済みます。例えば、福利厚生のコストやオフィスのデスク等の環境周り、また入社後の人事評価もせずに済むため、コストが安くつくのです。
デメリット
① 情報漏洩のリスク
そもそも、副業/フリーランスでなくても顧客情報や社員情報等は守秘義務があるものですが、関わる領域にあわせて副業/フリーランス向けの規則を設けましょう。
② 属人的になりやすい
個人に仕事を依頼しているため属人的になりやすく、万が一その人が病気や事故に遭った場合、業務をストップしなければならない可能性も出てきます。そのため、副業/フリーランスエンジニアに依頼する場合でも、しっかりと事前に業務フローを整備したり、協業できる体制を作ったりする必要があります。
副業、フリーランスエンジニアのそれぞれの効果的な活用の仕方
ここでは、実際に副業/フリーランスエンジニアを採用したいと考えた場合、どのような場面でどちらの雇用形態を取るのが効果的なのかをご説明します。
副業エンジニア
副業エンジニアとは、常時雇用されているがそれとは別に副業もしているエンジニアのこと。
副業エンジニアには、重要度は高いけれど緊急性の低い仕事がオススメです。フリーランスエンジニアと違って、副業エンジニアはコミット時間を確保しづらいため、緊急度の高い仕事を依頼してしまうと、工数が多くて期日に間に合わなくなってしまう恐れがあります。また、日中対応ができないことが多いことから、障害対応も向いていません。
なので、重要度は高いが緊急性の低い仕事をお願いしましょう。
フリーランスエンジニア
フリーランスエンジニアとは、雇用先の会社がなく契約ベースで仕事をこなすエンジニアのこと。
フリーランスエンジニアは、ケースにもよりますが緊急性の高い仕事がオススメです。副業エンジニアよりもコミット時間があるため、緊急性の高い仕事を依頼したとしてもすぐに対応してもらえるでしょう。
実際の現場エンジニアの声
メリット・デメリットがある中で、副業/フリーランスエンジニアを採用することについて、実際の現場エンジニアはどのように感じているのか、LAPRAS CTO 伊藤勝梧に聞いてみました。
「お金を稼げるというのもあって、近年副業/フリーランスエンジニア志望者は増えていて、彼らは比較的すぐに雇いやすい印象です。ただ、今話したように金銭目的の人が多く、中にはプロダクトへの情熱があまりない人も一定数います。特に副業エンジニアの場合は、フリーランスエンジニアの人と違って本業という“保険”があるためか、副業への意識が低く、期日をあまり守らない人も…。
ただ、もちろん良い面もあります。マンパワーが必要な時はすぐに雇えますし、これらの人は他社と並行して働いているため、他社の組織体制など自社以外の話を聞けてタメになりますね。
副業/フリーランスエンジニアのマネジメントについてよく議題が上がりますが、大事なのはしっかりと対話をすることだと考えています。どんな雇用形態だろうと、それぞれの人と向き合い、どこに問題があるのかを話し合います。例えば、こちらが相手のパフォーマンスを不十分だと思っていても、相手からしたら十分頑張っているかもしれない。マネジメントの問題というのは、雇用形態関係なく起こるものだと思うので、正社員だろうと副業/フリーランスだろうとそれぞれの人としっかりと向き合い、期待値のズレを修正することが大事なのではないでしょうか。
そして、何よりも重要なのが会社のビジョンに共感しているか。やはり同じ組織で働くからには、たとえ熱量に差があったとしても会社のビジョンに共感してもらい、共に頑張っていきたいですね」
『LAPRAS SCOUT』の活用術
『LAPRAS SCOUT』では、正社員、副業、フリーランス、インターンシップの4つの中から興味がある雇用形態を選択できます。
副業/フリーランスエンジニア採用のために、せっかく時間をかけてスカウトメールを作成したとしても、そもそも候補者がフルタイムでの働き方しか考えていなかった場合、スカウトメールを作成した時間が無駄になってしまいます。
そこで、『LAPRAS SCOUT』なら雇用形態を選択できるため、雇用形態のミスマッチが解消されやすくなり、より魅力的なオファーを候補者に届けることができます。
まとめ
副業/フリーランスエンジニアを採用するに当たってデメリットがあるのはもちろんですが、メリットがあるのも事実です。また、副業エンジニアは重要度が高いが緊急性の低い仕事、フリーランスエンジニアには緊急性の高い仕事が向いているといったように、それぞれに向き不向きな仕事もあります。そのため、自社の状況に合わせながら採用を検討していくのが良いでしょう。
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