Developer Relationsチームが牽引することで生まれた、GMOペパボ独自のエンジニア採用戦略とは

この記事をシェアする

創業20年を迎え、今もなお成長を続けるGMOペパボ株式会社。今回は同社のエンジニア採用を牽引するDeveloper Relationsチームの梅谷さんから、エンジニア採用のノウハウに関してお話を伺いました。

《プロフィール》
CTO室Developer Relationsチーム
梅谷 敦さん:
2009年、GMOペパボにサーバーエンジニアとして入社。その後、インフラエンジニア、SREを経験し、徐々にマネジメント業務を担当するようになる。現在ではDeveloper Relations(通称・デブレル)チームに所属し、技術広報や採用ブランディング、採用活動に注力し、エンジニア組織の強化を牽引している。

GMOペパボ株式会社
ハンドメイドマーケット「minne byGMOペパボ」、オリジナルグッズ作成・販売サービス「SUZURI byGMOペパボ」、簡単ホームページ作成サービス「グーペ byGMOペパボ」、ネットショップ作成サービス「カラーミーショップ byGMOペパボ」、ドメイン取得サービス「ムームードメイン byGMOペパボ」、レンタルサーバー「ロリポップ! byGMOペパボ」など、インターネット上での表現活動を支援するサービスを多数運営。場所や時間、背景にとらわれず、多くの人がインターネットで可能性を開花し、活躍できる環境の創造を目指しています。

GMOペパボ社が求めるエンジニアとは?

― GMOペパボ社が求める人材について教えてください

弊社の掲げるミッション・バリューとマッチするような人財を求めています。具体的に挙げると、私たちの大切にしている3つのこととして掲げている「みんなと仲良くすること」「ファンをふやすこと」そして「アウトプットすること」に共感、体現していただける人財を求めています。

特に「アウトプットすること」に関しては、エンジニア採用においては重視しているポイントでもありますね。エンジニアとしての技術的な面だけではなく、カルチャーマッチの側面から、OSS活動やイベントでの登壇実績・発表など日常的な学習サイクルに注目するようにしています。

― GMOペパボ社のエンジニア採用体制について教えてください

大枠となる採用計画をHR(人事)部門で行い、エンジニア採用活動に関しては私たちDevRelチームが現場エンジニアとの橋渡し役としてフォローしています。具体的な「求人案件定義」「ターゲットとなる人物像」などを現場のエンジニアと一緒に考えたりもしていますね。

― 採用組織の目標をどのように立てているか教えてください

上半期はカジュアル面談を重視するのと同時に、RubyKaigiやiOSDCと実際の現場で接点を持つことができるような機会を多く持てるように心掛けていました。こういった活動が必ずしも採用に直結するというわけではないのですが、タッチポイントの1つとして大切にしていました。
今後もこういったスタンスを変えていく予定はありません。積極的なスカウト活動などをKPIに置いて進めるというよりは、弊社が運営している「ペパボテックブログ」への寄稿支援などエンジニアたちのアウトプットや発表などをサポートすることで、社外のエンジニアとの繋がりを作ってくのが理想だと思っています。

社内のエンジニアが積極的に外の世界で活躍の場を広げ、学びを得る学習サイクルがあることで、社外のエンジニアに対するアピールにも繋がると考えています。

「候補者=お客様」。GMOペパボのエンジニア採用戦略とは

― 求めるエンジニアの獲得に向けた、採用媒体の戦略について教えてください

多くの採用媒体を利用させていただいています。ただ「使って終わり」にはならないよう、それぞれの成果・数字をしっかりと分析して運用するようにしています。加えて、それぞれの媒体に得意とする部分もありますし、その辺りの特性をしっかり活かしながら、最大限の効果をだしていけるように考えています。
LAPRAS SCOUTに関しては、タレントプールを活用しての2~3年後を見据えた中長期的な視点での採用活動に最適な媒体だと感じています。

― 採用活動の中で、注意している点・心掛けている点はありますか?

「候補者=お客様」であることは常に心掛けています。スカウトなどでお声掛けする際には、相手がどんな風に感じるかを重要視し、カジュアル面談までの流れもなるべく負担にならない設計にしていますね。例えば、複数企業から連絡をいただいている中での日程調整なども決して簡単なものではありません。日程調整ツールなどを活用することで、候補者側がストレスなくアクションできるようにしています。

便宜上、スカウトという言葉を使っていますが、個人的にはしっくりきていない部分もあって。スカウトと言うと、企業側が選んだ候補者を一方通行で声掛けしている印象がありますが、実際に私たちが実現したいのは、企業と候補者が顔を合わせてお互いのことを知っていく機会。お互いにとって有益な情報交換ができる場所であればいいな、と考えています。

― エンジニアの採用ブランディングに対しての考え方を教えていただけますか?

働くパートナー(従業員)たちが、心からGMOペパボを「いい会社である」「魅力的である」と思えていることが重要だと思います。そう感じているからこそ、自分の周りの人たちに「紹介したい」というアクションが生まれることこそ究極的な採用活動なのではないでしょうか。社外に出て様々な発信、人脈を作っているパートナー一人ひとりが、弊社のブランディングの源となり、GMOペパボの魅力を伝え、そこに惹かれたエンジニアが集まってくる…、そんな流れがいい循環となり、求職者のみなさんから見てより魅力的な企業になっていければと考えています。

― 実際の選考への移行率はどの程度でしょうか?

具体的な移行率は回答を控えさせていただきたいのですが、一つ言えるのは、数字だけに捉われないようには注意しているということです。例えば「テックブログを月に1回書こう」みたいな目標を掲げてしまうと、その数字ばかりを考え、無理やりリリースしたような記事になってしまったり…。それって本末転倒ですよね。採用についても同じことが言えると思っています。もちろん目標は立てますが、数字だけに固執せず、数値化することでの難しさの部分も気にするようにしていますね。

転職活動と日常を、もっとシームレスに。

これからのエンジニア採用活動について聞かせてください

アウトプットの場などで日常的に関係性を築いていくことで、今すぐに転職したいという状況でなかったとしても、転職意欲の変化があった際に、ふっと私たちGMOペパボが思い浮かんでくる。改めて転職活動を頑張るのではなくて、日常の暮らしの中でGMOペパボとの接点があり、お互いの魅力を徐々に理解した上でのマッチングが実現していければいいなと感じていますね。

最後に

エンジニア採用で重要だと感じることについて教えてください

先ほどの回答と重複するのですが、候補者の方の時間をいただいているということを念頭におくようにしています。例えばカジュアル面談の時間は1時間が適正なのか?カジュアル面談に対応するエンジニアの選出は間違っていないか?など、候補者目線に立って、より良い体験ができるように心掛けていくことが重要だと思います。

エンジニア採用に関わる、採用担当の方にメッセージをお願いします

採用の仕事はとても難しく、人事の方々のリードがあってこその私たちだと思っています。日々勉強ばかりですし、短期間で結果がでないことも珍しくありません。そんな中でエンジニアとしての知識・経験を活かし、最大限の成果を求めて、DevRelチームでは様々なチャレンジを続けています。それぞれの強みを活かし、お互いにリスペクトを持って、一丸となって採用に向き合っていっていきたいですね。

ちなみに僕は、人事やDevRelのコミュニティなんかにも参加しています。同じような課題を持つ仲間を見つけることで、社内だけに閉じず、いろんな方と話せる環境を持つことも重要だと思います。

GMOペパボ社の求人はこちら

自社サービス(minne/SUZURI/カラーミーショップ)のWebアプリケーションエンジニア
GMOペパボの事業ドメイン(ホスティング、EC、ハンドメイド、その他)の複数サービスを支えるSRE

インタビュー後記

今回はGMOペパボ社の梅谷さんにインタビューをさせていただきました。
エンジニア視点から採用をリードするDevRelチームに所属し、同社の採用活動を支えていらっしゃいました。「社内から見える自社の魅力と社外から見える自社の魅力」。両方をしっかりと認識・発信することの大切さを教えていただきました。

LAPRAS SCOUT では今後も梅谷さんのような、「頑張るエンジニア採用担当」の方を支援すべく、様々なエンジニア採用のノウハウを発信していく予定です。今後もインタビュー記事については、X(旧Twitter)公式アカウントで発信していきますので、ぜひフォローいただけると幸いです。