ITエンジニアの方々が、転職先を選ぶ際に重視するポイントは多岐にわたります。提示年収や働き方などの条件面はもちろん、プロダクトや技術に関する要因、組織・カルチャーに関する要因なども、他社求人と比較されるポイントになってきます。
今回は、そうしたエンジニアの方々が「転職時に重視するポイント」をお尋ねしたアンケート調査の結果をご紹介します。採用担当者の方が「エンジニアの方々は転職時にどんな点を重視する傾向があるのか」「自社のどんな部分が他社との差別化につながるか」を考えるにあたって、参考になる内容となっておりますので、ぜひご覧ください!
目次
調査概要
LAPRASでは、以下の要件でITエンジニアの方々にアンケート調査を行いました。
▼調査概要
調査対象:全国にお住まいのエンジニア
調査方法:インターネットリサーチ
実施期間:2025/03/12~3/14
有効サンプル数:1,101(うち回答者数:1,064)
質問内容
- あなたの年齢・性別を教えて下さい。
(いずれか当てはまるものを選択) - 男性15~19歳
- 男性20~29歳
- 男性30~39歳
- 男性40~49歳
- 男性50~59歳
- 男性60歳以上
- 女性15~19歳
- 女性20~29歳
- 女性30~39歳
- 女性40~49歳
- 女性50~59歳
- 女性60歳以上
- あなたが転職する際に重要視することを3つまで選んでください。
(1位、2位、3位を回答してもらい、それぞれ集計)
(以下から選択) - 年収
- 働き方
- 一緒に働く開発組織のメンバー
- 組織のカルチャー
- やりたいことができるかどうか
- 技術スタック
- 事業内容(サービス・製品など)
- 企業のミッションやビジョン
- 企業が抱える技術的課題
- あてはまるものはない
- 未選択
回答者の年齢・性別の分布
まず、回答者の性別・年齢の分布からご紹介します。
回答者のうち、男性は86%、女性は14%でした。全体に占める年齢別の割合は次のグラフをご覧ください。
男性回答者の7割以上が30~59歳のレンジに収まる
男性の同性内での構成比は次の表の通りです。
【ポイント】
- 同性内での構成比を見ると、男性は50~59歳が38.8%で最多。
- 次点で40~49歳(30.7%)、30~39歳(18.6%)と続く。
- 回答者の大半(約8割近く)は30~59歳の年齢レンジに収まる。
女性回答者の8割以上は20~49歳のレンジに収まる
同様に、女性の同性内での構成比は次の図の通りです。
【ポイント】
- 同性内での構成比を見ると、女性は30~39歳が34.2%で最多
- 次点で20~29歳(28.9%)、40~49歳(24.8%)と続く。
- 回答者の大半(8割超)は20~49歳の年齢レンジに収まる。
以上のような回答者の性別・年齢分布の中で「転職時に重視するポイント」にどのような傾向が見られるか見ていきましょう。
転職時に重視するポイント:1位の回答
「転職時に重視するポイント」を尋ねたところ、1位の回答で多かったものは次のようになりました。
【ポイント】
- 回答の中で10%以上の割合を占めたもの
- 年収:24.7%
- 働き方:18.7%
- やりたいことができる:14.1%
- 事業内容(サービス・製品など):10.0%
- 「あてはまるものはない」の割合は、9.6%。
「年収」「働き方」「やりたいことができるかどうか」だけで全回答の半分以上の割合を占めており、転職時に最も重視するポイントの上位はこれらの要素に絞り込まれる傾向があることがわかりました。
転職時に重視するポイント:2位の回答
続いて「転職時に重視するポイント」2位の回答は多かったものは次のようになりました。
【ポイント】
- 回答の中で10%以上の割合を占めたもの
- 年収:18.8%
- 働き方:17.9%
- 1位のときと順位が入れ替わったもの
- 事業内容(サービス・製品など):9.5%
- やりたいことができる:9.3%
- 「未選択」の割合は、20.5%。
1位の回答と比較して「事業内容(サービス・製品など)」が3番目に浮上し、「やりたいことができる」と順位が入れ替わっています。それ以外の回答の割合は1位のときとほぼ同様の傾向ですが「未選択」の割合も、1位の「あてはまるものはない」と比較して増加しています。
転職時に重視するポイント:3位の回答
最後に「転職時に重視するポイント」3位の回答が多かったものをご紹介します。
【ポイント】
- 回答の中で10%以上の割合を占めたもの
- 働き方:12.5%
- やりたいことができる:11.5%
- 年収:11.0%
- 1、2位のときと順位が入れ替わったもの
- 「年収」は、1、2位では1番目に多かったが、3番目に低下。
- 2位では4番目に多かった「やりたいことができる」が2番目まで浮上。
- 「未選択」の割合は、29.0%。
3位の回答で注目したい点は「年収」の割合の低下と、対象的に「やりたいことができる」が割合を増やしたことです。
ここからは、これらの結果から読み取れることを分析していきます。
ITエンジニアが転職時に特に重視するポイントの傾向は?
「年収・働き方・事業内容・やりたいことができるか」を重視する人が多い
「転職時に重視するポイント」で1〜3位まで、以下の回答は共通して多くの割合を占めていました。
【割合上位を占めた4項目】
- 年収
- 働き方
- 事業内容(サービス・製品など)
- やりたいことができるか
これらの要素は、多くのエンジニアの方々が普遍的に重視しているポイントだと考えられます。
その他の要因を重視する層も一定数存在する
一方で、これら「割合上位の4項目」が1位、2位、3位のいずれでも上位を占め続けているということは、同時に「これら4項目以外の、下記5項目のいずれかをより重視する」と回答した層も一定数存在している、ということがわかります。
【割合下位の5項目】
- 一緒に働く開発組織のメンバー
- 組織のカルチャー
- 技術スタック
- 企業のミッションやビジョン
- 企業が抱える技術的課題
たとえば、重視するポイント:1位の回答では上位4つの要因以外の回答をしている人の割合は合計して22.9%を占めています。(「あてはまるものはない:9.6%」を除く)
2割以上の人が「年収や働き方よりも重視するポイントがある」と考えている点は決して無視できません。
上位4項目の優先度には一定の傾向が見られる
割合上位の4項目を見ると、おおよそ次のような割合で推移しています。
年収 > 働き方 > 事業内容(サービス・製品など) ≒ やりたいことができるか
そのため、これら4項目よりもより重視するポイントがあるかは人によって違いがあるものの「4項目の中で順番をつけるなら上記の順番になる人が多い」と考えられます。
「エンジニアが転職時に重視するポイント」を求人票の改善に役立てよう
今回の調査で「ITエンジニアが転職時に重視するポイント」の傾向が明らかになりました。上位の割合を占めた「年収・働き方・事業内容・やりたいことができるか」などの重要性が高いのは間違いありません。しかし、実際の転職先選びはいろいろな要因を含めて判断されます。その他の要因をより重視する人も一定数いますし「どの点を自社の強みとして打ち出せるか?」は、各企業が置かれている状況によっても変わってきます。
できる限り多くの候補者から、自社に興味を持ってもらうためには、今回取り上げた「転職時に重視するポイント」を求人票やスカウトメールの中で効果的に訴求していく必要があります。
LAPRASでは、経験豊富なカスタマーサクセスが、専門的な知見を元に求人票やスカウトメールのブラッシュアップをお手伝いしています。自社の求人票やスカウト作成に悩んでいる方は、ぜひLAPRASまでお問い合わせください!
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