GovTech×フルサイクルエンジニア。わずか半年間の運用で難易度の高い採用を成功に導いた、グラファーのエンジニア採用への向き合い方とは

この記事をシェアする

2022年1月よりLAPRAS SCOUTでのエンジニア採用を始めた株式会社グラファー。事業への共感が高いエンジニアを採用するために、同社がエンジニアリングスキル以上に大切にしていることとは。同社のプロダクト部の採用活動をリードするディビジョンピープルマネージャーの黑﨑さんにお話を伺いました。

《プロフィール》
ディビジョンピープルマネージャー
黑﨑 脩さん:
大学院修了後、金融系SIerでエンジニアとしてのキャリアをスタート。FX取引システムの要件定義・設計・開発・テスト・運用などを担当する。その後、大学時代の友人と起業。フルスタックエンジニアとしてエンジニアリングスキルを磨く。2021年2月、プロダクトマネジメントとエンジニアリングを大切にする姿勢に惹かれ、株式会社グラファーにプロダクトマネージャーとしてジョイン。いくつかのプロジェクトを担当後、2021年11月より、プロダクト部のディビジョンピープルマネージャーとして、メンバーとの1on1、目標設定、リソースアロケーション、採用活動など組織マネジメントを牽引している。

株式会社グラファー
「プロダクトの力で 行動を変え 社会を変える」をミッションとし、行政手続きを効率化するための各種ウェブサービス及びソリューションを事業者、官公庁等に提供している2017年創業の企業である。GovTechを牽引する企業として、成長を続け、多くのメディアからも高い注目を集めている。

フルサイクルに、プロダクトに向き合えるエンジニアを求めて

―  LAPRAS SCOUTの導入の経緯を教えていただけますか?

導入の話が出たのが2021年の年末、本格的に運用を始めたのが2022年1月からです。2021年11月に私がディビジョンピープルマネージャーに就任するにあたって、グラファーのプロダクト組織の人員配置について改めて俯瞰的に確認を行いました。在席しているメンバーのバックグランド・志向性・特徴を振り返り、どのプロダクトに人が足りていないのかを洗い出していくと、当時の事業・プロダクトの成長スピードに対して明らかに人が足りておらず、その人員の穴を埋めるための採用が追いついていなかったのです。そんな時に出会ったのがLAPRAS SCOUT。他の採用チャネルとは違う、転職潜在層へのアプローチができる点に期待して導入を決定しました。

他社のエンジニア求人を見ていると、フロントエンドエンジニアやバックエンドエンジニア、SREといった職種カットで求人を掲載されている企業が多いように感じています。ところが当社の場合、プロダクトデベロッパーとして入社いただいた方は課題の発見/特定、要件定義、フロント・バックエンド開発、インフラ構築、テスト、運用とプロダクトに関わる全ての工程に携わります。つまり、全員がフルサイクル・フルスタックのエンジニアとしてプロダクトの成長に関わっていただくということであり、この点が採用難易度を上げるのではと考えていました。

― エンジニア採用ではどういった部分を重要視していますか?

そうですね。「課題を解決する手法のひとつであるエンジニアリングスキルを尖らせていきたい」というより、企業のミッションに共感いただき、「グラファーでユーザーに価値を届けるプロダクトを作り、成長させていく」という部分に価値を感じてもらえるかどうかを大切にしています。

エンジニアリングスキルや志向性、多角的な視点で候補者を探し出せる

― 実際にLAPRAS SCOUTを使用してみての感想を聞かせてください。

候補者となるエンジニアに関する情報量の多さがLAPRAS SCOUTの一番の魅力だと思います。多くのサービスと連携しており、多角的に候補者情報を確認することができます。その分、確認のリソースは大きくなるのですが、それ以上に大きな意味・効果を感じています。

候補者のピックアップは人事担当者と連携して行っているのですが、LAPRAS SCOUTを使うことで候補者像の言語化が進み、ピックアップの精度も高まりました。当社が主戦場とする行政領域は、「短期的な目線ではなく長期的な目線を持ってあるべき未来を描き、課題に取り組む」姿勢が求められます。そこで、Zenn、Qiita、Githubといったアウトプットから、その候補者がこれまでに行ってきた開発に対する姿勢、思考プロセスをしっかりと確認するようにしています。また、純粋に技術的な側面でいうと、「フルスタックエンジニア」を募集しているものの、現時点で全ての領域を完璧にこなす力を求めているわけではありません。自分の得意分野プラスαとして、わからない部分・弱い部分を、自らキャッチアップしていける素養があるかどうかを重視しています。

このように、エンジニアリングスキルに特化した情報だけでなく、プロダクトへの想い、関わり方、仕事への向き合い方など様々な要素を重要視している当社において、理想となるエンジニア像を具体的に言語化して共有できるようになったのは、採用活動を改善する大きな要因となりました。結果的に、候補者像の解像度が上がったことは、LAPRAS SCOUT以外の採用活動でも大きな影響を与えてくれていますね。

また、実際に使ってみると私たちが想定した以上に、LAPRASに登録するエンジニアの中に転職顕在層の方が多かったのは嬉しい誤算でした。正直にお伝えすると、LAPRAS SCOUTを通じて1年に1人採用できればいいかなくらいに考えていたんです。結果として1月の運用開始から7月までに、2名のエンジニアの方に内定をお出しすることができたのは嬉しいですね。

― 採用できたエンジニアについてお話を聞かせてもらえますか?

一人目の方は、フロントエンドを中心にキャリアを積んできた方で、技術的な部分のマッチ以上に志向性の部分のマッチが大きかったです。プロフィールにグラファーと親和性の高いシビックテック(CivicTech)についての言及がありました。この言葉をレジュメに記載されているエンジニアは、決して多くはないと言うか、ほとんどお会いしたことはありません。まさに、奇跡の出会いだったと思います。

二人目の方は、セキュリティエンジニアの方です。こちらの方に関しては、当社からお声がけをしたのではなく、LAPRAS内に掲載していたJOBページより先方からアプローチをいただきました。各求人が常になるべく上位表示されるよう、コンスタントに掲載内容をブラッシュアップするなどの細かい運用を継続していたことも、良かったのかもしれませんね。

― 採用選考はどういった流れで進めていったのですか?

候補者に対して私たちから興味通知を送付し、「興味あり」の返答をいただいた後にカジュアル面談を実施しました。カジュアル面談の設定までは私と人事担当者で行っていますが、カジュアル面談や面接を誰が担当するかは、明確には決めていません。

候補者にとって、誰が対応するのがベストなのか、候補者ごとに都度話し合って決めるようにしています。一人目の方の場合、プロダクトディベロッパーを務めるメンバーがカジュアル面談を担当しました。

会社一丸となって、エンジニア採用に向き合う

― その方がカジュアル面談を担当した理由は?

一人目の方のプロフィールを見る限り、フロントエンドに関しては強い技術をお持ちだと感じていました。しかしバックエンド・インフラ周りの技術的な部分は見えかねていたのです。フロントエンドエンジニアとしてキャリアを重ねてきた方だったので、「グラファーではフルサイクル・フルスタックで開発に携わっていただく」「バックエンド・インフラではどんな言語を使っているか」などを明確に伝え、実際に働く姿を具体的にイメージしていただきたいと考えていました。

プロフィールのやりたいことの項目に「カスタマーサクセスやビジネスサイドとの協調」といったコメントもありましたので、現場感を伝えられる人材がお話するのがベストだと考え、現場のプロダクトディベロッパーを選びました。

カジュアル面談や面接で誰が応対するのかは、候補者に合わせて流動的に変更しています。候補者がその時「一番知りたい」と思っていることを、しっかりと伝えらえる人選を心掛けていますね。必要であれば、早いタイミングでも経営陣やビジネス系の人間に対応してもらうことも珍しくありません。開発部門だけでなく、会社一丸となって取り組むのが、グラファーの採用スタイルです。

― エンジニア採用を行う上で大切にしていることを教えてください。

経営陣、人事担当、エンジニアメンバー…、「全員で採用活動を行う」という意識はみんなが持ってくれています。今の体制になって、採用活動に関わるエンジニア数もかなり増えました。入社3ヶ月以上のメンバーには積極的に採用活動に関わってもらうようにしています。エンジニア採用に関わる情報は逐一共有を行い、関係者全員が確認できる状態にしています。

― そういった体制になにか意図があるのですか?

転職を考える候補者にとって、経営陣や人事担当者の話はもちろん重要です。ですが、それ以上にどんな仲間と一緒に働くのかを思い描けるかどうかも、とても大切だと思っています。時には、候補者へ向けたエンジニアからのひと言メッセージを集めてお送りしたり、面接を担当した経営メンバーからの動画メッセージをお送りしたりすることもあります。一緒に働くメンバーをより身近に感じてほしいからこそ、いろんなことを試しながら、仲間探しを続けています。

― LAPRAS SCOUTを使ってみてのギャップなどがあれば教えてもらえますか?

先程も少し話題に出たのですが、当初はLAPRAS SCOUTを、まだ積極的に転職活動に動き出していない「転職潜在層」へアプローチするための媒体として考えていました。ただ、結果として他媒体では出会えなかった魅力的な「転職顕在層」の方々と、LAPRAS SCOUT上でお会いすることができました。これは、非常に嬉しい誤算でしたね。

― 今後のグラファー社について教えてください。

私たちは行政領域を中心にSaaSという形で様々なソリューションを提供しています。行政は、今を生きる自分自身だけでなく、子どもなどの若い世代にもずっと影響を与え続ける領域です。そんな領域でサービスを提供する際に大事なことは、長期的な目線で課題を解決すること、そして課題を解決するための引き出しである技術力を持っていることだと思っています。

私たちが目指しているのは、決められた仕様通りに開発することではありません。自分たち自身で「ユーザーが抱えている課題は何なのか」を深く追求して課題設定を行い、「それを解決するために最適な技術は何なのか」を問い続けることを大事にしています。そして、グラファーには、同じ思いを持った仲間が集まっています。

これからは当初考えていた転職潜在層へのアプローチも徐々に行っていきたいと思っています。今後もLAPRAS SCOUTを通じて魅力的なエンジニアさんとお会いできたら嬉しいですね。

―  本日はありがとうございました!

スカウトメールの返信率を上げるベストプラクティスをebookで公開中

エンジニア採用におけるスカウトメール作成の基本や返信率を高めるポイント、返信率が上がらないときの原因と対策まで、採用成功につなげるためのスカウトメールの全てが分かる内容にまとめました。

<コンテンツ一例>

  • スカウトメールの返信率を上げるポイント
  • スカウトを送る相手について仮説を立てる
  • 返信率が上がらないときの対処法
  • スカウトを受け取った候補者の声を参考にしよう

etc.