「スカウトがうまくいかない」と課題をひとまとめにしていませんか?プロセスごとのポイントを紹介

候補者にメールやSNSを通じて直接アプローチを行うスカウトは、昨今のエンジニアの売り手市場では欠かせない採用手法となりました。

一方でスカウトに課題を持っている企業も多く、LAPRASでも「時間がない」「候補者がいない」といった相談を多く受けます。
しかし、よく話を聞いてみると、本当の原因は別にあることが多いことに気づきます。

この記事ではスカウトの業務プロセスを以下の3つに分け、それぞれ気をつけるべきポイントをまとめました。

  • ステップ1. 候補者検索
  • ステップ2. 送付内容の検討
  • ステップ3. 表現や構成を整える

この記事はスカウトに課題を持った際のチェックリストとして使うことも可能です。

ステップ1. 候補者検索

最初のステップは、候補者を検索・選定する作業からはじまります。
このステップでつまずいてしまうケースもよくみられます。それでは重要なポイントについて解説します。

●「スカウト用のターゲティング」はできているか?

スカウトでは、ターゲティングがもっとも重要であるといっても過言ではありません。
よくあるアンチパターンとして、求人媒体やエージェントサービスと同じようにターゲティングしてしまっていることが挙げられます。

しかし、これらの手法がPull型で多数の候補者に情報を公開することに対し、スカウトはPush型で1to1でアプローチする採用手法です。
そのため、そもそも求人票やエージェントサービスで設定したターゲットをそのままスカウトサービスで探そうとしてもうまくいくことはないのです。

補足すると、求人媒体やエージェントサービスは「自社に合う人」を絞り込む役目を候補者やエージェント担当者に委ねているのに対し、スカウトは自分自身で絞り込む必要があるという違いがあります。
それではどのようにターゲティングすればよいのでしょうか。

スカウトではスキルや経験など候補者に求める要素の「優先順位を明確につける」ことが重要です。
求人票などでもMust条件(応募条件)やWant条件(歓迎条件)を分けて記載しますが、そこから更に優先順位を明確にするとよいでしょう。
そして、利用するサービスの母集団の属性に応じて、条件を厳しくしたり、緩めたりすることで最適なターゲティングを行います。

この優先順位が分からないということは、自社の採用要件をしっかりと噛み砕けていないということですので、現場と採用担当者とで認識をそろえてください。

●スカウトサービスが保有するデータと採用要件を揃えられているか?

世の中には様々なスカウトサービスがありますが、それらのサービスが保有・活用するデータの内容は様々です。

LAPRAS SCOUTのように「候補者のSNSやアウトプット記事」を保有・管理しているサービスもあれば、社内の友人との繋がり(リファラル)の情報を保有・管理するサービスや、登録時にアンケートを実施し、その結果を活用するサービスもあるでしょう。

しかしながら、実際の採用要件では「経験年数」や「自社のカルチャーに合う人」といったような抽象的な表現が目立ちます。

ここで重要なことは、スカウトサービスが保有するデータと採用要件を揃えるということです。

そのサービスではどんなデータが保有・管理されており、そのサービスであればどのような採用要件になるのかを個別に考えることが必要です。

現場のエンジニアと採用要件を詰める際に、利用するサービスの話がないままに決めてしまっては、どんなサービスでも「使いにくい」採用要件となります。
その結果、サービス利用時にはそれぞれの運用担当者の個人的な解釈が加わり、そもそも現場が求めた採用要件とかけ離れた候補者を検索してしまうことにもつながります。

これを防ぐために、最初から利用するサービスの保有・管理するデータに沿って採用要件を決めることがおすすめです。つまり、どのサービスでも当てはまらない言葉で採用要件を定義するよりも、利用するサービスの言葉で採用要件を決めた方が効率的なのです。

ステップ2. 送付内容の検討

採用要件に沿った候補者を見つけたら、次は選考を受けてもらったり、カジュアル面談に来てもらったりするために送付するスカウト内容を検討するステップです。
ここで気をつけるべきポイントを紹介します。

●差別化と魅力付けはできているか?

まず、基本的なことですが、自社やポジションについて説明をする際には、採用競合との差別化を行う必要があります。またその差別化した内容が候補者にとって入社したくなるような魅力的なものでなければなりません。

そもそも売り手市場では、日々たくさんのスカウトが送られており、エンジニアは「またスカウトか」という心境でスカウトを受け取ります。
また、面談や面接を含む選考を受けるということは、時間や手間もかかりますし、「落とされるかもしれない」といった精神的な不安も発生します。

それらの候補者にとっての負の要素を乗り越え行動をしてもらうためには、単純に「選考を受けませんか?」とお誘いをするだけであったり、誰にでも送れるような「優秀だとお見受けしたので」といった内容をばらまいたりするだけでは力が足りないでしょう。

候補者の気持ちや行動のプロセスを考えると、大まかに以下のようなステップがあります。

これらのステップをそれぞれ乗り越えるように、しっかりと差別化と魅力付けを意識することが重要です。

ただし、よほどのサービスに特徴がある企業でなければ差別化や魅力付けのためのネタを見つけることは難しいものです。

まずは社内の同じポジションの人、もしくは近しいポジションの人に「他社より何を魅力に思ったから入社したのか」と入社理由を聞いてみましょう。

また考え方として自社の特徴を、技術軸、事業軸、ヒト軸の3軸から深堀りしてみると考えやすいでしょう。

といった軸から考え、それらを掛け算していくこともおすすめです。

たとえば「急成長中の企業」というだけでは、差別化にはなりにくいですが、「急成長中の企業」×「HRサービス」×「SaaS」×「プログラミング言語」「従業員数10名以下」×「報酬制度」……と要素をかけあわせていくことで、差別化ができます。

自社の特徴的な要素を色々と探してみると、社内では常識と思うようなことが意外に一般的でないこともあります。

●コンバージョンポイントの設定はできているか?

現在の売り手市場では、候補者にいきなり「選考に乗りませんか?」とお誘いをして、選考を受けてくれるケースは以前と比べ大きく減りました。

選考は候補者にとって時間、手間、精神面からも大きな負担を強いるものです。
そのため、「ぜひ選考を受けてみたい!」と候補者に強い意思を芽生えさせる必要があります。

そもそもサービスやプロダクトが魅力的であったり、市場相場よりも高い給与提示を行うことができれば、それだけで選考を受ける意欲を掻き立てることができますが、多くの企業にとってそれは難しいでしょう。

そのため、先にも述べたとおり、差別化や魅力付けを行います。

しかし、スカウトという少ない文字数のコミニケーションだけでそこまで心が動かせるでしょうか。やはり難しいでしょう。

採用したい候補者の採用倍率と自社の採用力を考え、いきなり選考に乗ってもらうことが難しいと判断した場合には、選考の前に以下のようなコンバージョンポイントを設計し、そこに誘導することがおすすめです。

  • カジュアル面談
  • ランチや社内イベント
  • 勉強会
  • テックブログや記事 
  • etc

 

時間をとって職務経歴書を用意したりすることに懸念を示す候補者も、「勉強会に行く」「URLをクリックする」といったハードルの低い行動であれば気持ちが動いてくれる可能性が高まります。

そして、これらの中間のコンバージョンポイントを経由しながら段階的に意欲を高め、最終的に選考に乗ってもらいます。

段階的に時間や手間をかけて候補者の気持ちを高めていくことは、やはりそれ相応のコストがかかってしまうものです。
そのため「採用できていないポジション」「必ず採用したい人」に絞って行うことがおすすめです。タレントプールなどをうまく組み合わせて継続的にアプローチすることも効果的です。

ステップ3. 表現や構成を整える

ステップ2で、何を伝えるか、そしてその結果どういった心の動きを期待するのかを決めれば、最後のステップは表現を整えるステップです。

スカウトは基本的にメール上でのテキストコミュニケーションです。口頭で「〇〇というポイントを候補者に訴求したい」と現場と採用担当者で話していても、いざスカウトを作成してみると意外に難しいものです。

ここでは表現を整えるために重要なポイントを見ていきましょう。

●候補者の目線で説明できているか?

多くのスカウトで見られるアンチパターンとして、「自社を代表してお声がけしている」という気持ちが強すぎるせいか、候補者の目線で考えたときに、自分のことのように思えない表現になっているケースがあります。

たとえば、「我社は設立30年の歴史があり、創業以来安定経営を続けてきました」といった内容は刺さりにくいでしょう。
これは、候補者の目線ではなく会社の目線で語ってしまっていることから起こります。

メンバーレイヤの候補者にはメンバーレイヤの視座があり、マネージャーレイヤの候補者、経営レイヤの候補者であれば、それぞれのレイヤの視座があるでしょう。

この点を意識すれば、先程のメッセージを言い換え、「安定経営を背景にした育成制度がある」とすればメンバーレイヤの候補者にも魅力的に映るかもしれませんし、「30年という年数の中で培った顧客リソースがある」とすればマネージャーレイヤに魅力的に映るかもしれません。

伝えたいメッセージがついつい抽象的な表現になってしまったり、「だからなに?」とならないために候補者に魅力的に映るように言い換えてください。

●重要な内容を冒頭に持ってきているか?

スカウトでは、読まれる文章量に限界があります。
受け取った候補者は10行も文章を読まないでしょう。そのため、重要な内容をできるだけ冒頭に持ってくることが重要です。
よく冒頭で長々と会社紹介を初めてしまうケースがありますが、これでは肝心の伝えたい内容が見られない可能性が高くなります。

会社やサービス、ポジションの紹介などはできるだけ後ろに記載し、「なぜあなたにお声がけしたのか」「どうアクション(選考、面談、イベントに来てほしい)してほしいのか」「あなたにはどんなメリットがあるのか」といったことを冒頭で述べるようにしてください。

そもそも興味を持ってもらう前に自社の紹介をしても、それは不必要な情報でしかありません。

おわりに

スカウトは採用手法の中でもハードルが高いといえる手法です。
スカウト課題を感じた際には、問題をひとまとめにせず、各プロセスごとに課題を考えるようにしてみると、解決の糸口がつかみやすくなります。

その際には、本記事をチェックリストとして活用してみてください。問題がより明確になり、適切な改善ができるはずです。

 

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