HRならではの視点を持つことで、プラスαの価値があるエンジニア採用を実現。ストックマーク社が考える採用戦略

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国内外約3万5000サイトの膨大なビジネスニュースを自然言語処理AIで解析し、次世代のビジネスチャンスを発掘するサポートを行っているストックマーク株式会社。LAPRAS SCOUTを活かしたエンジニア採用ノウハウについて、同社のエンジニア採用を牽引するHRの高橋さんからお話を伺いました。

《プロフィール》
HR
高橋 祐太さん:
上智大学法学部を卒業後、外資系総合人材会社でキャリアをスタートさせる。人材派遣に関する営業・キャリアアドバイザーとして経験を積む。そこで培った人材・採用への興味を活かすべく、業界に特化した少数精鋭の企業に転職。新卒採用コンサル、転職エージェントとして活躍。その後、採用コンサルティングに特化したスタートアップにジョイン。そこでの繋がりから、ストックマークの採用を手伝うようになる。2022年8月から正式にストックマーク社のHRとしてジョインし、同社のエンジニア採用・組織開発に注力している。

ストックマーク株式会社
自然言語処理を活用し、企業の事業創造活動を支援するサービスを展開。ユーザーの関心にそったビジネスニュースを毎日提供するAI情報収集プラットフォーム「A news」の提供や組織や業務にとって必要な情報をAIが俯瞰して構造化する市場調査サービス「A strategy」の展開をしている。「価値創造の仕組みを再発明し、人類を前進させる」をミッションに掲げ、多くの企業の進化を後押ししている。

求めているのは工数をあげるリソースで無く、企業を前進させてくれる人材

―  ストックマーク社でのエンジニア採用について教えてください。

ストックマーク社には、まず第一に「リソースを補填するだけの採用」はしないというカルチャーがあります。「開発ポジションを埋めるためだけ」の採用ではなく、その人がストックマーク社にジョインしたら、私たちの組織や事業が「前進するか」といった観点で、人を見るようにしていますね。特に正社員の採用の場合、より強く意識している部分です。この辺りの意識はエンジニア採用に限らず、弊社の採用活動全般で共通する考え方だと思います。

上記の判断基準については技術者としてのスキルだけで見ているわけではありません。技術としてだけではなく、考え方やマインドマッチを重視した判断をすることもあります。最近あった採用ケースで例をあげると、「ユーザーがどういった考えをし、どういった行動を起こすのか」といった部分に強いエンジニアを採用した実績がありますね。エンジニアリングスキル自体は、飛び抜けたものは持っていませんでしたが、それ以上の価値を弊社に提供してくれる人材だと考え、一緒に働いていただけるようお願いしました。「事業開発経験や起業経験があり、エンジニアリングからプロダクト/事業に向き合う考え方をインストールすることがストックマークにとってプラスだよね」という考え方から内定に結びつくこともあります。

単純に今ある業務をクリアしていくための「リソース」ではなく、長期的な視点で一緒に企業・事業の価値を高めてくれる「仲間」を探すという感覚を大切にしています。

― 候補者へのアプローチの流れなどを教えていただけますか?

各部門の主体的な採用を可能にする「ハイヤリングマネージャー」体制を採用しています。各部門のマネージャーがハイヤリングマネージャーとなり、私たちHRと共に求人要件などを整理・魅力あるスカウト文章の作成といったところからスタートしていきます。スカウトや転職エージェントなどを介しての候補者選定をHRで行い、面談以降は、各部門のマネージャーや現場エンジニアに選考を行ってもらい内定が出たら、人事面談を私たちが行い、オファー面談を行うといった流れですね。

HRが介入することで、エンジニアのリソースを最低限に押さえ、効率的なアクションを

― HRと現場エンジニアが協働していくにあたって、大切にしていることはありますか?

どちらかが採用活動をリードするのではなく、双方が助けあって、得意とする部分を活かしていくことが良い結果に繋がるのかなとも思います。

結局のところ、エンジニア人材の持つ具体的なスキルの詳細部分に関してはHRの私では判断できない部分も大きいですから。逆に自分自身の得意なところで力を発揮したいと考えています。例えば候補者の興味を引くような求人文章の作成だったり、アクションに繋がるストーリーの作成だったり…。ストックマークの魅力となる部分をブレイクダウンして、候補者の意思決定を後押しできるように心掛けていますね。


あと、現段階では転職意欲は高くはないが意欲の変化に合わせてアプローチしたいと考えている候補者に対しては、HRが定期的に確認してベストなタイミングでアクションを起こせるようにしています。

採用活動における分析・改善などもHRが担当している業務です。LAPRAS SCOUTを含めた様々なファネルを見て、それぞれどこの部分がボトルネックになっているかを分解・分析し、改善案を各部門のマネージャーと考えています。

― 具体的な改善案みたいなものがあれば教えてもらえますか?

カジュアル面談から選考に進むのが20%くらいだったのですが、もう少し数字を上げたい

という意見がありました。その時に、実際に行っていたカジュアル面談の動画を見て「面談を担当するエンジニアの自己紹介をもう少しボリュームを持たせた方がいいかも」「候補者にストックマークについて聞かれた際に、Mission、事業環境、ブランドについて充分に伝えることができていない」と考え、それらを伝えやすくまとめた資料を作成したりもしました。カジュアル面談時点で魅力的に感じた方に対して、「選考に進んでほしい」というこちら側からの意思が伝えられるようにアドバイスしたこともありますね。

こんな風に開発現場のプロフェッショナルと、採用のプロフェッショナルがお互いに伴走しながらやっていくというのが、私が考える理想のエンジニア採用の体制です。

創業時代からCTOの有馬が採用にコミットしていた経緯もあって、社内全体に「採用は自分事」として捉える文化がありますね。現在活躍しているマネージャーの多くもそういった姿を見ていますし、担当する現場の採用責任者という意識を持って取り組んでくれているので、HRとしてはとても助けられています。

エンジニアに対する認知度を高め、選ばれる企業へ

― これからのストックマーク社について教えていただけますか?

これまでカジュアル面談などでお会いしてきた候補者の方々のほとんどが、ストックマークという会社について知らない人ばかりでした。ここからはもっとPR・広報の部分にも力をいれて、ストックマーク社のエンジニアの認知度を高めていきたいと考えています。弊社のエンジニアリングマネージャーが定義したのですが、以下3つの理由からエンジニアのPR・広報の部分について強化しようと考えています。

1つ目は、認知度が拡大することによって採用ファネル全体に影響を与えるというところ。

それに伴い、2つ目は、弊社に在籍するエンジニアの市場価値が高まるということです。もちろん転職していなくなって欲しいというわけではないんですが(笑)。「あの会社で働いていたならいい人材だ」と感じてもらえる企業になっていきたいと考えています。そして3つ目、外へ向けたアウトプットの場を設けることで、在籍するエンジニア自身のスキルアップにも繋がると考えています。まだ具体的に決まっているわけではないのですが、テックブログやイベント登壇、カンファレンスへの参加などを検討しています。

企業として「テックに投資する」という思いは強く、能力水準の高い組織を作り、優秀なテック人材の集まる企業を目指しています。「お客様を中心とした自律分散型で現場が意思決定をしていくアメーバ型の組織を作っていきたい」という考えがありまして、そのためには自分で意思決定ができる人材を集め、育てていかなければいけない。より自律分散型でプロダクト価値を高めていく支援を採用/組織観点でHRとしてしっかりと進めていきたいと思っています。

―  本日はありがとうございました

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