社員が離職する時に大事なこと 〜オフボーディングのやり方〜

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新入社員のオンボーディングが注目されているのはこちらの記事でも紹介した通りですが、その一方で社員が離職する際のサポート「オフボーディング」の重要性も注目されています。

本記事では、オフボーディングの重要性から抑えておくべきポイントまでを解説します。

オフボーディングとは

オフボーディングとは、社員が離職するときのサポートのことです。
具体的には退職の事務的な手続やツールからのアカウント削除、また快く送り出すことによって良好な関係を築くことなどがオフボーディングの要素です。

オフボーディングについて話す時には「良好な関係を築くこと」に焦点を当てることがほとんどです。事務的な退職手続きは従来も行われてきましたが、良好な関係を築くことはこれまであまり重要視されてきませんでした。
良好な関係を築く必要性が生まれた背景には世の中の変化が影響しています。

退職時に良好な関係性を築くことが必要な理由

退職者の声が会社の評判に関わるから

今日では個人がSNSで発信する情報は企業の評判に大きく関わっています。
特に退職した元社員の声は注目されており、退職エントリという名称で退職理由や会社への不満をブログに書くケースも多くなっています。

こういった元社員からの退職エントリは、在籍中の問題はもちろんですが退職時の会社の対応についての不満についても書かれることも多く、退職時のサポートを誤ることで会社の評判を大きく損なってしまうことになります。

はてなブログで「退職エントリ」と検索するだけでも数百件のブログ記事が見つかります。
もちろんすべてがネガティブな内容ではありませんが、ネガティブな内容の記事は拡散されやすい傾向にあり、そのマイナスな影響力はとても大きいものです。

アルムナイが一般化してきているから

アルムナイとは自社を離職した人、また離職者を再雇用することです。
終身雇用が減少し、人材の流動化が進んだため、アルムナイを行う企業は増加傾向にあります。自社で働いた経験があるため、能力や人柄についても把握できておりミスマッチが少ないのもアルムナイのメリットです。

アルムナイに重要なのは企業と離職者の良好な関係性です。悪いイメージを持っている企業に再就職しようという人は多くはないでしょう。
そのため、企業は退職を希望した社員と向き合い、「またこの会社に戻ってきてもいいかもしれない」と思わせるように対応する必要があります。

もちろんオフボーディング対応だけでなく働いていた期間の印象は大事です。
一方で、離職時の対応はその企業に属していた期間の最も新しい記憶となります。強く心に残る体験でもあるため誠意を持って対応することが肝心です。

オフボーディングで大切にするべきこと

離職希望者と良好な関係を築くためにはオフボーディングで何をするべきなのでしょうか。
特に重要な2点について紹介します。

転職に向けて最大限の協力をする

まず大切なのが「離職者の転職に向けて最大限の協力を企業が行う」ことです。
転職先の企業に提出する書類の作成を希望されたり、転職先企業との手続きのために有給休暇の取得を希望されたりすることがあります。こういったときに、快く送り出すために出来うる限りのサポートを行うことが重要です。

やってはならないアンチパターンとしては下記のような対応が挙げられます。

・有給休暇を取得させない/させにくい状況にする

・書類作成などの業務の優先順位を下げて、対応を遅くする

特に有給休暇の取得はトラブルになりやすいため注意が必要です。

また、あってはいけないことですが離職が決まった途端に厳しい叱責や悪口を言われるようになったというケースも多く見受けられます。「今のままじゃどこに行っても活躍できない」などという言葉は、たとえそれが本心であったとしても言われた側にはいわれのない批判として受け取られます。
離職するメンバーの活躍を祈り、積極的にサポートすることが重要です。

会社へのフィードバックをもらう

離職が決まると、会社のメンバーとしてではなく、より客観的に会社全体を見ることができます。そういった離職者の立場だから言える意見をフィードバックとして吸い上げることは重要です。

<フィードバックのメリット>

・会社の問題点を把握できる

・自分たちの問題点を改善する姿勢を示せる

離職するのには理由があります。ポジティブにせよネガティブにせよ理由をヒアリングし、会社の問題点や良い点についてフィードバックをもらうようにしましょう。

社内改善して離職者を減らすことにも繋がりますし、今は問題があるものの将来的に改善されるかもしれないという希望を持ってもらうこともできます。

離職者減、アルムナイのどちらにも繋がる施策です。

最後に

離職する理由はそれぞれであり、決してネガティブな理由ばかりではありません。
また、長く同じ企業で働くことが絶対的に良いことでもない現在では、離職は必ず発生するものです。

会社に所属し貢献してくれたメンバーに気持ちよく新天地に向かってもらうためにサポートすることは気持ちの面だけでなく、企業の評判やアルムナイという面でも大きなメリットがあります。

また、離職者からフィードバックをもらうことを実践している企業は多くはありませんが、問題点が明確になり、在籍している社員の離職を防ぐための重要な施策です。
ぜひ実践してみてください。


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