「なにをやるか」ではなく「誰とやるか」。CTOレベルのハイスキルエンジニアの副業採用に成功!ギルド型組織UZUMAKIが考える独自の採用戦略とは

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2022年2月よりLAPRAS SCOUTでのエンジニア採用をはじめた株式会社UZUMAKI。フリーランス・副業のエンジニアが集まって創業されたギルド型組織ならではの採用方針とは。同社の代表取締役の工藤さんと、CTOの今さんからお話を伺いました。

《プロフィール》
代表取締役 | エンジニア
工藤 崇志さん(写真左):
立命館大学法学部卒業。大学卒業後、25歳まで司法浪人。以降は営業の仕事をしつつ、夜間の法科大学院に通う。司法試験に区切りをつけたタイミングで世に出てきたiPhoneとスマホアプリの可能性に衝撃を受け、アプリ開発に興味をもちプログラムの世界へと足を踏み入れる。正社員、個人事業主として数社でエンジニアとしての経験を重ねながら、個人でもアプリ開発やエンジニアコミュニティ運営などを実践。その中で新しい働き方の必要性に気づき、それを実現するコミュニティとして2018年にUZUMAKIを設立。

CTO | エンジニア
今 佑介さん(写真右):
システムエンジニアからキャリアをスタートし東日本大震災をきっかけにWeb系に転向する。いくつかの企業を経て(株)ベストティーチャーにてオンライン英会話サービスのCTOに就任。開発、プロダクトマネジメント、採用など行う。2016年よりフリーランスとして、技術顧問、コンサルティング、システムデザイン等に従事。Ruby on Railsを得意としている。2018年よりUZUMAKIの創業メンバー、CTOとして組織を牽引している。愛読書は週刊少年ジャンプ。

株式会社UZUMAKI
2018年創業、リニューアル・リファクタリングに特化した「創りなおす・創りかえる」プロフェッショナル集団が株式会社UZUMAKIである。同社の特徴は代表以外のメンバーが全員、フリーランス・副業であること。個人事業主の孤独さの解消と良い関係性が築けてる組織のチームの横のつながりを兼ね備えた組織を目指している。 

リファラルだけでは実現できない新しい出会いを求めて

―  LAPRAS SCOUTの導入の経緯を教えていただけますか?

工藤:そもそものUZUMAKIの成り立ちからお話するとわかりやすいかと思うのですが、私やCTOの今を含めた何人かは数年前の深センで一緒にプロジェクトを組んだのがきっかけでした。その時の体験を基に、フリーランスのエンジニアが信頼できる仲間同士で背中を預け合える「ギルド型組織」を作りたいという想いで、4年前に設立したのがUZUMAKIです。
◎参考:【コミュニティーとビジネスの重なり合い=ギルド】UZUMAKIの新しい働き方への取り組み。

工藤:「なにをやるか」ではなく「誰とやるか」。これまでUZUMAKIではそういった想いをベースに、自分たちと繋がりのあるエンジニアを中心にリファラルでの採用を行ってきました。自分たちのカルチャー・マインドに共感してくれる人を見つけるには、それがベストだったんです。しかし、4年もやってくると直接アプローチできるような関係性の方には一通り声を掛けきってしまった感があり新しい候補者に出会える手段が必要だなと考えていたんです。いくつかのリクルーティングサービスを比較検討していく中で、私たちが求めるエンジニアを検索した時に一番母集団が多かったのがLAPRAS SCOUTだったのです。

今:母集団が多いことに加えて、エンジニアの個々のプロフィールのわかりやすさも魅力でした。LAPRAS SCOUTなら、学歴や職歴だけではなくエンジニア個人がこれまでにやってきたアウトプットをしっかりと確認することができる。候補者1人ひとりがエンジニアリングに対してどういった姿勢で向き合っているのかを見ることができるサービスだと思いました。

転職潜在層のシニアエンジニア100名と繋がりを持つ

―  LAPRAS SCOUTの運用方法を教えていただけますか?

今:最初の候補者ピックアップは私が担当しています。週に1回、レコメンド機能で技術レベルでフィルタリングして整理した方々を、弊社エンジニアにアウトプットを確認してもらっています。良さそうな方であれば、興味通知をお送りし、代表の工藤がTwitterDMでアプローチをかけ、カジュアル面談を行うといった流れです。その後、選考の意思をお持ちの方は私が技術面接・最終面接などを行い、双方で納得できたら、副業でジョインしていただいています。

工藤:UZUMAKIくらいの規模感の組織であれば、候補者への最初のお声掛けは代表の私が行うのがベストだと思っています。ただ、今探しているバックエンドの領域に関しては、私よりCTOの今の方が見識も深いので、最終面接などは任せています。

今:我々が求めていた人材はシニアレベルのRailsエンジニアでしたので、短期で採用に結びつけるというよりは、中長期で関係性を築いていきたいという思いがありました。私たちが採用活動に注力している時期と候補者が転職活動を行っている時期が、タイミング良く重なることはかなりのレアケースです。中長期的に関係性を築いていき、候補者が「転職しよう」「独立しよう」「副業しよう」と考えたタイミングに、「UZUMAKIに声をかけてみよう」がひとつの選択肢となることが重要だと考えています。

— その為にUZUMAKIではどういった採用方法を採り入れていたんですか?

工藤:まずは今後の転職意欲や動向を追っていきたいと思える方を中心に、100名くらいのエンジニアと繋がりを作ることを目指しました。TwitterDMやカジュアル面談を通して、UZUMAKIとスキル的にもカルチャー的にもマッチする人たちと中長期的な関係性を作るためのツールとしてLAPRAS SCOUTを活用させてもらっています。

ハイレイヤーのエンジニアにもカジュアルにアプローチできる

―  今回、業務委託で採用されたエンジニアについてお聞きしてもいいですか?

工藤:今回LAPRASを活用することでエンジニアとしてとても強いスキル・経験を持つ方2名に副業でジョインしていただくことが決まりました。お二人とも他企業でCTOをされている方です。これまでの採用活動だと、中々こういった直接的な繋がりが無い方たちにカジュアルにお声掛けすることは難しかったのですが、LAPRASに登録されていることでハイレイヤーの人材にもお声掛けはしやすくなったかと思います。

今:こういった方々とご一緒できるようになったおかげで、CTOである私の壁打ちの相手にもなってくれますし、様々なことが相談できる相手が増えたのは嬉しいですね。

- CTOレベルのエンジニアを2名も採用できたというのは凄いですね。

工藤:そこはフリーランス・副業を前提にしたUZUMAKIという組織ならではの部分かもしれません。良い意味で重くないという部分が魅力になったのではないでしょうか。UZUMAKIには「人を排他的に支配しない」という考えがあり、そういった部分に共感してくださっているなら嬉しいですね。そんな風に組織を作っていくのが、結果的には最高のパフォーマンスに繋がると思っています。

今:これはたまたまなんですが、UZUMAKIは「旅」好きなエンジニアが多いんですよね。今回副業でジョインしてくださった方も、「エンジニア×旅」がテーマのイベントで過去に繋がりがあった方でした。そういった+αの要素・共通点といったところは候補者を見る際にも注目していたりもします。例えば、Flutterを軸にしたイベントに参加しても、技術だけの繋がりだけだと「欲しい情報だけ仕入れて終わり」みたいな関係性になってしまうことも少なくありません。そこになにかプラスαとなる要素があると一歩深く踏み込めるような気がします。kawasaki.rbやginza.rbなど「Ruby×地域」とかにすると対象が狭まる分、より親近感が生まれると思うんですよね。

工藤:基本的には業務はリモートですが、それだけではないリアルの繋がりも大切にしたいと思っています。年に数回はairbnbで物件を借りて、いつ来ていつ帰ってもいい、自由に参加できるワーケーションなどを行ったりもしていますね。弊社オフィスに人が集まるタイミングで私の手料理を振舞ったりもしています。こういったUZUMAKIのカルチャーを実際に体感していただく狙いもあって、UZUMAKIではトライアル制度を設けています。

― 工藤さんの手料理は私たち取材陣も先程いただきました!カレー、大変美味しかったです!

工藤:ありがとうございます(笑)。

― トライアル制度について、詳しく教えてもらえますか?

工藤:ギルド型組織という形は一般的な企業・組織とは少し違っていて、フリーランスのエンジニアや企業に属した副業エンジニアで形成されています。だからこそ一緒に働く方に対して、しっかり時間をかけてお互いを理解し合っていくことが大切だと考えています。これまでの経歴などは関係なく、入社された方全員がトライアルメンバーからスタートしてもらっています。ただこの制度は、こちらから人を選ぶ為だけのものではなくて、UZUMAKIと候補者、お互いをより深く知り合う為の期間として設けています。正直言うと1回1時間程度の面談や面接で、お互いの本質や相性なんてわからないと思うんですよね。

今:採用担当者ならみんな経験していることだと思うのですが、面接で話も合って書類上の経歴も問題なかったのに、採用する側も採用される側もお互いいざ一緒に仕事をしてみたら「あれ?ちょっと違うな」って結構ある事だと思うんですよね。UZUMAKIのトライアル制度のように「ちょっとずつ働いてみる」と、時間をかけてお互いの理解度を深めていけるのでミスマッチは少なくなり、企業側にとってもエンジニア側にとってもメリットがあると考えています。

工藤:副業でUZUMAKIにジョインしてくれることがゴールではないんです。冒頭にお話した「誰とやるか」という部分がUZUMAKIにとってすごく重要なので、そこへの理解度を深めるのにコストをかけるのは必要不可欠だと思っています。トライアル期間中にお互いに相性的に合わなければちゃんとお別れを選択できるように設計しています。

今:最終的に一番重要視しているのはエンジニアとしての優劣ではなく、UZUMAKIのやり方・考え方との相性です。私たちの仕事はクライアントワークがメインなので、仕事への考え方に大きなアンマッチがあると必要以上のコミュニケーションコストがかかってしまいますから。

エンジニア個人の力量をフラットに判断できる媒体

―  LAPRAS SCOUTを実際に使用してみての感想はいかがですか?

今:カンバン方式でタスクを管理できるので、UZUMAKIのような複数のエンジニアが関わっていく採用スタイルにはとても適していると感じました。さらに候補者を技術でフィルタリングできるのが、一番良いポイントだし魅力だと思います。LAPRAS上でスコアが高くなるのにも理由がありますよね。技術情報をコントリビュートしているという証明でもありますし。Qiitaで記事を公開したり、イベントに登壇・参加したり、そういったエンジニアとしての活動がスコアに繋がる所はとても良いですよね。個人的にも好きなタイプのエンジニアが比較的スコアが高く設定されているのも好ましい点です。学歴や在籍していた企業歴ではない部分で、しっかりとエンジニア本人の力を見て判断できるのは、エンジニア採用においては大きいと感じています。

工藤:LAPRASはエンジニアリングで自動化されている部分と、人が介在すべき部分が良いバランスで融合されていると思います。スカウトメールを送信する際にCSMの方のメールチェックなど一見手間になる部分が、サービスの質を保つポイントになっていますよね。こういった「人をしっかり見る」というカルチャーは、私たちにとっても親和性の高いものだと思っています。

―  今後のエンジニア採用についてはどのように考えていますか?

工藤:当初の希望としてはUZUMAKIにフルコミットしてくれるエンジニアを2名くらい採用したいというところがあったのですが、そこはまだ叶っていないですね。ただ導入当初に目標としていた「100名のエンジニアと接点を持つ」という部分はゴールが見えてきました。採用活動の初期段階として注力するのはここまでにして、ここからはタレントプールに追加されている候補者の動向に注意しながら、1年後2年後の選択肢の中にUZUMAKIを残してもらえるような関わり方をしていきたいですね。

―  本日はありがとうございました!

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