候補者とのミスマッチを失くす選考体験を。カルチャーマッチを重視するはてなのエンジニア採用とは

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2020年よりLAPRAS SCOUTを導入した株式会社はてな。候補者と企業が深く理解し合ったエンジニア採用を目指す同社が行う採用手法とは。エンジニア採用の難しさ、選考を特別な体験にする独自のプロセス、そしてこれからのはてなの採用活動について、同社CTOの大坪さんからお話を伺いました。

《プロフィール》
CTO/最高技術責任者 
大坪 弘尚さん:
2008年、東京大学大学院情報理工学系研究科を中退後、アプリケーションエンジニアとして新卒入社。うごメモはてな、Mackerelを始め、はてなの新サービス開発に数多く携わる。2012年より技術グループ チーフエンジニア、2016年に最高技術責任者に就任。 現在は、はてなのサービスおよび事業を支える基盤を開発・運用するサービスプラットフォーム部の部長を兼務しつつ、CTOとして技術組織全般の統括にも取り組んでいる。

株式会社はてな
「知る」「つながる」「表現する」UGCに関連する様々なWebサービスを提供する株式会社はてな。代表的なサービスである「はてなブログ」「はてなブックマーク」に加え、大手マンガサイトで導入されているマンガビューワ「GigaViewer」や、開発者向けのサーバー監視SaaSである「Mackerel」など、様々な事業を展開している。

積極的なアウトプットを推奨するカルチャーとの相性の良さ

―  LAPRAS SCOUTの導入の経緯を教えていただけますか?

LAPRAS SCOUTの導入は2020年の冬ごろです。採用チャネルについては常に新しい可能性を摸索していました。LAPRAS SCOUTに興味を持ったきっかけは、採用に携わっていたチーフエンジニア(エンジニアのマネージャー)たちです。「自分たちのオープン情報を集めてスコア化するLAPRASという面白そうなサービスがある」そんなエンジニアたちの間での噂話がきっかけでしたね。はてなでは元々エンジニア採用は現場エンジニア主導で進めていく文化でしたので、スクラム採用を推奨するLAPRAS SCOUTは試してみたいと思いました。採用を担当するチーフエンジニアや人事部と話し導入してみることにしたのです。

はてなでは「エンジニアに大事にして欲しい価値観=エンジニアバリューズ」というものを定義しています。その中のひとつに「学びとオープンネス」というものがあります。エンジニア自身が技術を深く学び続けるのと同時に、知見や思考を外部に共有していく姿勢を、はてなでは大事にしているのです。一緒に働く仲間やインターネットに対するオープンな態度と、そこからのフィードバックがエンジニアとしての成長にも繋がると考えています。積極的なアウトプットを推奨するという、はてなのカルチャーにマッチした候補者を探すのにLAPRAS SCOUTは相性が良かったです。特にGitHubやQiita、またはブログの執筆など、インターネット上にエンジニア活動をオープンにアウトプットされている候補者との接点は持ちやすくなったと感じています。

◎参考:はてなのエンジニアバリューズ


―  現在のLAPRAS SCOUTの運用方法を教えていただけますか?

私たちのプロダクトとしては「はてなブックマーク」「はてなブログ」というBtoCサービスが一般的知名度は高いのですが、そのほかにもBtoBサービスの「はてなブログMedia」、SaaSサービスの「Mackerel」、「GigaViewer(マンガビューワ)」など、幅広い事業を展開しています。

開発環境や技術スタックは全社で統一されているわけではなく、それぞれの部署・チームによって異なります。事業や職種を担当するチーフエンジニアを中心に、それぞれの採用要件にあったエンジニアの採用に取り組むという方針です。具体的なLARPAS SCOUTの運用は、週に1回30分程度の採用MTGを定例で開催し、レコメンドで挙がってきた候補者を中心にそれぞれが気になる候補者のリストアップ、スカウトメールの作成を行うといった流れにしています。

―  CTOである大坪さんもMTGに参加されているのでしょうか?

もちろん私も参加しています。候補者探しにはExtension機能を積極的に活用しています。Twitterなどで気になったユーザーから逆引きすることもありますね。技術的なマッチだけではなく「エンジニアリングに関する考え方がはてなと合いそう」と感じた方との接点も積極的に持つようにしています。すぐに一緒に働くことができなくても、先々ポジションを用意できることもありますから、魅力を感じた方との繋がりは大切に考えています。

選考をひとつの特別な体験にしてほしい

― 候補者を探す際に、どういったポイントに注目していますか?

これまでに取り組んできた開発に対する考え方・姿勢といった部分に注目しています。特定の言語や技術に対する経験などは、あまり重要視はしていません。何かしらの領域をしっかりと学んできたエンジニアであれば、新しい言語・技術のキャッチアップは決して難しいことではないと思っています。

前述した通り、はてなでは数多くの開発チームがあります。はてなの企業としての特徴の一つなのですが、入社後配属されたチームで数年経験を積んで、別事業・別チームへの異動(チームローテーション)を積極的に行っています。

様々な経験を積むことで、エンジニア自身の個人的な成長に繋がるということと、チームからチームへ知見を移すことでベストプラクティスの輸出入を活性化させる狙いがあります。そうすることで、会社全体の技術力の底上げに繋がると私たちは考えています。

― 選考の際に、はてな社で大切にしていることはありますか?

候補者にとって数多くの選択肢がある中で、はてなの企業としての魅力をしっかりと伝えられるよう心掛けています。単純に技術力だけを見るのではなく、はてなとのカルチャーマッチは重要なポイントとして捉えていますね。

選考プロセスに技術ディスカッションというものがあるのですが、これは「候補者の技術・考え方を試す」ということではなく「はてなのカルチャーを体験してもらいたい」という意味合いでやっています。候補者と私たちがお互いをより深く理解し合うためのプロセスとして考えています。

実際に私やチーフエンジニアを含めたディスカッションを行うことで、技術に関する意見交換が活発に行われている、はてなエンジニアの日常を疑似的に体験できる場になっているのではないでしょうか。最終的にお互いの意向が合わずご入社に至らなかったとしても、「はてなの選考は面白かったな」そんな風に感じてもらえる体験になったら嬉しいですね。実際に入社してくれたエンジニアからも「この体験が良かった」という感想を、たくさんいただいています。

◎参考:社内ブログに掲載された記事のキャプチャ

様々な角度から、はてなのカルチャーを伝えていく

―  今後のエンジニア採用についてはどのように考えていますか?

Webエンジニアだけではなく、CRE(Customer Reliability Engineer) やSRE (Site Reliability Engineer) の採用も課題になっています。まだ世の中的にも希少なポジションですのでなかなか候補者となる方を見つけ出すのは難しいのですが…。「はてなのCRE、SREはどんな仕事なのか」を伝えるブログ記事を公開したり、採用広報にも力をいれていくことで、興味を持ってくださる方との繋がりができれば嬉しいです。

◎参考:
SREに関する2020年の発表資料
はてなのCREのお仕事に関するブログ

他にも、エンジニアセミナーを開催したり、Podcastで現場のエンジニアの声を発信したり、多角的にはてなの情報を発信していくように心掛けています。これからも様々なチャネルから、はてなという企業を発信していき、より多くの魅力的なエンジニアと接点をもっていけるようにしていきたいですね。

―  本日はありがとうございました!

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